第287話 日本のクリスマスイブ
クリスマスは、キリスト教の祝日です。日本では、クリスマスよりも、その前夜の方が盛り上がりますが、宗教に関して寛容な日本人らしいです。
今日は12月24日、クリスマスイブだ。なんでも、今から4000年以上前の神様が生まれた日の前夜らしい。元の世界の『聖夜』がこれに当たるみたいだ。
今日は、2学期も終わりの日なので、午後は授業がない。クラスの女子生徒全員が、そのままゴロタの家に遊びに来ている。一人一人が個別にゴロタの部屋に入ってプレゼントをくれるのだ。
女の子は、部屋に入ると、扉を閉めて、ベッドの端に座っているゴロタの隣に座る。それで、プレゼントの入った袋をゴロタに渡すのだ。ゴロタは、お礼に、女の子の肩に手を回して、唇に軽くキスしてあげる。ほとんどの女の子は、顔を赤くして、物凄く喜んで部屋を出て行った。
中には、その場で、ゴロタに抱きついて、舌を入れて来たり、ゴロタの手を自分の股間に引き込む女の子もいたが、時間が長くなるとシェル達がドアを開けて入ってきて、女の子を引きはがしにかかった。
このシーンも、元の世界の聖夜の儀式と一緒だ。違うのは、クレスタさんが女の子達に何も売っていないという事だ。
18人の女の子が帰って行った。部屋はプレゼントの山だ。ほとんどが手編みのマフラーだ。中には、手袋なのか単なる毛糸の塊2つなのか分からないものもあった。
これで、ゆっくりできると思ったら、玄関のチャイムが鳴った。開けてみると、隣のクラスの女の子達だ。その隣のクラスの女の子も何人かいる。聞くと、一度に来ると、部屋に入れなくなるので、1時間ずつずらしているらしい。
皆、同じだった。手作りのプレゼントをくれる。軽くキスをする。それで、帰る子が殆どだが、中には、ゴロタを押し倒す女の子や、ゴロタのズボンを脱がそうとする子もいた。ゴロタは、黙って好きなようにさせていた。直ぐにシェル達が入ってきて阻止してくれる。
結局、隣のクラスの子が18名、その隣のクラスの子が17名だった。あ、女の子全員が来たことになる。
クレスタさんは呆れていた。ゴロタは、決して女の子に気安く声を掛けたりしていないし、名前を知らない子が殆どだ。
夕方、自衛隊の若林3尉が尋ねて来た。今日は、ミニスカートを履いている。顔を真っ赤にしている。とても、とても嫌な予感がする。
バッグの中から、小さな赤い袋を出してきた。クリスマスプレゼントらしい。ゴロタは、キチンと受け取り、お礼に若林3尉の肩を軽く抱いて、唇にキスをしてあげた。
若林3尉は、顔をさらに赤くして、そこに座り込んでしまった。シェル達が若林3尉をソファに座らせてあげたが、短いスカートからパンツが丸見えだった。パンツは真っ赤な色の可愛らしいものだった。結局、今晩のクリスマスパーティーにも参加することになった。
この世界では、お酒は20歳からしか飲めないので、クレスタさんと若林3尉はシャンパンを飲み、シェル達は、シャンパン風のソーダ水を飲んだ。シャンパン風のソーダは、ゴロタにはとても美味しく感じられた。特に緑色のメロン味は、甘さも程よく、これは是非タイタン領でも作らせたい位だった。
今日の夕食は、ローストターキーだったが、1羽まるまるだった。八郎潟博士が気を利かせてくれたようだ。
若林3尉は、飲むピッチが速く、直ぐに酔っぱらってしまった。仕方がないので、クレスタの部屋で寝かせることにした。クレスタのベッドは大きいので、2人寝ても狭くない。
それを聞いたシェル達が、それなら自分達も一緒に寝ると言ってきた。あなた達は、今日は帰るんでしょうと言ったら、親の了解は貰っている。
クレスタ先生の所へ泊まると言ってきているそうだ。クレスタ先生の家、イコール、ゴロタの家という事は言わなかったらしい。ああ、何を考えているのか。絶対、今夜は、聖夜ではなく性夜だ。
シェル達のプレゼントは、予想通り、身体だった。1人1時間の持ち時間だった。
ディープキスに始まり、オッパイを揉んでやる。それ以上は、今の年齢では許されない。しかし、それでも十分気持ちが良いらしい。これがプレゼントと言うのは絶対おかしい。奉仕しているのは、ゴロタの方なのだから。
シェルは、それでも抑制的な方だ。ノエルの声は、非常に大きいので、シールドの外へ漏れるのではないかと思ってしまう。
エーデルは、『下を触ってくれ。』と言ってきた。もちろん断ったら、自分で触り始めていた。ああ。
全員終わったら、皆がゴロタの周りで眠り始めた。アルコール臭い。待っている間に、残っていたシャンペンとワインを飲んだらしい。
ゴロタは、眠っている皆に毛布をかけてあげた。
それから1人でシャワーを浴びていたら、若林3尉がシャワー室に入って来た。もちろん素っ裸だ。とっくに酔いがさめていて、ゴロタ達が何をしているのか知って、我慢できなくなったらしい。
シェル達は、疲れて眠っている。若林3尉は、ゴロタに抱きついてきた。下半身をこすりつけている。
ゴロタの部屋に戻ると、シェル達3人が床やベッドで毛布をはだけて眠っていた。クレスタさんは、自分の部屋で寝ているようだ。
しかし、床で寝ると、身体が痛くなるので、シェルとノエルは、ゴロタのベッドに、エーデルはクレスタの部屋でクレスタと一緒に寝かせてあげた。
若林3尉には、自分の家に帰って貰う事にした。
洋服を身に付けた若林3尉は、これから自分の家に来て貰いたいと言ってきた。ゴロタの家には、ゴロタが寝るベッドがなくなったので、一緒に行く事にした。その日の夜、若林3尉は、処女を失った。
-----/----------/----------/-----
ゴロタ達は、2月に高校受験だが、新しく出来た『神奈川県立中央魔法学院』への進学が決まっている。しかし、最低限の学力が必要なので、5教科の試験を受けることになっていた。
そのためのゼミを受けることになったのだが、その前にダンジョンを攻略しなければならない。
シェル達3人とインペリアル・ダンジョンに潜ることにした。シェル達は、自衛隊の戦闘服上下と編み上げのブーツだ。流石にヘルメットは被っていない。聞けば、可愛くないかららしい。
シェルに特別製の矢を渡す。矢は、チタン製で、矢尻は銀という特製だ。気が込めやすくなった。
エーデルには、レイピアの『斬撃』の命中精度と気の込める時間の短縮だ。これも練習で慣れるしかない。
ノエルには、この前作ったワンドの改良版を渡した。把手の部分に、小さな魔石を3個嵌め込んでいる。
この魔石は全てゴロタが、ダンジョンで回収した魔石から錬成した物だ。一つは火魔法属性を持たせている。もう一つには風魔法属性だ。最後の魔石には、特に属性を設けていない。使っているうちに、錬成されて行くだろう。
ノエルに、軽くファイアボールを打たせてみた。半径10m以上の特大火球が生じた。今度は、そっと振りながらファイアを唱えさせた。ワンドは、火炎放射器のようだった。
うん、これはやり過ぎたみたいだ。ノエルには、低級魔物には、ワンドを使わないようにお願いした。
今日は、練習だけにして、明日から潜ることにした。ノエルがお弁当を準備するそうだ。この世界でも、ノエルは女子力が高いのには、感心する。
この日、皆と別れてから、ゴロタ1人で、ダンジョン地下第7階層に転移した。この階層までは、以前、自衛隊員と一緒に潜っていた。
この階層は、火山エリアだ。それなりの装備がなければ10分と活動できない。階層ボスは大型のサラマンダーだ。
階層を進んでいくと、至るところから火柱が噴き上げてくる。事前に、地面が赤く光るので回避可能だが、うっかり踏まないように注意する。
向こうから、ファイアロックが転がってくる。岩の魔物だが、中が溶岩だ。最後は自爆するので厄介だ。
ゴロタは、チタン製の大型サバイバルナイフで、ファイアロックをバターのように切り裂いて行く。ゴロタの体内の熱を使って、切り裂くのだ。ファイアロックの温度は、せいぜい1200度程度だ。ゴロタの6000度以上の熱では、ナイフが分子構造を維持するのは難しいだろう。
左右が溶岩の海になって行く。状況としては、非常にまずい。道が狭くなって来た分、逃げ道がなくなって来ている。
左手の有無から、真っ赤な溶岩を纏った触手が伸びてくる。それも8本だ。この触手、何処かで見た記憶がある。クラーケンだ。ゴロタは、『斬撃』で触手を全て切断した。溶岩を落とせば、焼きだこかもしれないが、硫黄臭いので、きっと不味いのだろう。
後は、階層ボスだけだ。階層ボスは、溶岩ゴーレムだった。腕を振って、溶岩を飛ばしてくる。
ゴロタは、『紅き剣』を出して、溶岩ゴーレムを縦に真っ二つにする。火を噴く事なく即死だ。大きな魔石が回収できた。それと真っ赤なワンドがドロップした。見るからに火属性モリモリのワンドだ。ノエルのお土産にしよう。
これで明日の準備は終わった。
ゴロタは、毎回、聖夜は性夜になってしまいます。それは、決してゴロタのせいではありません。作者の趣味です。




