第304話 豊穣の神様の恵み
ようやく解放されたゴロタです。
(5月18日です。)
領主館では、シェルが待っていた。アテーナー様と何処かに行ったのはバレている。それから2時間ほど経っていた。
シェルは、何処で何をしていたかを聞いて来た。嘘が言えないゴロタは、黙っていた。嘘を言うと、舌がもつれてしまうのだ。
シェルが、優しく聞いて来た。
「ねえ、あなた。アテーナー様と何回したの?」
優しい聞き方だったので、大丈夫かなと思い、指を10本立てた。本当は、何回だったか覚えていないが、10回以上だったのは間違いない。
シェルのこめかみに、青筋が立って来た。
「ねえ、アテーナー様の他に女の人はいた?」
「メイドさん。」
「メイドさんは何人?」
「19人。」
「した?」
頷くゴロタ。シェルの顔が青ざめて来た。
「何回?」
ゴロタハ、指を10本立てた。シェルは、手がワナワナ震えている。
あと、誰としたの?
「デメテル様。」
「何回?」
「分からない。」
シェルの目から、大粒の涙が落ちてきた。
「あと、誰がいたの?」
「メイドさん。」
「そのメイドさんは何人居たの?」
「20人位。」
「した?」
頷くゴロタ。
「な、何回?」
「覚えてない。」
ゴロタは、シェルと一緒にお風呂に入らされた。大事なところを、何回も何回も洗われた。そんなに乱暴に洗われたら、大きくなってしまう。
ゴロタは、結局、お風呂場の中でさせられてしまった。シェルは、満足したみたいだったが、エーデルが途中で帰ってきていた。この日、すべての妻達と、夜のフルコースをする事になってしまった。
翌朝、1人の女性が訪ねてきた。いわゆるナイス・バディなのだが、童顔の顔と不釣り合いなほど大きな胸だった。真白なワンピースを着ていたが、ピンクの乳首がはっきり分かるほど透けて見えていた。流石にパンツは履いていたのか、下半身は何も見えなかった。
最初、シェルが応対していたが、昨日話していたデメテル様と知って、顔が引きつっていた。
女神様達は、人間やエルフが到達できない美しさを持っているが、それにこの胸は完全に違反だ。でもシェルは、普通サイズの女神にだって、胸では勝負できないのを忘れているようだ。
デメテル様は、ゴロタの顔を見ると、それまでの威厳のある顔が途端に崩れ、甘えた声を出した。
「ゴロタさん、私、約束を果たしに来たの。終わったら、また、神殿に来て頂戴ね。」
だめだ。このダメ女神は、あの事しか頭にない。絶対に行かないと心に誓ったゴロタだった。
デメテル様は、豊穣の神の祝福をタイタン領に与えてくれた。畑や森が、見違えるように青々と輝き出した。小さな小川のほとりには、花々が咲き乱れ、食用の草花も、芽を出し始めている。領主館と市街地を結ぶ道路沿いの並木も、ドンドン大きくなって行く。薔薇もこれでもかと言うくらいに咲き乱れていた。
次に、ヘンデルて
帝国のハルバラ侯爵領にも来て貰い、同じように祝福してもらった。田畑の苗が、みるみる大きくなって丈夫になって行く。次に、南の領境に行く。以前、いろんな木々の種を撒いたが、あまり大きくなってないと言うか、殆ど芽が出ていない。
お願いしたら、直ぐに芽が出て大きくなって行く。森になるのも、時間の問題だ。
流石、豊穣の神だ。
これで、秋の収穫までハッキリしないが、大豊作間違いなしだろう。タイタン市に戻る前に、デメテル様の神殿に寄る事になった。あのアナビスのメイドさん達が待っていた。
お風呂からセレモニーの始まりだ。デメテル様は、大きな身体になって、乳首をもまれるのが気に入っているみたいだった。アナビスのメイドさん達は、最初からスッポンポンの臨戦態勢だ。
タイタン市に戻ったら、その日の夜になっていた。
また、シェルにゴシゴシ洗われてしまった。
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王都の冒険者ギルドに行ってみる。この前、出しておいたグレートマンモスと、あのいやらしいワンドが応札したらしい。
グレートマンモスは、大金貨36枚、あのいやらしいワンドは、なんと大金貨103枚で競り落とされたらしい。世の中には、あのために金に糸目を付けない人もいるのだなと感心したら、グレーテル国王陛下らしいと言う噂が流れている。困った陛下だ。
ココ君が、ダンジョン攻略に行くらしい。パーティーランクから考えても、地下第4階層程度までだろう。
クエストのメインはマッピングの確認らしい。今日は、何も無いので、一緒に行く事にした。
王都のそばのダンジョンは、ここから歩いて2時間位だ。これから出発すると、到着はお昼になってしまう。
ココ君のパーティーは、槍使いの男の子と、アーチャーの女の子、魔道士の男の子、それにヒーラーの女性だ。この女性は、フードを深く被っているので年齢が分からないが、後はココ君と同じか少し年下位だろう。
ゴロタは、身長こそ大きいが、顔は15歳位にしか見えないし、言葉使いも少年っぽいので、ゴロタを知らない皆は、背のデカい坊やくらいに思っただろう。
ダンジョンまで、馬車を仕立てて出発した。皆が、馬車代が勿体無いと言ったが、ゴロタが歩くのが嫌だからと言って誤魔化した。
30分後、ダンジョン地下1階層でゴブリン狩りをしていた。最近は、狩りすぎたのかゴブリンが少なくなったそうだ。
階層ボスは、先行パーティーが戦闘中だった。敵はオーガだ。
冒険者ルールでは、応援は良いが横取りは厳禁だ。特に最後の仕留めは、絶対にやってはいけない。討伐の経験値が最後に仕留めたパーティーに入ってしまうからだ。
先行パーティーのレベルとオーガのレベルが拮抗しているみたいだ。中々勝負が付かない。その内、パーティーに負傷者が目立ってきた。
このままでは、スタミナ切れで、あのパーティーは全滅だろう。きっと『D』ランクパーティーだろう。
ゴロタは、リーダーらしき少年に応援しようかと聞いた。お願いされたので、指鉄砲で、両足を太腿から弾き飛ばす。致命傷ではないが、戦闘能力が無くなった。
それを見たパーティーがオーガに掛かっていった。あっという間に、討伐完了だ。ゴロタは、負傷した少年達を治癒してあげた。
聞けば、チームリーダーは『C』ランクだが、後は『E』ランクばかりのチームだ。オーガを『C』ランク1人で倒すのは難しいだろう。
ココ君が、さっきの指鉄砲のことを聞いて来た。『気』を込めれば、打てるようになると言っておいたが、エネルギー弾を発射できない限り無理な気がする。
地下2階層は、オークソルジャーが出現してきた。『D』ランクパーティーだと勝ったり負けたりだろう。チームリーダーのココ君の頑張り次第だ。
まず魔道士君が、ファイアボールを先頭のオークに当てる。オークは、盾で防いでしまった。次に槍装備の子が、突いて行くが、やはり盾で躱されている。不味い、横に回られた。
すかさず、ココ君が鋼の剣で斬りかかる。浅い。オークソルジャーの肩口を切っただけだ。2匹のオークがココ君に狙いを定めた。オークソルジャーが2体だと、Cランクではきつい。
アーチャーが、ようやく1体の首を狙って矢を射てきた。命中したが、威力が足りない。オークは、刺さった矢を気にもせず、ココ君を攻めている。
ココ君がチラリとゴロタを見た。ゴロタは『オロチの刀』を抜き、そのままオークの足を切り飛ばした。返す刀で、もう1匹の両手首を落とす。
奥にいたオークジェネラルの両足と片手首を切離した。後は、雑魚オークだ。指鉄砲の連写モードで殲滅した。ココ君がオークジェネラルを倒してドロップ品はミスリルのショートソードだった。売ってもよし、使ってもよしだ。
ココ君は、素直に感謝してドロップ品を差し出してきたが、当然受け取らない。
ゴロタが、ライティングを10個程飛ばしてダンジョン内を照らす。結構いる。オークやゴブリンの部隊が揃っている。
矢が飛んできた。アーチャーがいるようだ。ゴロタは、シールドを張って全て防いでやる。
このままではラチが開かない。ゴロタは、左手で『オロチの刀』を、右に『ベルの剣』を持ち、二刀流で魔物の群れに覆いかかった。
狙うのは、両足だ。膝から下を切り離す。これで、ここから逃げることはできない。
ココ君達は、歩く事も出来ずに転げ回っているオークやゴブリンにとどめを刺している。スキルポイントが、ドンドン溜まって行く。
ゴロタは、先に進んで階層ボスと対峙する。階層ボスは、オーク・キングだ。ゴロタを見て、逃げ出そうとするが、階層ボスに逃げ場はない。大きな大剣を振りかざしてきたが、ゴロタは手で払い除ける。大剣が乾いた音を立てて弾き飛ばされた。
涙目になりながら、オーク・キングが掴みかかってくる。普通なら人間の頭蓋骨くらい握り潰す握力だが、ゴロタは敢えて掴ませる。肩を掴んだ腕を取って引きちぎった。直ぐに、ファイアで傷口を焼き止血する。瞬間的なので、引きちぎった場所から炎が燃え出しているみたいだ。
四肢を引きちぎった後、ここ君にダルマ状態のオーク・キングを引き渡す。痛みで、既に気を失っているが、ココ君達は容赦無くとどめを刺していた。
この日、地下5階層までクリアしたココ君達は、めでたくランクアップした。
豊穣の神様って、ずるいと思います。