第315話 婚約者の母親
妻や婚約者以外の女性と旅行に行くのは不倫旅行です。しかし、妻達が認めたら、どうなんでしょうか?
(8月7日です。)
今日は、フミさんの31歳の誕生日だ。フミさんは和の国の人なので、年齢よりもずっと若く見える。というか、少女の頃と殆ど変わらないのだ。エルフの様に長寿種でもないのに不思議だ。
でも、フミさんは、鏡を見ながら、『老けた。老けた。』とため息を付いている。ゴロタは、決してそんな事はないと思うのだ。明日から、誕生日旅行に行く。行き先は、和の国だ。北の海道州に行くつもりだ。
領主館で誕生パーティの準備をしていると、ミキさんがゴロタに用があると言う。何かと思って、ゴロタの部屋で話を聞いてあげた。
話は、単純だった。自分とレオナの誕生日を聞いてくれないが、お誕生会はして貰えないのかという事だった。そう言いながら、大粒の涙をポロポロ零し始めた。
ゴロタは、今まで聞くチャンスが無かったので、聞かなかっただけで、決してお誕生会をしてあげないなんて言っていない。こういう所は、18歳の女の子だ。
そういえば、ミキさんは、冒険者登録をしていなかった。早速、登録をしに行こう。この前の水竜もオークションに掛ける予定があるし。ゴロタは、直ぐにハッシュ村の冒険者ギルドにミキさんと一緒に転移した。
冒険者ギルドは、冒険者達でにぎわっていた。外は、炎暑だがギルドの中は空調が効いているので、用も無いのにギルドでたむろしているのだ。ゴロタが、ミキさんを連れてギルドの中に入って行っても、皆、またかという顔で、直ぐに視線をそらしていた。
そういえば、この前まで、次々と高校生や中学生を連れてきていたっけ。ギルドでは、エーデルだけが暇そうにしていた。ミキさんは、ギルド内のレストランで、バニースタイルのウエイトレスを見て目を丸くしていた。
早速、ミキさんの能力測定をした。
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【ユニーク情報】
名前:ミキ
種族:人間族
生年月日:王国歴2009年12月6日(17歳)
性別:女
父の種族:人間族
母の種族:人間族
職業:皇族 冒険者ランク F
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【能力】
レベル 4
体力 20
魔力 30
スキル 10
攻撃力 10
防御力 20
俊敏性 20
魔法適性 風 星
固有スキル
【微笑み】
習得魔術 なし
習得武技 なし
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え、17歳?何、それ。という事は、高校3年生と同い年?
これには、ミキさんも吃驚していた。という事は、ミキさん、あなたは自分の年齢を1歳間違えていましたね。ミキさんも、自分が2008年生まれだとばっかり思っていたそうだ。
ミキさんは、14になったばかりで、先帝に処女を奪われた事になる。完全に犯罪だが、今更仕方がない。レオナちゃんを生んだのも、まだ14歳の時だ。
ミキさんの魔法適性で『星』とあるのはなんだろう。それに固有スキルの『微笑み』が、分からない。始めてみるスキルだ。当然、ミキさんも分からなかった。
後で、ノエルに聞いたら、『星』魔法は、失われた太古の魔法の一種で、『メテオ』など、地上に流星を降らせる魔法が使える適性だそうだ。しかし、魔力の消費量が凄まじく、通常は、誰も使えない適性らしい。
ゴロタは、その魔法を使う方法を思い付いた。ゴロタの魔力をミキさんに流し込みながら使わせるのだ。或いは、大量の魔力を注ぎ込んだ魔石を使うのも可能だろう。今度、試してみることにする。
剣の適性はどうだろうか?今、せっかく王都にいるのだ。明鏡止水流の道場に通わせることにした。既に母親だとは言え、まだ17歳、物事を習うのに遅すぎると言うことは無いはずだ。
その日、フミさんの誕生パーティーで、フミさんにブランドもののバッグを買ってプレゼントしたら、ミキさん、ジーっと見ていたのに気が付いたシェルだった。
その日の夜は、フミさんと一緒に、ニースタウンの別荘に行く予定だったが、その前にシェルに呼び止められた。明日からの誕生旅行で和の国に行くだろうが、ミキさんに何か買って来てやってほしいと言われた。何故かは分からなかったが、必ず買って帰ると約束した。
シェルが、木彫りの熊と木刀はダメよと念押しされてしまった。
別荘で、フミさんが、ミキさんについて色々教えてくれた。
・小さいときに両親をなくし、家庭の暖かさを知らずに育ってしまった。
・9歳から働き始めたせいか、友達と仲良くなると言うことを知らずに大きくなった。
・男の人を好きになった事がないし、愛の無い行為しか経験がない。
・きっとゴロタさんの事が好きなんだろうが、その気持ちを表現することが出来ない。
ゴロタは、どうしたら良いか分からなかった。フミさんが、助言をくれた。周りの事など考えずに、ミキさんの思いに答えてやって欲しい。明日からの旅行は、ミキさんと行って欲しいと言った。
え、婚約もしていないのにと思ったが、そう言えばフミさんとも、そうだった事を思い出した。その日の夜、ゴロタは、3日分のサービスを求められてしまった。
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次の日の早朝、フミさんと一緒に領主館に戻り、シェルにすべてを話して了解を貰った。シェルは、本当に呆れた顔をしてから、諦め顔で
「どうして、あなたはいつも。」
と言った。
ゴロタは王都の公爵邸に行って、ミキさんを旅行に連れ出した。ミキさんは、ゴロタの突然の申し出に戸惑ったが、決して嫌そうではなかった。それどころか、何を着ていこうか、髪型はおかしくないかなど、色々準備をしようとしていた。
全て向こうで準備するからと行って、着のみ着のままで、『ゼロ』に乗り込んで貰った。当然、飛行服など持っていないし、ミニスカのままなので、白と水色のシマシマパンツが見えているが、ゴロタは気づかない振りをしてしっかり見ていた。
王都の公爵邸には、滑走路が無いので、垂直に浮上してから、進路を東に取って加速する。高度500から9000まで急上昇した。ミキさんは、耳がおかしいと言ったが、唾を飲み込むことで直ることを教えてあげた。
夏真っ盛りだが、高度9000の気温は、氷点下20度だ。熱シールドで防寒をしながら、最高速度で巡航する。目的地は、和の国の貿易港ツーガ市だ。シルフに、自動操縦を任せたが、ミキさんは、ずっとゴロタの左手を握っている。微かに震えている所を見ると、余程怖いのだろう。ゴロタは、ミキさんの右手を握り返してあげた。
温かいお茶を入れてあげた。ミキさんは、ようやく落ち着いてきた。
「ゴロタさん、何故、急に旅行に行くことにしたの。」
この問答は、既に、フミさんと予行演習済みだ。
「今まで、旅行などしたことが無いだろうから、連れてってあげようと思って。」
「フミさんに悪いわ。」
「これは、フミさんも納得している事です。」
「どこへ行くの?」
「大陸の極東にある和の国、ニッポニア帝国に行きます。」
「遠いの?」
「ええ、昔、シェルと言った時は、3か月以上かかりました。」
「この飛行船だと、どの位かかるの?」
「そうですね、6000キロ位ですから、3時間弱位かな。」
ミキさんは、6000キロという距離がどれくらい遠いのか分からなかったので、それ以上は聞かなかった。
ミキさんは、夢を見ているようだった。ゴロタと二人きり、これから知らない異国の旅が始まるのだ。
当然、夜は一緒の部屋に泊まるのだろう。きっと、そこでは大人の関係があるはずだ。嫌ではなかった。それどころか、想像するだけで、股間が熱くなってくる。今日のパンツはどんなのだったろうか。あ、明日の下着や着替えも買わなくっちゃ。
そう考えているうちに、ウトウトとし始めてしまった。しかし、ゴロタの左手だけは、しっかりと握っていた。
和の国のツーガ港に着いたのは、お昼過ぎだった。銀色の流線形の機体が空から降下して来たので、ツーガ市民や旅行者は皆、吃驚してしまい、遠巻きに見ていた。
ゴロタは、このままミキさんを降ろすと、パンツが見えてしまうので、空間転移で、地上に降り立った。見ていた市民は、それだけで『オー!』と感嘆の声を上げていた。機体をイフクロークにしまい、ホテル『カガ』の玄関まで転移した。『カガ』の最上階の部屋を予約したら、中居のフジさんが、部屋まで案内してくれた。
部屋は、前に泊まった部屋よりも大きい角部屋だった。本当に無駄に広い。フジさんに、銀貨1枚をチップとして渡し、お昼の美味しい店を紹介してもらう事にした。
これから、とても嫌らしい夜があるかと思うと、ミキさんは気が遠くなりそうです。