第329話 タイタン領内は、大豊作です。
実りの秋、豊穣の神様の恵みがありました。
(11月23日です。)
今日は、豊穣の神、デメテル様に感謝をささげる日だ。新嘗祭と言うらしい。ゴロタは、コリン・ダーツ行政長官から今年の収穫及び年貢の徴収状況について報告があった。今年は、近来にない大豊作で、平年の収穫量の1.4倍の収穫だったらしい。年貢も、ヘンデル帝国北部タイタン領とフェニック帝国南部タイタン領以外つまりグレーテル王国全領土から納められており、王国及び帝国等に売却して、大金貨8000枚にもなったそうだ。また、各王国等への融資に関する金利及び商業施設、鉱山等からの税金が、見込みであるが大金貨4000枚、それにホテルや売春宿等公爵直営事業からの収益が大金貨1000枚ほどになるそうだ。それと鉄道や製鉄所、石油精製所などの交易事業が軌道に乗ったら、大金貨9000枚以上の売り上げが見込めるそうだが、それは今後の事だそうだ。鉄道建設や、道路整備、公共施設の整備等で大金貨6000枚程使い、あと公務員給与及び施設維持費等で大金貨2000枚程使っているが、内部留保金が大金貨5000枚程あるそうだ。
財政状況は、超優良で、通常は、領主が無駄遣いをしているので、こんなに収益が上がることは無いそうだ。
皆に、臨時ボーナスを出すことにした。年俸の2割、総額で大金貨100枚だが、皆には金貨1~3枚位は渡せると思う。年末、聖夜の日に支給することにする。
行政長官から、学校の教職員、治癒院の治癒師、薬剤師それに看護師、税務署の徴税官を大量に増員しなければならないと言われた。
その経費は、来年からのヘンデル帝国北部タイタン領からの年貢・税収と交易事業の収益が見込まれるので、資金的には全く問題ないそうだ。
現在、順調に衛士隊も育成されており、今後、ヘンデル帝国北部タイタン領とフェニック北部タイタン領において衛士養成学校が開設・運営されるので、治安維持もうまく行くものと思われるとの行政見込みが発表された。
正月になったら、ガーリック伯爵領に行き、モンド王国との交易路を拡幅するつもりだ。その前に、あの南ヒラマヤ山脈から流れ落ちて来る渓流をせき止めて、貯水湖を作った。そこから、大きなパイプで、下流への放流路をつくり、途中で水車を回すようにしたのだ。その水車には発電機を設け、山脈の中の洞窟に敷設して行くつもりだ。
この前のクレスタの誕生日の時に、この洞窟にゴロタ一人で来て、6頭立馬車がすれ違える位の幅に拡幅しておいた。ゴロタでも、30キロ程拡幅していくのに半日かかってしまった。あと、簡易の発電機は、シルフに制作をお願いしたが、それには2日程かかるし、水車つまりタービンを作るのは3週間はかかるとの事だった。この洞窟が完成したら、通行料を徴取するつもりだ。人間1人で銀貨5枚、馬1頭銀貨1枚、荷馬車1台銀貨3枚の予定だ。徴収事務は、それぞれの入り口を管理する領主や衛士隊に依頼する。交易で莫大な利益が見込めるのだ。これくらい協力しても当然だろう。
シルフが、衛星画像から測定したところ、この山脈を貫通するのには、概ね700キロ程度のトンネルが必要だとのことだった。
馬車で、1日に70キロ進むとして、宿泊施設を9か所作らなければならない。最終的には、鉄道を通すとしても、それまでは、馬車しか交通手段は無いことになる。
クレスタは、妊娠しているので、もう土木工事には使えない。ガーリック伯爵領と、デザイア辺境伯領内から、土魔法使いを集めなければならない。
後、キキちゃんやジェリーちゃん達土魔法の使える女性陣も使おうと思ったが、ヘンデル帝国北部タイタン領内の港湾道路を整備してもらう予定なので、ゴロタと、領内から召集した者だけで作業をすることになるだろう。
シルフが、魔法の箱を作った。有線電話というらしい。プラスチック樹脂で出来た受話器というものを耳に当て、話すと、電線で繋がっている相手と話すことができるのだ。タイタン市内には、領主館と行政庁、司法庁、騎士団、衛士隊それとクレスタの店に有線電話を置いた。
交換機は、電磁スイッチを使ったクロスバー方式だ。仕組みは、よくわからないが、電話機の1から0までの10個のダイヤルを決められた順番に回して、相手を呼び出すらしい。ちなみに、領主館の代表電話は、00番で、ゴロタの事務室は01番だ。行政庁は10番から始まり、司法庁は20番からだ。
衛士隊本部は、110番と3桁だ。この番号は、シルフの指定だった。
電信柱は、街路灯の柱を代用した。シルフが言うには、全ての電線は、地中の共同管路に収納しなければいけないそうだ。電信柱や電力線柱を立てるよりは、ずっと楽だ。樹脂管を地面に置いて、土魔法で埋めれば、一瞬で地中管の出来上がりだった。
ただ、現在は石油精製がシルフの手作業なので、樹脂管の生産が少なく、皆に我慢して貰っている。
タイタン市とハッシュ町、それとエクレア市までの電線は、鉄道沿いに敷設していく。送電線と兼ねているので、かなりの高さの電柱を建てている。発電所と各市町村までは、60000Vの高圧線だ。電線が3本必要だそうだ。
それを、市町村の入り口付近に大きな変電所を作って6600Vに変換し、市内の必要なところで、200Vに変換するという面倒臭いことをしている。
本当なら30m以上の鉄塔が必要なのだが、鋼材製造と組み立て技術が未熟なため、木製の櫓を組んで、その上に電線を敷設しているが、それでも相当の工事作業者が必要となってしまった。
シルフの計算では、電気使用料金として、1kwhあたり、銅貨2枚半は貰いたいそうだ。使用量を計る小さなメーターもあるそうだが、施設の総電力必要量から計算した定額とするようだ。まあ、細かな所は、シルフに任せることにした。
行政庁と司法庁は、オール電化している。照明は、シリコン化合物に微量の金属を混ぜた物を光らせている。消費電力が少なく、長持ちするらしい。
空調は、液化石油ガスを圧縮したり、開放したりで、熱交換をしている。ヒートポンプ方式という原始的な方法らしい。夏、涼しく冬暖かいらしいのだ。そういえば、職員は、冬なのにシャツ1枚だ。女性職員は、ミニスカで、素足を露出しているが、寒くはないそうだ。
将来的には、市内全域に空調パイプを張り巡らせ、集中冷暖房システムを構築する計画も破るのだが、だいぶ先になるみたいだった。
シルフは、50年後には、あの異世界の地球と言う国の紀元2000年レベルの科学文明を超えることがつもりだそうだ。そのためには、理工系の学校を作って優秀な技術者を養成しなければならない。
絶対に必要なのが、優秀な指導者だ。この世界には、当然いる訳もなく、どうしても発展スピードが遅くならざるを得ない。今のレベルは、紀元1900年程度らしい。ただし、これからの発展は、当時とは比較にならない位早くなるとの予測だった。
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(12月6日です。)
今日は、ミキさんの18歳の誕生日だ。誕生パーティは、領主館で行う。ミキさん達が住む別館でやっても良いが、メイドの人数も違うし、広間の大きさも違うので、領主館でやった方が何かと便利なのだ。
ミキさんへの誕生日プレゼントは髪飾りにした。すでに指輪は買ってやっているので、今回はダイヤの髪飾りだ。みんなの様に誕生日旅行はしないつもりだ。婚約者の母親と旅行に行ったなどと噂になるといけないし、そもそもミキさんは今、高校1年生だ。そんな法律違反まがいの事はできない。
ただ、ミキさんは、1度結婚しているので、厳密に言うと青少年育成法の対象外だ。エッチをしても、年少者に対する不健全行為とはならないし、ゴロタは既にその行為をしてしまっている。
そんな事は、気にせずに誕生パーティは、無事終了した。今日は、フミさんと別荘に泊まる予定だったが、フミさんが、今日くらいはミキさんと泊まりなさいと小声で伝えて来た。
ミキさんを見ると、顔を真っ赤にしている。周りを見ると、シェル達も納得しているようだった。
メイド達の目もあるので、一旦、自室に戻ってから、ミキさんの寝ている寝室へ転移する。そこから、ニースタウンの別荘に再転移する。レオナちゃんは、乳母に面倒を見て貰っている。
ミキさんは、かなりエロい寝間着を着ていた。スケスケネグリジェで、下着も小さいのだった。もう、完全に臨戦態勢だった。二人で、露店風呂に入り、それからベッドだ。この日は、朝も入れて計4回だった。
翌日、メイドさん達が起きだす前にミキさんと一緒に、屋敷に戻り、お別れのキスをしてからゴロタは、自室に戻った。ミキさんは、少し疲れた顔をしていたが、何食わぬ顔で部屋から下の食堂に降りて行った。
自室に戻ったゴロタは、フミさんに迎えられた。フミさんは、昨日、ゴロタの部屋に泊まったらしい。当然、朝なのに昨日の分をサービスさせられた。フミさん、もう許してください。
タイタン領は狡いです。