第288話 ダンジョン攻略、こんなに簡単で良いんですか?
今日は、詩絵瑠さん達とダンジョン攻略です。
次の日、ゴロタの家に集まった3人と共に、インペリアル・ダンジョン地下第七階層に転移した。直ぐにシールドを張り、熱が皆に伝わらないようにする。
シールドは、中級魔物の遠距離攻撃も跳ね返すので、不意打ちにも大丈夫だ。
ファイアロックが転がってくる。ノエルが、腰に2本刺しているワンドのうち、通常版を抜く。通常版と言っても、ゴロタの錬成魔石が嵌め込まれているのだ。半端な威力では無い。
「ウインドカッター」
無詠唱だが、威力は抜群だった。硬いはずのファイアロックが左右に真っ二つになってしまった。
クラーケンが出てきた。相変わらず、溶岩を纏った触手だけをウネウネさせている。しかし、どうも動きが鈍い。まあ、昨日の今日だ。再生するだけで、一杯一杯だったのだろう。
ここは、エーデルの出番だった。レイピアを目にも止まらぬ速さで繰り出す。マシンガンの様に『斬撃』が撃ち出されて行く。可哀想に。折角再生した触手は、跡形もなく消えてしまった。
階層ボスの溶岩ゴーレムに対しては、シェルがアーチェリーで攻撃だ。矢尻が青く光っている。放たれた矢は、轟音を立てて溶岩ゴーレムに突き刺さった。同時に、閃光と共に、大きな穴が穿たれる。次々に矢が飛んでいく。8本目で、溶岩ゴーレムの心臓部に大きな穴が開いて、動かなくなってしまった。
ゴロタは、シェルに矢を補充してあげた。イフクロークに100本ほど入れておいたのだ。
溶岩ゴーレムの魔石を取り出したが、ドロップ品は無かった。なんてケチくさいダンジョンだ。
地下第8階層に降りて行く。そこは、氷の世界だった。と言うより吹雪の世界だ。強い風のせいで、体感温度はマイナス20度だ。ゴロタは、熱シールドで、風と冷気を防いだ。
ここの雑魚キャラは、象だった。いや、象の2倍は大きい。長い毛で覆われている。目が3つ有り、牙は前に真っ直ぐ伸びている。
氷河期のマンモスに似て
いるが、破壊力は半端無さそうだ。ゴロタは、皆の攻撃を止めて、完全体で回収することにした。
マンモスモドキの脳内に熱を送った。脳は、一瞬で焼け焦げた様で、大きな音を立てて倒れてしまった。魔石のありそうな所へ小さなゲートを開け、魔石だけ取り出す。
この世界では、この標本がいくら位の価値があるか分からないが、象牙だけでも億は行くと思われた。
階層ボスの所まで3体現れたが、後はシェル達の殲滅攻撃に任せた。ゴロタは、魔石と象牙の回収のみだ。
ついに階層ボスだ。階層ボスは、雪女の『雪ちゃん』だ。まだ6歳くらいにしか見えない。しかし、口から絶対零度の息を吐き出している。ゴロタ達は、体を熱シールドで覆っているので、全く影響がない。
しかし、シェルが矢を射ても、途中で凍り付いてしまう。エーデルやノエルのファイアも、途中で消えてしまう。強力なスキル攻撃や魔法攻撃が全く効かないのだ。
ゴロタは『瞬動』で接近し、『雪ちゃん』の頭を、げんこでゴツンと叩いてやった。『雪ちゃん』は、大きな涙を流しながら逃げていった。真白な氷のワンドをドロップして行った。
次の地下第10階層が最下層のはずだ。ここは、廃墟エリアだ。何処からともなく歌声が聞こえてくる。蒼き盾が出現した。と言うことは、あの歌声を聴いてはいけないのだ。気がつくと、シェル達3人は眠り込んでいた。
ゴロタは声のする方に進んでいった。そこは広場の真ん中の噴水だった。噴水は枯れていた。一人の女性が歌を歌っていた。きれいな歌声だ。蒼き盾は、歌の中に含まれる眠り成分だけを跳ね返していた。服は着ていないが、青い長髪が腰まで伸びていて、胸と股間を隠している。
ゴロタは、沈黙魔法『デスペル』を掛けた。急に歌声が止んだ。驚いた女は、走ってどこかに逃げていった。
逃げる途中、髪の毛がなびいて、全身が露わになったが、乳首もアソコも何も無かった。単に女性の姿に似せているだけの魔物だった。
シェル達に、『ウエイク』で、眠りを解いてやる。気が付いた3人は、まだ目がトロンとしている。
仕方がないので、ここで一旦お休みだ。熱い紅茶を入れたポットと紙製のカップを出す。熱い紅茶をカップに注ぐが、カップの持ち手が厚い紙なので、熱は伝わらない。
飲み終わった頃には、皆、元気になっていた。さあ、出発しようとしたところ、シェルがさっきの歌声の主について聞いてきた。ゴロタが、女の形の魔物だったと言うと、どんな格好だったか聞いてきた。鋭い女の勘だった。ゴロタは、黙って下を向いていた。
廃墟の中を進んでいくと、誰かが何かをしている。見ると、ハーピー達が、地面に落ちている何かを食っている。
ハーピーは、上半身は人間の女だが、太腿から下は、鳥だった。背中に、灰色の翼が生えており、素っ裸だが、泥と垢で大事なところや胸の先っぽは隠れている。
はっきり言って、近づきたくない。彼女達の攻撃方法は二つだ。アソコを大きく広げて見せて、見惚れている間に喉元に齧り付く。あるいは、自分のアナルに手を突っ込み.、取り出した糞を投げつけてくる。
どちらもゾッとする。ゴロタは、彼女達が攻撃する前に攻撃しようとしたが、その前にシェル達が攻撃していた。
シェルは、一度に3本ずつ、矢を射ていた。全射命中だ。ノエルが、ウインドカッターで寸断する。エーデルが、ファイアボールを爆発させた。後には、何も残っていなかった。
きっとシェル達には、ハーピーの淫靡な雰囲気が我慢出来なかったのだろう。
さらに進んでいくと、廃墟が途切れて荒野になった。いよいよダンジョンボスのエリアになったのだろう。遠くに森が見えてきた。あの森に、ボスがいるのだろうか?
しばらく歩くと、ふんわりと霧が出てきた。ピンク色の霧だ。ゴロタの蒼き盾が発動した。何か、良くない物があるのだろう。ピンク色の光が点の様に明滅する。
シェル達を見ると、武器を投げ捨て、戦闘服を脱ぎ掛けている。あれ、何をしているのかな?下着も全部脱ぐと、ゴロタに襲いかかってくる。あっという間に、ゴロタは3人に捕まり、服を剥ぎ取られる。ノエルは、胸をゴロタの顔に押し付けている。シェルは、ゴロタの右手を自分の股間に持っていって押し付けている。エーデルに至っては、ゴロタのものを咥えながら、自分を慰めている。この雰囲気、どこかで見たことがある。
インキュバスだ。インキュバスの淫夢に犯されてしまったら、時間しか解決の方法がない。いや、もう一つある。完全に満足させれば夢から覚めるらしい。
その前に、原因者のインキュバスを殲滅しなければならない。ゴロタは、股間で口を動かしているエーデルを左手で引き剥がし、シェルとノエルから離脱した。服を着ている暇はない。
そのまま、森の中に転移した。蒼き盾が、バチバチと光っている。強烈な淫夢攻撃だ。森の中の気配を探る。いた、大きな木の上だ。ゴロタは、『瞬動』でインキュバスのいる枝の上に移動した。インキュバスは、緑色の髪の毛をした女性の姿をしていた。
素っ裸だ。左手で自分の胸を揉み、右手は自分の股間の中に指を入れている。口からはよだれを垂らしていた。非常に色っぽい。ゴロタは、暫く鑑賞してから、インキュバスの心臓を『念動』で止めた。インキュバスは、絶頂を迎えながら事切れた。
シェル達のところに戻ったら、3人ともインキュバスと同じことをしていた。もう霧は晴れていた。
ゴロタは、『スリープ』で、3人を深い眠りに落とした。下着や服を着せてから、3人を森の中に並べて、『ウエイク』で、目を覚まさせる。目を覚ました3人は、顔が真っ赤だ。きっと今見た夢を思い出しているのだろう。
このダンジョンは、自衛隊員で攻略するのは難しいかも知れない。しかし、そこまでは面倒を見ていられなかった。
ダンジョンボスのドロップ品は、二つだった。大きなピンク色の魔石と、変な形のワンドだった。変な形は、まんま、男性の大きくなったアソコと同じ形だった。女性達は、キャーキャー言いながら、じっと見つめている。ゴロタは、すぐにイフクロークにしまった。
森の奥に、地上への転移扉があった。ゴロタ達は、地上へ戻ることにした。
この日から、シェル達の要求が過激になったことは、ダンジョンでの経験が影響しているのだろうか?
このダンジョン、かなりエッチでした。このダンジョンのドロップ品、何に使うのでしょうかね。




