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紅き剣と蒼き盾の物語(コミュ障魔王と残念エルフの救世サーガ)  作者: 困ったちゃん
第27章 ヘンデル帝国タイタン侯爵領
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第274話 カトラス市浄化作戦

 カトラス市には、優秀な認証官がいるようです。

(2月20日、カトラス市の郡庁舎内です。)

  郡庁舎の講堂で、行政庁職員を集め、今後の領内行政について指示をすることになった。勿論、指示をするのは、シェルだ。僕が、そんなことをできるようだったら、苦労しているわけがない。指示内容は次のとおりだった。



  ・新規事業は、来年度まで凍結すること。但し、市民の安全と生命の維持に関することは、承認のうえ、実施すること。


  ・職員の身分は、保証する。但し、市民から告発を受けたり、不正が判明した場合は、即刻厳重に処分する。


  ・今年の年貢及び納税は免除する。行政費用は、すべてタイタン侯爵が負担するので、心配しないように。


  ・衛士隊の補充を急ぐので、領内町村からの募集を急ぐように。なお、募集は、領内の安全が確保されてからにするので、決して不安を持たないように。


  まだまだ、シェルから細かな指示があったが、職員達は喜んだり、不安がったりだった。シェルがエルフ、シズちゃんがハーフエルフなのだが、職員は、素直にシェルの指示を聞いてメモしていた。その後、朝刊執務室に行って、シェルは、職員から帳簿の報告を受けていた。今までの雰囲気から、郡庁内には、エルフなどの亜人に対する偏見は全く感じられなかった。これもカノッサダレスさんの教育が行き届いているせいだろう。


  僕は、カノッサダレスさんと共に、市内の視察に出かけた。カノッサダレスさんは、馬車で、市内を案内していたが、ある一角に行くと、そこで馬車を止めた。これから先は、ゴロツキの巣窟で、衛士20人位を引き連れていないと、入れない場所だと言ってきた。


  僕は、構わず馬車を降り、歩いてそのエリアに入って行った。勿論、カノッサダレスさんも一緒だ。二人だけで、入って行くのに不安を感じている様子だったが、僕は、カノッサダレスさんを先に歩かせて、いわゆるスラム街に入って行った。このエリアは、ゴロツキどもの3大勢力が拮抗していて、毎日争いが耐えないそうだ。市民は、あまり近づかないが、女や酒、それに気がおかしくなる薬草を求めて来る者もおり、それなりに商売ができているみたいだった。


  二人には、直ぐにチンピラどもが寄ってきた。10人位だ。いかにもと言う格好をしており、1人の男が、ナイフをちらつかせて、金を貸してくれと言ってきた。僕が、前に出てナイフの先っぽを溶かしてしまう。男は、ナイフを持ち続けられずに落としてしまった。僕は、軽く男を突き飛ばしたが、男は、10m位飛んで壁に激突した。首が変な方を向いて動かなくなっている。まあ、気にしないことにしよう。他の男達が、一斉にナイフを抜いてきた。僕が何かしたのだろうとは思っただろうが、何をしたのかはっきりとは分からないようだ。だが、人間が10mも飛ばされるなんて魔法以外にありえないと思っているのだろう。僕は、魔法など使っていない。ただ、突き飛ばしただけだ。僕は、男達の間をすり抜けた。その瞬間、彼らの心臓の上からポンと掌底を当てていった。彼らの心臓は、衝撃に耐えられずに、活動を停止してしまった。僕は、男達の向こう側に立っていた。カノッサダレスさんは、何が起きたか理解できなかった。いつのまにか、僕が向こう側に立っていて、ゴロツキどもが手足を痙攣させている。痙攣が止まったとき、死体が10体転がっていた。


  僕達は、近くの娼館に入っていく。客もいるようだが、構わずに次々とドアを開けていく。ゴロツキが廊下の向こう側からやって来た。僕は指鉄砲で全員の活動を停止させておいた。あ、活動が再開するかどうかは、僕には分からない。興味もないし。2階には10室の部屋があり、コカの葉の焦げる臭いがした。臭いのする部屋は、大きな部屋で、素っ裸の男女が数人、重なっていた。男は一生懸命、腰を振っている。回りには、足を投げ出して座っている裸の男女達がいた。僕が、燻っている葉に水を掛けて消してしまう。風を起こして、部屋の空気を入れ替えた。階下で、誰かの怒鳴る声が聞こえてきた。応援のゴロツキどもだ。僕は、男どもの目の前で『フラッシュ』を閃光させた。目が眩んで何も見えない男どもの目を、念動で潰してしまう。これから、目が見えない生涯を送って貰うことになるだろう。


  娼館を出ると、街中にゴロツキどもが溢れていた。僕は、カノッサダレスさんと一緒に高さ10m位に浮かび上がり、道が血だらけにならないように本当に小さな火球を彼らの脳内で破裂させていく。10人以上、つまり視界に入ったゴロツキ全員だ。30人位はいただろうか。処理が終わったので、ゆっくりと地上に降りて行く。カノッサダレスさんは、少し震えていた。僕の力を、目のあたりに見たのだ。無理もない。


  カノッサダレスさん一つの建物を指さぢていた。あれが、ゴロツキ勢力の事務所の一つだそうだ。僕は、カノッサダレスさんと一緒に建物の中に入って行く。中には、ボスを含め、20人位のゴロツキどもがいたが、すべて先ほどの男たちと同様に脳を破壊していった。


  ボスの部屋の奥の金庫の中には、大金貨や金貨がびっしり入っていた。すべて、イフクロークの中に収納しておく。カノッサダレスさんは、吃驚していた。ゴロツキのボスが、こんなに金をため込んでいることを初めて知ったみたいだった。僕は、あと2つの事務所も同様に襲うつもりだと言ったら、カノッサダレスさんは初めて笑顔を見せてくれた。やはり現金を目の前にすると、ひっ迫した財政を立て直せるのではないかと喜んでしまうみたいだった。


  結局、この日の内に、ゴロツキどもはいなくなってしまった。逃げたのではない。本当にいなくなったのだ。僕は、全ての処理が終わると、街中や事務所、娼館の中に転がっている死体を次々とイフクロークの中に収納した。こいつらのために、焼くための『力』を使うのももったいない。後で、北海の冷たい海に捨てて魚の餌にしてやる。


  これで終わった訳ではない。犯罪ではないが、幻覚作用のある薬草を売ったり、女をだまして娼婦に売り飛ばしている、準悪党を掃討しなければならない。薬草の方は、すぐに分かった。匂いがするのだ。僕は、匂いを辿って行って、普通の商会にたどり着いた。カノッサダレスさんとともに、その商会の中に入って行く。通常の商品を展示しているが、奥の部屋から薬草の匂いがプンプンした。


  僕は、奥の部屋のドアを開けようとしたが、鍵がかかっていた。僕は、構わずドアを開けた。物凄い音とともに、壁ごとドアが外れた。ドアを投げ捨てて、部屋の中に入る。商会の社長らしき男が青ざめていた。僕は、奥の棚に並んでいる薬草の袋を全て没収した。社長らしき男に、薬草の収益を渡せば、命は助けてやると言ったら、素直に金庫を開けてくれた。ここにも金貨が山のようにあった。全て没収した。最後に、僕はニコリと笑顔で言ってやった。


  「良かったね。死ななくて。」


  僕は、男の陰茎と片足を貰って処理を終わることにした。可愛そうなので、止血処理はしっかりしてあげた。


  次に、娼館に戻って、娼館の経営者の居場所を聞いた。驚いたことに、通常の商店を経営しているそうだ。商品は、もちろん女だろう。僕は、その商店に急行した。社長は、金庫の中の金貨を袋に入れている最中だった。僕は、片腕と陰茎を切り取り、そのまま放置した。血が右腕と股間からあふれ出ている。僕は、金貨と女たちの借金の証文を全て没収した。この社長は、助ける気がないので、止血処理はしてあげなかった。


  次に、人身売買組織について聞くことにした。社長は、喋ると殺されると言っていたが、今、殺された方が良いか、後の方が良いか聞いたところ、素直に自供を始めた。人身売買組織は、街のはずれにあるそうだ。やはり、禁制の奴隷などを連れて堂々と街中を歩けないからだろう。


  その建物は、大きな納屋のようだったが、中には誰もいなかった。奴隷が檻に入れられているかと思ったが、期待外れだった。この納屋の持ち主は、先ほどの商会の傍で穀物問屋をやっているそうだ。僕達は、その問屋に飛んでいく。社長は、やはり逃げる準備をしていたようだ。どうして彼らは、持ちきれないほどの金貨を持って逃げようとするのだろうか。早く逃げていれば、命だけは助かったはずなのに。許さないけど。欲に目がくらんで、自らの命を落としてしまう。まあ、よくある話だった。


  僕は、男の片足、片腕と大事なところを切り落とす。そして金貨は全て没収だ。それと奴隷取引き許可証、当然偽造だろうがすべて焼却してしまった。裏の穀物倉庫の穀物も没収だ。北の飢餓村に寄付してやることにした。カノッサダレスさんは、もう感覚が麻痺しているようだ。金貨を見ても、『またか。』という感じで見るだけだった。この金貨は、将来の市職員の給料などになる予定だ。


  次に、娼館の娼婦達の扱いだ。当然、性病の検査など受けていない。街に娼館は5つあった。娼婦は100人程だ。僕は、カノッサダレスさんにカトラス市内の医療機関を聞いたところ、市営の治療所が1つと民間治癒院が3つあるそうだ。僕は、娼婦たちに、性病検査を受けて、罹患していない証明を貰わない限り、商売はできないと伝えた。娼館の経営は、当分の間できないが、その間の食事代などの生活費は支給することにした。


  召喚経営で、また、ドエス商会の世話にならなければならない。ドエス商会も最近、急に大きくなった商会で、タイタン領内でも高額納税会社になっているのだ。


  これで、カトラス市の浄化作戦の終了だ。カノッサダレスさんとともに、市内でも評判のレストランで食事をする。カノッサダレスさんは、お酒を飲めない質だった。御馳走を目の前にして、妻と子供達にも食べさせたいと言っていた。僕は、遠慮するカノッサダレスさんに、家族をここに呼ぶように言った。カノッサダレスさんの奥様は、綺麗なご婦人だった。僕は、挨拶をした後、皆で好きなものを食べるように伝えて、レストランを出た。当然、支払いは済ませておいた。

ゴロタのチートぶりが楽しめたでしょうか?

昨日、PVが1000を越えました。ありがとうございます。励みになりマス。

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