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第321話 南極って、大陸?

今回は、南極に行きます。

(9月24日です。)

  もう、中央フェニック帝国の南部地方の反乱は、チャチャッと処理することにしたので、直ぐに北西に位置するジャッカル子爵領に行く。そこでも、コヨーテ男爵の時と同じことをするつもりだったが、今回は、レストランで待つことにした。さっきの処理で、昼食が未だだったのだ。


  馬鹿の一つ覚えではないが、またレストランが、騎士団らに囲まれた。今度は、ノエルとビラの2人で対処することにした。


  ノエルが、『天空の杖』を頭上に掲げて、『ウインド・ストリーム』を放った。地上300m以上まで巻き上がる大竜巻が発生し、殆どの者を上空まで吸い上げてしまった。落ちると絶対死ぬなと思ったら、まっしぐらに地面に落ちて来た。ゴロタ達は、大きく飛び下がった。血や肉や気持ちの悪い物が辺り一面にまき散らされたのだ。


  残ったわずかな男どもを、ビラの『雷神の薙刀』が襲う。狙うのは、両足首だ。次々と男が倒れていく。切り取られた足首をコマちゃんが食べて行く。頭上からは、バルトが的確に、地面で転げ回っている男たちの目玉をつぶしていく。というか、目玉をえぐって食べている。


  もう、誰も何も言えなくなってしまった。エグすぎる。


  ジャッカル子爵に『威嚇』を掛け、自宅まで行く。驚いたことに子爵は独身だった。というか、女性の妻はいなかった。執事を始め、メイド全員が男性だった。メイドのエプロンの下は、何も着ていない。目がつぶれそうだ。全員、屋敷から追い出し、全ての財産を押収した。子爵に、もう用はない。ここで死ぬか、街の中で、市民に殺されるかを選ばせたところ、此処で殺してくれと頼まれた。ゴロタは、子爵の死体もダンジョン最下層に転移させた。


  最後は、最南部のリカオン辺境伯だ。領地の南側は、もう南極山脈だ。通常人では、超えることができない山だ。その山脈の麓まで、500キロ以上の針葉樹の原生林が続く。足元は、泥濘地で、やはり、踏破は難しいようだ。


  その森が、南方の防御になっているのか、辺境伯邸は、森を背景に、北にあたる正面に5m以上の高さの防御壁を築いている。


  ゴロタは、シェル、エーデルと一緒に上空から侵入し、普通に屋敷内を歩いて進んだ。シェルは『ヘラクレイスの弓』を左手に持ってはいるが、エーデルは、『百刺しのレイピア』を抜きもしない。


  大勢のゴロツキや衛士どもが襲い掛かろうとするが、全く何もできなかった。ゴロタが睨むだけで、小便を漏らしながら気を失ってしまうのだ。


  真っすぐ辺境伯の執務室に行って、鍵のかかった扉を引きちぎって開けた。机の陰に隠れている辺境伯に挨拶をする。


  「こんにちはー、リカオン辺境伯、皇帝陛下後見人のゴロタです。」


  物凄くお茶目な言い方をする。こう言う言い方は、全く支障なく言えるようになったゴロタだった。


  辺境伯は、机の陰から顔を出した。青ざめている。立ち上がると、ズボンが下がっていて、小さな一物が見えている。慌てて、ズボンを引き上げ、震える手でベルトを嵌めている。


  本棚の陰の隠し部屋に案内してくれた。そこには、うず高く積まれた大金貨や金の延べ棒があった。


  ゴロタは、ニコリと笑って、後はシェルに任せた。


  「ありがとうございます。遠慮なくいただいておきます。ところで、奴隷の取扱い帳簿を出していただけませんか?」


  辺境伯は、机の陰に隠れていた7~8歳位の裸の女の子を蹴り飛ばして、どかせてから机の中から、分厚い書類を出しきた。


  女の子は、蹴られたお腹を押さえてうずくまっている。可哀そうに、女の子は、歯が全て抜かれていた。


  ゴロタの心の何かが切れた。


  辺境伯は、素っ裸で屋敷の外に連れ出され、最初に男根を根元から切り落とされた。次に、両足首、両手首、両膝、両肘を『念動』で引っこ抜いた。


  最後に、全ての歯も『念動』で1本ずつゴロタに抜かれ、さっきの女の子に胸を刺されて絶命した。ゴロタは、その女の子の歯と処女膜を復元してあげた。


  その頃、騎士団、衛士隊、ゴロツキ、それに、リカオンのやる暴虐を黙って見ていた妻、執事、メイド達全員がノエルやイチローさん達に殲滅されていた。子供は、領都で暮らしているそうだが、放っておくことにした。仕送りが途絶えてどうなるか知ったことではない。


  ところで、エーデルは、何しに来たのだろう。


  すべてが終わったことを、ガダリロ宰相に告げて、タイタン市に帰ろうとしたが、ゴロタを帝国の公爵に叙し、南部3郡を与えられた。まあ、皇帝陛下の義弟になる予定だから公爵でも良いが、普通は結婚して正式に姻戚関係が出来てから公爵になるはずだ。まあ、国が違うから、そんなものかと受けることにした。


  6歳の皇帝陛下が、錫杖で、ゴロタの頭をコツンと叩いて、式典は終わった。また、反乱平定の功で、


  大勲位八皇聖賢藍綬金剛大褒章


が授与された。もう付けるスペースがない。宰相が、良いことを教えてくれた。全ての勲章を額縁にいれ、お付きの者に持たせれば良いとのことだった。何か、恥ずかしいと思うのだが。


-----/----------/---------/-----


(9月30日です。)

  ノエルは、20歳になった。本来なら、大学2年生のはずだが、もう大学は卒業し、大学の准教授をしている。研究テーマは、『古代魔法の考察と復元』だそうだ。きっと、一生懸命、古代文字を解読しているんだろう。


  今度、シルフを連れて研究室に行ってみよう。誕生パーティは、王都の公爵邸で行った。当然、ミキさんとレオナちゃんも来てくれた。


  珍しく王国魔導士長兼魔法学院総学院長のマリンピアさんも参加していた。実は、ミキさんの『星魔法』に興味があったらしい。実際に『流星雨』を見てみたいと言うのだ。


  しかし、今日の王都の天気は『曇り』、『流星雨』を見る事は出来ない。でもせっかくだし、ゴロタ達は、パーティが終わってから、中庭に出た。雲よりも高いところで、ミニ太陽を輝かせた。見る見る雲が薄れて行く。蒸発してしまったのだ。ミニ太陽が燦燦と輝いて、辺りは昼の様になっている。ゴロタは、ミニ太陽を消した。一瞬で戻る夜のしじま。


  ミキさんは、ノエルの『天空の杖』を借りて、頭上高く掲げた。


  「星々はきらめき、闇は悠久のかなたに去りて久し。無窮の果てにて光と闇から生まれし者よ。今、宇宙の理を示し、天を切り裂け。我はミキ、星々の力を顕現する者。我は命ずる、その姿を地上に示せ。」


  「メテオ・シャワー!」


  『天空の杖』が、信じられないほどの白い光を放った。まるで、天空を照らすのではないかと思えるほど。


  空から物凄い音がし始めた。


  『ジュボー』


  と水の中に燃え盛る松明を入れたときのような音だ。上を見上げると、火の球が無数に空から降って来る。流れ星のレベルではない。大火球が落ちて来る。しかし、それらは、地上に激突することは無かった。必ず、落下している間に消えてしまうのだ。流星雨は、30分以上続いた。


  この威力、きっと『天空の杖』の効果だろうが、威力が凄すぎる。というか、ミキさん、これってまともに地上に衝突したら、星の形が変わってしまいます。


  マリンピアさんは、流れる涙を拭いもせず、空を見上げ続けていた。


  ゴロタのミニ太陽も驚愕の大魔法だったが、ミキさんの流星雨を降らせる魔法、古代魔法に記載はあるが、ここ300年、誰も使ったことが無い魔法だ。それが、こんな若い女の子がいともたやすく使うとは。それに先ほどの呪文、一体だれが教えたのか。マリンピアも知らない呪文詠唱だった。


  シルフが、ゴロタにそっと教えてくれた。


  『ノエルが持っている古代呪文書の未解読部分に書いてありました。』


  これで、ノエルの誕生パーティは終わりだ。ノエルと二人で、ニース・タウンの別荘に行く。明日から、誕生旅行だが、行き先は決めている。


  まず、ノエルの故郷に行って、両親と会うことにする。それから、南極大陸に行ってみる。中央フェニック帝国の南部辺境領から、森と南極山脈を越えてみるのだ。勿論、飛行艇『ゼロ』で行くつもりだ。


  翌朝、リンダバーク村まで転移した。ワカコさんとダンテさんは、相変わらず、教会の周りの手入れをしていた。ノエルが、新しい教会を建てようと提案しても、そんなお金があるなら、貧しい人たちに施したいといって、建て替えようとしないのだ。


  最近は、雨漏りだけでなく、壁にもひびが入って来たので、漆喰や泥を固めて補修しているようだ。


  ゴロタは、土魔法で、周囲のヒビを全て塞いであげた。当然、屋根の破損も直してやる。


  ダンテさん達は、ゴロタに感謝するとともに、新婚生活の事を聞いてきた。特に聞きたいのは、孫が出来たのかどうかだったらしいが、ゴロタはまだ作る気はないので、黙っている。


  しばらく、まったりとしてから、出発することにした。その後、中央フェニック帝国の旧リカオン辺境伯領、今はタイタン公爵領だが、その領都にある、旧リカオン辺境伯邸に行く。そこでは、領主代行のイチローさんが執務を取っている。イチローさんは、猫人だが、他には犬人の市長と猿人の行政庁総督が集まっていた。話題は、今、孤児院で預かっている人間族の子供達をどうするかという事だった。


  ある程度大きな子は、自分の出身地や両親の名前が言えるが、5歳から下の子は、記憶もあやふやで、身元が分かる物が無ければお手上げだ。ゴロタは、身元が分かっている子供については、誕生旅行から帰ったら連れて行ってあげると約束した。


  領主館の前に、飛行艇を取り出して置く。ノエルは黄色の飛行服に着替えていた。これで乗り込むときにパンツが見えることは無い。搭乗したら、キャノピーを閉じ、垂直に上昇を始める。


  高度600mまで上昇したら、水平飛行に移る。進路を南にとって、スロットルを曳く。『ゼロ』は時速900キロまで加速しながら、高度を上げて行く。高度が9000mまで上がった時、眼下には南極山脈は、鋭い牙のような山頂を輝かせて、連なっている。


  どこまで行っても、山脈が切れない。そのうち、南極点に到達したが、まだ山脈が続いていた。南極は、南大陸と陸続きだった。

惑星の南極、北極は地磁気と時点で決まるみたいですが、仕組みは良くわかりません。

今日も、まだ正月休み中なので、夕方の投稿はありません。

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