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第36話 新しい仲間とミニスカート

ゴロタの新しい事実が次々と判明します。でも、シェルさん達には、ピンとこなかったみたいです。

  僕は、精神的、肉体的に幼いだけでなく、生物としても未成熟であったことが判明した。


  通常、この世界の人間は、15歳位で成長がほぼ止まり、18歳以上になっても成長が続くのは特殊な例である。


  だから、成人は15歳とされ、お酒も飲めるし、結婚も出来る。男子の場合、15歳になると働きに出るし、女子だって、18歳までには殆ど結婚して、最初の子供を産んでいる。


  旅をして命を落とすことが普通の世界では、早く子供を産んでおかないと、種の保存が困難になってしまう。そんな世界だった。


  僕の両親は、元々は不死の存在である。しかし、魔人を依代にした父と、人間或いはエルフが依代だった母、その形質も確実に引き継がれている。


  僕の寿命は、分からない。人間と同じか、長寿か、それとも無限か。しかし、この世で形ある者として、永遠の命は考えにくい。この世界で最も長命な生き物は、古龍種で、2000年以上、生き続けている者もいるそうだ。


  次に、シェルさん達ハイエルフ族、300年以上生き続け,中には500年以上生き続ける者もいると言われている。


  人間族は、魔物に喰われなければ、80歳位までは生きていけるようだ。治癒師のいない村でも70歳位までは生きていても不思議はない。


  僕は、今、結婚しても夫婦としての生活が出来るようになるには、あと5~6年は掛かるであると言われたし、下手をすれば30歳近くまで駄目かも知れない。普通に考えれば、人間種と結婚しても、相手が不幸になるだけだそうだ。


  僕は、エーデル姫の事を考えた。エーデル姫は、僕より1つ年上だ。僕が大人になるまで待っていると、かなりマズイ気がする。


  そう思っていたら、一緒に聞いていたノエル先生が、


  「でも、それって結婚が出来ないって訳じゃあないんでしょ。あの、えーと、夜の生活が直ぐには出来ないって事ですよね!」


  ノエル先生、顔が真っ赤ですよ。


  「勿論、そうじゃ。王国法では、『婚姻は、15歳以上の成人男女両性の自由な合意による。』と規定されておるじゃろ。形式的には、ちゃんと結婚出来るのじゃ。最近は、男女両性という言葉を削除しようという人達も増えておるようじゃがな。」


  無駄情報、ありがとうございます。


  「さて、ゴロタよ。お主の魔法についてじゃが、どうやら普通の人間とは、構造が違うようじゃ。これは、超自然的な存在であった、お主の両親の影響だったかも知れん。」


  それからは、長くなるので、カットするが、兎に角、上級魔法も使おうと思えば使えるらしい。


  この前、初級魔法と思って使った「サンダー・ストーム」も、規模及び強度から考えて、最上級魔法の「スペース・サンダー・テンペスト」であったらしい。当然、僕は、そんな魔法の呪文も構造も知らないが、結果的に使ってしまったらしい。


  魔法って、そう言うものらしい。


  それから、マーリング校長の講義を受けたが、新しい事実が判明した。マーリング校長の名前の最後の「グ」は、発音しないらしい。マーリン校長と言うのが正しい。これは本当に無駄情報だった。


  マーリン校長に、召喚魔術の事について質問した。特に、召喚獣との契約や意思疏通について。


  どうやら、契約は、召喚する時の魔方陣に書かれており、特別に交わす必要が無いそうだ。但し、全ての命令に従わせる『絶対服従』をさせたい時は、召喚獣と奴隷契約を結ばなければいけないらしい。しかし、知能の低い低級魔獣では、奴隷契約そのものを理解出来ないので、無理だとのことである。


  召喚した際の、標準契約は、


  1 召喚者を殺したり、傷付けてはいけない


  2 召喚獣自身の命を落とすような命令以外は、従わなければならない


  3 命令がなくても、召喚者及び召喚獣自身を守らなければならない。この場合、両者が競合する場合には召喚者を優先させなければならない


  最後の契約条項は、かなり長いが、これがないと、さっさと逃げてしまう召喚獣がいたので、付け加えたらしい。昔の人って、苦労したんですね。あと、召喚獣とのコミュニケーションだが、思念するだけで通じるし、中級以上の魔獣には知能と会話能力もあるので、特に問題は無いそうだ。


  最後に、再召喚した場合、以前と同じ個体が召喚されるので、ゼロから育成しなくてもよいらしいとも教えて貰った。この辺のところが、入門書には書いてないので、どうしても分からなかったところだ。なお、物に憑依している者を解放するのは、召喚とは全く別物であるから、当然、契約条項等はないので、注意するようにも言われた。と言う事は、イフちゃんは召喚獣ではないと言う事になる。


  今日は、ここまでで終わりとした。マーリン校長だって、帰ってきたばっかりで疲れているみたいだし。


  僕が帰ろうとすると、ノエル先生が付いてきた。何の用事か聞きたかったが、黙っていた。店を出てから、直ぐに腕を組んできた。だから、ノエル先生、その胸、わざとですか?


  帰りがけに、明鏡止水流総本部に寄った。そこで、師範を相手に30分程稽古をした。本当は、もっとしたいのだが、最近は、30分くらいで師範が『参った。』をしてしまうので、終わってしまうのだ。総長は、最近、腰を悪くしたそうで、見ているだけであった。


  道場を出てから、夕飯の買い物をして、自宅に帰ったら、丁度シェルさん達も帰って来たばかりで、店の前で鉢合わせをした。


  ノエル先生は僕と腕を組み、他から見れば、ラブラブ状態であった。シェルさんは、目が吊り上がり、キッとノエル先生を睨んでから、


  「あら、仲の宜しいことで。どういうことなの?」


  と、聞いてきた。


  ノエル先生は、腕を組んだまま、


  「お二人にお話があります。まず、家に入りましょう。」


  と言って、ようやく腕を離し階段を上り始めた。階段は、狭いため、腕を組んだままでは昇れないのだ。僕も、後に続いたが、ノエル先生は、ミニスカートだったので、見てはいけない物が見えてしまい、慌てて下を見ながら階段を昇った。それを見ていたシェルさん達は、益々、目を吊り上げさせていた。


  部屋に入ったら、シェルさん達は、いつものように装備を脱ぎ、下着姿になってシャワーを浴びる準備をする。ノエル先生の存在は完全に無視している。そして、その姿のまま、お帰りのキスをされた。何か、いつもより長くないですか?エーデル姫、胸を押し付けすぎです。息が喘いでいますよ。


  僕達にとっては、いつもの行為だったが、ノエル先生には刺激が強かったようで、真っ赤になりながら、キスをしている僕達をジーっと見続けていた。特に、口許付近を。ようやくキスの時間が終った。シェルさんとエーデル姫が、シャワーを浴び終えるまで、沈黙の時間が過ぎていく。ノエル先生は、短すぎるスカートの裾を気にして、しきりに裾を引っ張っているが、どうしても何か白い物が見え隠れしている。


  時間が勿体ないので、僕は、夕食の準備をする。今日は、挽き肉と玉ねぎ、トマトソースを一緒に煮込んだソースを、パスタの上に載せた物と、付け合わせに、屋台で買ってきた鶏肉のフライにした。


  シェルさん達は、いつもの格好、つまり、そう、ほぼ下着姿だ。シェルさんは、パンツのみで、バスタオルを肩に掛けるだけ。エーデル姫は、パンツと透けて見えるネグリジェの上だけ。ブラジャーはしていない。普通に考えたら、目のやり場に困ってしまいます。


  「あのー、何時もこうなんですか。そのう、帰ってきてからのキスや、その格好。」


  「ええ、そうよ。私達、婚約者ですもの。当たり前でしょ。」


  あのう、『婚約者』を強調し過ぎだし、当たり前でも何でも無いですから。


  「それで、何の用ですの。」


  シェルさん、言葉尻に、トゲがあります。グサッと、刺さります。ノエル先生は、マーリン校長の話について、簡単に説明した。特に、僕の発育の遅さについて。シェルさんは、全く興味を示さなかった。自分も、他人の事を言える立場ではない。胸は無いし、何も生えてないし、何より15歳にもなって、女性特有の月のものが全く無いのだ。ハイエルフは、本当の成人は30歳とされている。皆には内緒だけど。





  エーデル姫は、良く理解出来なかった。


  え、ゴロタ殿がまだ、子供?どう言う事なの。確か、もう15歳になっていると思うのですけど。


  子供だから、結婚出来ないって。


  でも、私達がしたのは婚約だし。貴族諸侯の中には、7~8歳で娘を婚約させる者もいるし、そうよね、私達は婚約しただけだから、全く問題ないわよ。


  それにしても、今日のキスも良かったわ。今度から、もっと胸を押し付けてみよう。あ、今日の夜のキスからね。


  一人、顔を赤くしている残念姫だった。



  シェルさんが、静かな声で言った。


  「あなたの情報、確かに承りました。もう、用件が終わったでしょうから、お帰り下さい。」


  「用件は、それだけじゃあ無いんです。実は、私も、お姉さま達のお仲間に加えて頂きたいのです。」


  「ハア? あなた、今、一体幾つよ?15歳にならないと、冒険者登録は出来ないのよ。」


  シェルさんは、『お仲間』という言葉の意味を『冒険者パーティ』と誤解しているらしい。


  「違うんです。ゴロタさんの結婚相手候補として、お仲間に入れて欲しいのです。」


  「ハアアアア? 駄目に決まっているじゃない。何考えているのよ。ゴロタ君には、私と言う立派な婚約者がいるのよ。」


  「私もよ。」


  エーデル姫、それだけですか?


  「直ぐには、了解頂けないと思いますが、私、諦めたくないんです。ゴロタさんだって、チョコレートを受け取ってくれたし。キャッ!」


  あ、この娘もきっと残念娘なのかも知れない。


  「何、それだけ。それだけで、ゴロタ君の心をゲットしたと思ってるの。それじゃあ、あの日だけで10人以上の女性がゴロタ君をゲットしているわよ。」


  シェルさん、皇后陛下やジェーンさんをカウントしないで下さい。


  「でも、それってゴロタ君の気持ちが、一番大切だと思うんですが、ゴロタ君はどうなんですか。」


  正論です。物凄く正論です。でも、無理です。ノエル先生は、魔法の先生だし、髪は黒くて長いし、足だって長くて綺麗だし、胸だって、シェルさんよりあるし、選ぶなんて無理です。


  もう、泣きます。絶対、泣きます。


  僕の、ポロポロ流す涙を見て、誰も何も言えなくなった。


  シェルさんだって、エーデル姫だって、僕から好きだとか、愛してるとか言われた事はないはずだ。キスだって、毎日の挨拶だというからしているだけで、僕から積極的にした事は一度もない。もしかすると、将来、僕の本当に好きな人が現れるかも知れないのに。ああ、そうなったら、どうしよう。


  そう考えると、ノエル先生を仲間外れにする理由が無い事に気付くのであった。


ついに3人目の婚約者?が、加わりました。ちょっと小さいけれど、幼女と言うほどではなく、日本ではJC2ですか。絶対捕まります。必ず捕まります。王国でも捕まります。

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