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第357話 キティちゃんは良い子でした。

キティちゃんは、ゴロタの娘でもおかしくない年回りです。

(6月7日の夕方です)

  最下層は、艶色ゾーンだ。ハーピーやセイレーンが誘っている。


  シェルが、奴らが大事なところを大きく広げる前に『ヘラクレイスの弓』で殲滅しているが、何匹かは間に合わずに、どす黒いものの中のピンク色の襞が見えている。


  ゴロタは、一切、攻撃をせずに見学していた。


  キティちゃんは、吃驚していたが、意味を理解したのか、顔が真っ赤だ。


  階層ボスは、サキュバスだった。何も着ていない。女神のような神々しさだ。


  ゴロタの周りに『蒼き盾』が現れる。ガンガンと音を立てて、何かを弾き返している。サキュバスの『淫夢』攻撃だ。


  攻撃が効かないと見るや、サキュバスは後ろを向いて、足を大きく広げてきた。うん、綺麗だ。指で押し広げている。艶々したピンク色だ。シェルが、そこのど真ん中に光る矢を10本まとめて打ち込んだ。


  サキュバスはアソコを中心に、大きく穴を開けて動かなくなった。『きっ』と振り返ったシェルの目が、怒りに燃えていた。怒ったって、ゴロタは何もしていないし。


  きっと、ゴロタの目がスケベモードになっていたのを見逃さなかったのだろう。今日は、ホテルで説教2時間コースかも知れない。


  後ろで、変な声が聞こえてきた。キティちゃんがしゃがみ込んでいる。ズボンとパンツが、直ぐそばに脱ぎ捨てられていた。右手が、股の間に差し込まれていた。


  ゴロタを見上げた目が、欲情した女の目だ。サキュバスの淫夢攻撃は、男性に対してのものだが、耐性の無い処女や子供は、女性でも当てられてしまう。キティちゃんは、その例なのだろう。


  キティちゃんは、腰を下ろし、M字開脚でピンクのアソコを広げてきた。幼児のアソコだ。ゴロタは、じっと見ていたら、シェルに思いっきり殴られた。仕方がなく、後ろを向いたゴロタだった。


  シェルが、キティちゃんの頭に右手を当てて『治癒』スキルを使った。直ぐに我に返ったキティちゃんは、下半身が裸なのに驚いていた。自分が何をしていたかは分からないが、変な事をしていたような感じはあった。急いでパンツとズボンを履いてから、サキュバスの方に駆け寄った。魔石は、例の淫石だったので、ゴロタが回収した。今日だけで、大金貨2枚以上の収穫だ。ミスリルナイフ10本は、キティちゃんに上げた。


  このダンジョン、また来よう。その時は、一人で来ようと思っているゴロタだった。


  召喚石で地上に出たゴロタ達は、受付で預けていた魔石とミスリルナイフを返して貰い、帰りの馬車を待つ事にした。


  丁度、その時、行きの馬車で一緒だったパーティーが出て来た。あれ、ポーターがいない。パーティーもズタボロだった。


  聞くと、3階層でサラマンダーにやられたらしい。逃げるのに邪魔だったので、ポーターの男の子は置いてきたそうだ。これは仕方がないことだ。一人を助けるために全滅する訳にはいかない。


  キティちゃんが、それを聞いて怒りに震えている。お兄ちゃんの事を思い出したのだろう。


  ゴロタは、キティちゃんの頭を撫でて、『心配するな。』と言ってあげた。


  直ぐ、サラマンダーの所へ転移した。シェルも一緒だ。シルフとキティちゃんは、地上で留守番だ。


  サラマンダーは、ジッと動かずにいた。身体の下には、男の子がいる。まだ生きているようで、腕が動いている。下半身からの出血が酷い。


  ゴロタは、アイスランスをサラマンダーの顔から尻尾に向けて挿し抜いた。本当は、上から降り注ぎたかったが、男の子に当たらないようにしなければならない。


  尻尾の根本から、アイスランスが飛び出して、その先の壁に突き刺さった。ゴロタのアイスランスは、鋼鉄よりも硬い。


  『念動』で、サラマンダーをどかす。下敷きになっていた男の子を見ると、両足が無かった。きっとサラマンダーに食われたのだろう。シェルが『治癒』で、出血を止める。


  ゴロタは、両手を傷口に当てて『復元』の力を流し込む。傷口がモヤモヤとして来るが、復元スピードが遅い。時間が経過し過ぎている。


  ゴロタは、男の子の口にエリクサーを流し込む。意識が無いので、飲み込めない。ゴロタは、『念動』で無理やり胃の中に流し込んでやった。


  それから、また『復元』だ。漸く、両足が生えてきた。パンツもズボンも血だらけのズタズタなので、かなりサイズが大きいが、仕方がない。ゴロタの着替えを着せてあげる。


  意識が戻っていないので、背負って地上に転移した。


  キティちゃんが、男の子の所へ駆け寄る。泣いているため、顔がくしゃくしゃだ。シェルが安心させてやる。


  「大丈夫よ。出血が酷かったので、意識が無いけど、傷は完全に治っているわ。」


  キティちゃんは、安心した。もう、こうなったらゆっくり馬車など待っていられない。ゴロタは、男の子を背負って、ゲートを開けた。向こう側は、タイタン市の治癒院だ。フランちゃんに、男の子を預かって貰ってからダンジョン入り口に戻った。


  ダンジョン入り口では、先程の3人組パーティーとキティちゃんが揉めていた。どうやら、キティちゃんが文句をつけていたらしい。気持ちは分かるが、ダンジョンではよく有る事なのだ。文句は言えない。


  ゴロタが戻ってきたのを確認して、3人組のリーダーらしき男が声を掛けてきた。


  「おい、あいつをどこに連れて行った?」


  「治癒院だ。」


  「勝手な事をするなよ。町に戻る迄の契約だったんだぞ。」


  「死にかけていた。」


  「そんなことは、関係ねえ。あいつに預けていたお宝を返しやがれ。」


  「何も持っていなかった。」


  「ふざけるな。てめえ、上手い事やってネコババするつもりだろう。」


  「現場には、何も落ちていなかった。」


  「そんなはずはねえ。現にこのアマっ子がこんなにミスリルのお宝を持っているじゃあねえか。」


  コレは言いがかりだ。彼らが上がって来る前に、キティちゃんはダンジョンから出てきたからだ。横取りなど出来るわけない。


  「現場には、何も無かった。確認するか?」


  「どうやって確認するんだよ?」


  「こうやってだ!」


  ゲートを開けた。復活したサラマンダーの真ん前だ。『念動』で、3人をゲートの向こうに送り込む。悲鳴が聞こえたが、直ぐにゲートを閉めた。


  ゴロタ達は、ゆっくり馬車に乗って町に戻った。


  冒険者受付所で、キティちゃんの戦利品を出した所、全部で金貨3枚大銀貨8枚になった。キティちゃんは、自分のために、ミスリルナイフ1本は換金せずにこの値段だ。代金を受け取る手が震えている。


  ほっこり見ていたゴロタ達に、キティちゃんが来て貰いたい所があると言ってきた。夕食まで時間もあるので、付いて行く事にした。町外れの方に向かって歩いている。イフちゃんが警告していた。殺気を含んだ連中が後を付けて来ていると。ああ、ここではゴロタの事を誰も知らない。絶対に、身体だけはでかいが、弱そうな若造と思われている筈だ。


  いよいよ町外れまで来てしまった。キティちゃんが、後ろの連中の事に気がついたみたいだった。身体が震えている。シェルが、安心させていた。これ以上怖がらせても可哀想なので、振り返って声を掛けた。


  「何か用か?」


  リーダーらしい男が、


  「てめえには用がねえ。そっちのガキに用があるんだ。」


  「何の用だ?」


  「てめえに教える必要はねえが、どっち道死ぬんだ。そのガキの持ってるお宝を頂こうって訳よ。」


  「断ると言ったら、どうする。」


  「こうなるんだよ。」


  男達が、剣を抜いて切りかかって来る。ゴロタは、指鉄砲で、男達の右膝を打ち抜く。助かりたかったら、右足切断だろう。


  ゴロタは、痛みで呻いているリーダーに聞いた。


  「腕と目と首、どれが良い?」


  最初、何を言っているか分からないようだったが、意味を理解して小便を漏らしながら泣き出した。


  「許してくれ。もう、こんな事はしねえから。」


  今まで、きっと許しを乞う者を切ってきたに違いない。ゴロタは、リーダーの目玉を遥か向こうまで投げ捨てた。全部で8名だったが、失明6名、両腕切断2名だった。


  キティちゃんは、シェルに目を閉じられていたので、声しか聞こえなかった。彼らを、見えないところまで飛ばしてから、キティちゃんの目的地に向かった。


  そこは、孤児院だった。孤児院に走り込んだキティちゃんは、


  「シスター、シスター。」


  と大きな声で呼んだ。奥の方から出てきた若いシスターは、色の白い大陸の人だった。


  シスターは、ゴロタ達を見て吃驚していたようだが、キティちゃんが構わず話しかける。


  「シスター、コレを見て。こんなに一杯。みんなキティのもんだよ。ね、シスター、コレで悪い人達に借金返せる?」


  シスターは、キティちゃんの出した金貨3枚を見て目を丸くしている。


  シェルがシスターに聞いた。


  「シスター、私達は旅の者です。私はシェル、この子はゴロタと言います。そちらはシルフです。シスターは、どちらの方ですか?」


  シスターは、頭の頭巾を取り去った。金色のショートカットだったが、耳は長く伸びている。エルフだ。道理で、若く見える筈だ。


  「私は、グリーンフォレスト連合国セビル公国のシタと申します。失礼ですが、シェルナブール姫様ではありませんか?」


  あ、バレてる。シェルは知らなくてもシェルを知っている人は多い。なんと言っても『残念姫』で有名ですから。


  「はい、でもどちらかでお見かけしたかしら?」


  「いえ、母上君には、40年ほど前にお仕えした事があります。母上君にそっくりでしたので、あの有名な姫君かと。あ、大変失礼しました。」


  シタさんが狼狽えているが、気持ちは分かります。笑いを堪えて、思いっきり殴られたゴロタだった。

この大陸では、亜人は漂流者が殆どです。

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