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第313話 ミキの宮様は少しエッチです。

基本、ゴロタは妻と婚約者だけとエッチします。しかし、最近は、婚約者が年少のため、妻だけとしています。

(7月20日です。)

  今日から、学校は夏休みだ。ドミノちゃんは、モンド王国のお母さんの所へ帰って行った。ブリちゃんとデビちゃんも一緒だ。モンド王国へは、ゴロタがゲートで連れて帰るのだ。


  ジェリーちゃんは、王都に戻って両親と過ごすそうだ。ノエルもビラもシズちゃんも、学院の授業が無くなってしまったので、あまりやることが無いようだ。


  最近、ゴロタはエレナちゃんと遊んでいる。もう、エレナ姫と呼ぶのはやめにした。ミキの宮様も、ミキさんと呼ぶようになった。ミキさんの方が、ゴロタよりも4つも年下なので、宮様と呼ぶのも変だと思ったからだ。


  ミキさんは、王都での生活を楽しんでいる。毎日、エレナちゃんを連れて街の中心街を散策して歩いている。気に入ったスイーツを食べたり、宝石店や洋服店を覗いているようだ。


  午後は、ゲート部屋からタイタン領の領主館に転移して、9月に完成予定の別館の建築状況を見ている。まだ、土台と柱位しかできていないので、見ても面白くないのではないかと思うが、毎日見ているので、今日の作業の進捗状況が分かるらしいのだ。


  シェルやジェーンさんが領主館にいるときは、一緒にお茶をしたりしているが、行政庁が忙しい時などは、二人ともいない時があるので、そう言う時は、メイド長のイブさんとお茶をする。


  中央フェリク帝国も落ち着いてきたので、ゴロタが1人で領主館にいるときなどは、ずっとゴロタとお喋りをしている。コミュ障が改善されたとは言え、自分から積極的に話す方ではないゴロタにとって、ずっと喋り続けるミキさんは、少し苦手だった。


  仕方が無いので、ゴロタはエレナちゃんと良く遊ぶようになった。エレナちゃんは、ゴロタに良くなついていて、色々と話しかけて来る。言葉は、まだはっきりしないが、ライオン耳をピクピクさせながら、話す素振りを見ているととても可愛い。顔付は、ミキさんに良く似ているので、絶対に美人さんになると思うのである。


  ミキさんは、最近、服装が変わって来た。帝室にいたときは、お妃様が着るようなロングドレスだったが、最近は、王都で購入したミニスカワンピースになって来たのだ。しかも、かなり短めだ。


  ゴロタとお茶を飲むときは、いつもゴロタの真正面に座る。ソファに深く座るので、スカートの中が丸見えになってしまう。ゴロタは、スカートの中を見ながらお茶を飲むのだが、白とピンクの横じまのパンツを履いていることが多い。絶対、わざと見せているに違いないのだ。


  シェルからは、ゴロタの義母になる予定の人だから、絶対に誘いに乗ってはいけないと言われている。しかし、見るだけならいいだろうと、じっと見てしまうのだ。


  ミキさんが、今度、王都の公爵邸でお茶をしようと言ってきた。これも、シェルに禁止されている。ミキさんがいるときには、公爵邸に行ってはいけないのだ。理由は、はっきり言わないが、女の勘だそうだ。


  ミキさんが、ゴロタの夜の生活について聞いてきた。現在、妻が8人いるが、どの人が一番良いかと聞くのだ。ゴロタが黙っていると、自分も夜は自信があるので、一度試してみないかと言ってきた。


  誘いに乗ってはいけないとシェルに言われているので、これも黙っている。


  ミキさんは、エレナちゃんを膝の上に乗せ、あやしながら、ゴロタの方をジッと見つめて来る。絶対、誘っている目だ。


  しかし、ゴロタは、シェルの言いつけを愚直に守る男だった。常に、冷静に対応するつもりであった。


  その日の夜、ゴロタはシェルに昼間の事を相談した。ミキさんが、昼間、ゴロタを誘ってくるのだ。どうしたら良いのか教えて貰おうとした。シェルも、困っているようだ。ミキさんの気持ちも分からないわけではない。今までは、皇帝陛下に奉仕だけをする生活だったのに、急に誰もいなくなったのだ。きっと夜は寂しいのだろう。でも、ミキさんとエッチさせる訳にも行かないし。


  この問題は、難しいので、しばらく様子を見る事にした。


-----/---------/----------/-----


  ミキさんは、毎日が新鮮だった。今まで、中央フェリク帝国を出たことなど無かった。と言うか、帝国南部のガーレ伯爵領から出た事も無かったのだ。


  ガーレ領の東、フリル村は小さな村だった。森の木々を切って炭を作ったり、土をこねて皿や茶碗を作るだけの村だ。ミキさんは、そんな村の皆に助けられて育ってきた。


  フリル村は、兎人の村だ。ミキさんの両親は、遠い東にある共和国の人間だった。どうも西の王国に行きたかったようだが、途中、狼の群れに襲われたらしい。駅馬車ごと全滅したのだが、ミキさんだけは、高い木の上に縛られて泣いていたそうだ。


  村人達は、ミキさんを村子として育てた。人の命など、鳥の羽のように軽く、常に死と隣り合わせのこの世界で、両親に死なれてしまう事は、普通にあることだった。そんな場合は、村全体で育て、将来の労働力を確保するのだった。


  最初、村人達は、人間族の子を村子として育てるのに反対していた。しかし教会のシスターが、人間の子もゼロス様のご意思で、この世に生を受けたのだからと言ってくれたので、村子として生きていくことが出来たのだ。


  ミキさんが10歳の時に、教会から出て、村の食堂の下働きとして住み込みで働いた。帝国では、12歳以下の子供を雇うことを禁じていたので、食堂の子として、店を手伝うと言う名目だった。


  13歳になった時、村を出て領都のセントラル・ガーレ市で働くことになった。ミキさんの夢は、西にあると言う人間の国、カーマン王国に行くことだった。この帝国では、人間族は結婚も出来ないし、まともな職業にも就く事が出来ないのだった。


  しかし、食堂でしか働いたことの無いミキさんが出来ることは、レストランの女給位しかなく、街でも大きなレストランの下働きとして住み込みで働くことになった。


  朝、6時には水汲みと店の掃除を始めなければならなかった。固くなったパンをかじりながら、昼過ぎまで働いた。賄いを食べてから、少し休み、午後3時から夜の準備だった。6時から9時までは、店内で女給として働き、残り物のスープとパンで遅い夕食をとってから、屋根裏部屋で泥のように眠る毎日だった。


  15歳になって間もない頃だった。この国では、15歳以上の者を雇う場合は、最低賃金以上の給料を支払わなければならないのだが、そんなことは知らないミキさんは、相変わらず、小遣い銭程度の給料で働かされていた。しかし、お客様から頂くチップは、自分の物にして良いことになったので、少しずつ蓄えが増えてきていた。夢は、西の王国へ行く事だったが、その夢は直ぐに叶わぬものとなった。


  ある日、店が貸し切りになった。何でも、帝国の偉い人が食事に来るらしい。この店では、領内で唯一、ユキウサギの料理を提供しているので、それを食べに来るらしいのだ。


  店主からは、失礼があってはならないからと、昼過ぎに銭湯に行かされ、新調されたメイド服を着せられた。革の靴まで履かされたのだ。この時、ミキさんは生まれて初めて、革の靴を履いたのだった。


  お客様は、獅子人だった。上等の服を着て、お付きの人が何人もいた。ミキさんは、緊張しながら、給仕をした。お客様が、グラスを持ち上げた。なんの事か分からずにじっとしていたら、店主が飛んできて、ワインをお注ぎしろと言われた。カチカチとワイングラスが音を立てながら、並々とワインを注いだことは覚えている。その時、そのお客様がニコリと笑っていたが、目が綺麗な茶色だったことが印象的だった。


  お客様が帰った後で、忘れ物を届けてほしいと言われた。届け先は、領主館だった。もう疲れきってしまったが、沢山のチップが貰えるからと言われて、ちょっと期待してお使いに行ったのだ。それが、あのレストランの最後の仕事だった。


  気が付いたら、豪華なベッドの上で裸だった。そばには、あの獅子人が寝ていた。股間に刺すような痛みがあった。それが何を意味するのか、知らないミキさんでは無かった。


  獅子人の男の人は皇帝陛下だった。皇城に連れていかれ、後宮の中の愛妾の一人としての生活が始まったが、直ぐに身体の異変に気が付いた。妊娠したのだ。


  ひどい妊娠中毒だった。高熱が出たり、吐き続けたり。医師の話では、半獣人は、満足に出産できる方が珍しい。母体が、胎児を異物として排除しようとするのだ。9割以上が母子ともに死んでしまうそうだ。助かる方法は、ただ一つ。お腹を切り開いて、胎児を取り出すのだ。しかし、痛みで気が狂ったり、出血多量で死ぬこともあるので、選択は本人に任された。


  ミキさんは、出産を選択した。死ぬほど苦しい出産だった。直前まで吐き続けていたせいか、子供は極端に小さな女の子だったが、ミキさんは産褥熱が酷かった。医師が諦めるほどの状態から生還できたのは、まさに神の思し召しだった。


  あれから2年半、こうして人間の街で暮らし、尻尾用の穴の空いてない服を着ているなんて夢のようだった。


  何不自由の無い暮らしだって信じられなかった。帝室の後宮では、望みは何も叶えて貰えなかった。外に出ることも、着るものも、食べるものさえ、自由に得られなかったのだ。


  ミキさんは甘いものと果物が好きだったが、獣人、特に猫系の愛妾さん達は、肉しか食べないのだった。そのため、野菜や果物は滅多に出されず、ましてスイーツなんて、絶対に出てこなかった。


  お陰で、レオナは虫歯一つ無い綺麗な歯だったが。


  後、ミキさんの望みはただ一つ。人間の男の子と結婚する事だった。しかし、普通の男の子では、絶対に結婚なんかしてくれない。


  帝国の皇帝陛下の愛妾で、王女の母親である自分を愛してくれるなんて有り得ない。普通の男の子だったら。


  でも、ゴロタさんならどうだろう。もう、8人も妻がいるし、人間でない妻だって2人いるくらいだもの。人間の私なら、絶対にOKの筈だわ。半獣人の娘だって嫌うことなんか絶対に無いはずだし。この輝くような金髪と、ナイスバディで、絶対に落として見せるんだから。レオナがライバルになるまでが勝負よ。今度は、パンツを履かないでお茶しようかしら。


  かなり、エッチで残念なミキさんでした。

ミキの宮様は、今の皇太子殿下を懐胎してからエッチをしていません。というか、先帝から嫌われていたみたいです?

今日から、年末年始の休みに入ります。いつもの土日は、朝5時と、夕方5時に更新をしていましたが、年末年始期間中は、朝のみの更新となります。ご了承下さい。

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