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第251話 ステノーさんのお願い

ゴルゴン3姉妹は絶世の美女だったそうです。でも、メデューサさんはエッチが好きだそうです。

(12月3日です。)

  ステノーさんが、タイタン市の公爵邸を訪ねて来た。僕に会うためだ。しかし、僕は衛士隊の演習を観に行っていて留守だった。ステノーさんは、興味深げに、邸内を見廻してから、大広間のソファーに座った。シェルが2階の事務室から降りて来て、用件を聞くと、


  『今度、妹たちと一緒に母親に会いに行きたいのだが、ゴロタ殿も一緒に行ってもらえないか?』


  とのお願いだった。シェルは、とっても嫌な気がした。親に会いに行くって、それ、婚約するつもりですか?神様と婚約なんかしたら、シェルには絶対、敵わない気がした。シェルの強張った顔に気が付いたステノーさんが、決して結婚の約束ではない。実は、父親のポルキュースから自分たちを守って貰いたいとのお願いだった。


  詳しい事情を聞いたシェルは、この依頼がとても危険で難しいものだという気がした。僕は、元は神とか精霊の血筋かも知れないが、現在は地上界で生きている人間だ。そのような者が天上界に行って生きて帰って来られるのか分からないし、そもそも天上界の詳しい状況が全く分からない。ポルキュースという男の神様だって、きっと強いはずだ。なんたって神様なんだし。


  シェルでは、即答できないので、夕方、僕が帰って来るまで待って貰うことにした。ステノーさんは、おとなしく待っていたが、夕方、次々と帰ってきたエーデルやクレスタさん達や婚約者がステノーさんに挨拶をしてきた。ステノーさんは、この屋敷には一体、何人の女性が暮らしているのか不思議だった。皆、ゴロタ殿の妻や婚約者らしいが、他の女性に嫉妬したりしないのかと思ったのだ。


  天上界でも、ゼウス様を始め、一夫多妻の神はいるが、ほとんどは一夫一婦で暮らしている。浮気はしても、妻は一人だけというのが多い。まあ、人間界には人間界のしきたりがあるのだろうということで納得していた。僕は、領主館に帰ってからステノーさんの前に座った。依頼内容をシェルに聞いている。質問もシェルにしているのでおおよそのことは理解している。ステノーさんは、どうして自分に直接聞かないのだろうかと思ったが、これが人間界のしきたりなのかも知れないと思い黙っている事にした。僕の質問は、いくつかあった。


  まず、どうやって天上界に行けるのかと言う事だった。その質問をしたら、


  『心配は無用じゃ。時空の狭間、この次元とは違う次元に天上界があるのじゃ。妾が、天上界に繋がる入り口を開けるのじゃ。』


  僕のゲートみたいなものだろう。しかし、僕のゲートは、空間を繋げても、次元を繋げる事はできない。やはり神の力だ。次の質問は、父親のポルキュースについてだ。僕とシェルは、知らなかったが、皆は聞いたことがあるそうだ。海の神様は、現在ポセイドーンだが、その前は、ポルキュースが海の神であり、荒ぶる神の中でもトップクラスの暴れん坊だったそうだ。今は、海の事はポセイドンに任せているので、静かな入江で人魚達と遊んでいるそうだ。最後に、何故、ポルキュースがステノーさん達を嫌っているのか聞いたら、分からないと言った。母親のケトなら知っているかも知れないとの事だった。


  天上界には、シェル達も連れて行きたいと言ったら、それはできないと言われた。理由は、人間界の『穢れ』を天上界に持ち込んではならないそうだ。『穢れ』とは何か知らないが、僕には、その『穢れ』がないそうだ。


  理由は分からない。天上界と人間界を自由に行き来出来るなら、人間界に神が溢れてしまう。それは、不味いと思う僕だった。


  僕は、一度死んだ時、天上界に行った事があった。天上界に行けば母に会えるかも知れない。そう思うと、少しワクワクしてしまうのだった。


  シェルが、ステノーさんに質問した。天上界と人間界では時間の進み方が違うと言うことを、『郷』のお婆様から聞いたことがあるが、僕が天上界から帰ってきたら、こちら側の人間が皆死んでしまうということにはならないかだ。この質問にも、ステノーさんは、答えることが出来なかった。ただ、時の神クロノス様にお願いすれば、時空の好きな時間に帰ることが出来るはずなので、母様に聞いてみるということになった。


  とにかく、行ってみなければならない。


  最後に、クレスタが、ステノーさん達ゴルゴン姉妹は、天上界に行ったら、もう帰って来ないのかしらと聞いていたが、答えは絶望的だった。


  『妹たちのことは知らぬが、妾は、この世界、特にこのタイタン市がとても気にいったので、当分、滞在することにしたのじゃ。だから、必ず帰って来ようと思っているのじゃ。』


  ああ、面倒な人が増えてます。


  天上界への出発は、明日にした。今日は、妹のエウリュアレさんとメデューサさんも、領主館に泊まることになった。すぐに、ゲートを使って、王都屋敷に迎えに行く事にした。その日の夕食は、美女14人が勢ぞろいしていて壮観な眺めだった。


  シェル、エーデル、クレスタ、ビラ、ジェーンが妻達。


  ノエル、シズちゃん、フミさん、ジルちゃん、ジェリーちゃん、ブリちゃんが婚約者及び候補たち。それにゴルゴン3姉妹だ。僕が、いくら体力があってもこれは多すぎる。ステノーさん、お母様に会ったら、もうこちらに来ないでください。僕は、そう頼む予定だった・


  夕食後、皆で大浴場に入ることにしたが、ゴルゴン3姉妹も一緒に入ると言ってきた。シェルが断っていたが、いう事を聞く気はサラサラないみたいで、当然のように大浴場に入って来た。僕は、慌てて後ろを向いて、見ないようにした。またシェルにひっぱたかれるのは堪らないからだ。メデューサさんが、僕に近づこうとして皆に阻止されていた。うん、もっと頑張って下さい。


  翌日の朝食後、屋敷の前庭から天上界に出発した。ゲートを開き、ステノーさんと手を繋いで、天上界に転移したのだ。僕が、平素使っているゲートと使い勝手は待ったく一緒だった。







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  僕達は、天上界に到着した。天上界というから雲の上の世界を創造していたが、普通の大地だった。しかも草木の1本も生えていない荒れ地だ。ステノーさんは、天上界も格が下の者は、甘美な宮殿に転移することはできず、このような荒れ地から歩いて行かなければいけないそうだ。


  僕は、イフちゃんを呼んだ。イフちゃんは、いつもの女の子の姿ではなく、空中に浮かぶ炎の姿で現れた。この天上界では、炎のスピリッツは炎以外には存在できないそうだ。しかし、イフクロークは自己の存在とは関係ないので、いつでも使用できるとの事だった。天上界には、北も南も無いので、どちらに行けば良いのか分からなかった。しかし、太陽神の馬車が走る方向に向かって歩いて行けば、ステノーさんの母親の住んでいたところに行けるはずなので、そちらに向かって歩くこととした。


  歩いていると、見事な林檎の木が1本生えていた。巨大だ。見上げても樹冠が見えない。今は季節ではないと思うが、黄金色の林檎がたわわに実っている。辺りには、リンゴの甘い香りがする。エウリュアレさんが、涎を垂らしながら近づいて行った。僕は、嫌な感じがした。木の上に何かがいる。林檎の木の葉で隠れているが、神ならぬ者が潜んでいるようだ。


  「エウリュアレさん。下がって。」


  僕は、エウリュアレさんに注意したが、もう林檎にロックオンしているエウリュアレさんは、まったく耳にはいらない。手を伸ばして、黄金の林檎の実を1個取って食べ始めてしまった。突然、耳をつんざくような咆哮が聞こえた。林檎の木の葉の間から、竜の頭が数えきれない位、顔をのぞかせたのだ。不味い、ここは龍族の棲み処だったのかと思う僕だったが、直ぐにそれは間違いだと気が付いた。あの無数の頭は、1頭の竜の首だった。でかい、黒龍のブラックさんよりもでかいのだ。


  地上に降り立ったそいつは、エウリュアレさんの頭をパクリと咥えてしまった。というか、胸のあたりまでを咥えたのだ。さすがにエウリュアレさんは、手足をジタバタしていたが、遠く離れた所まで、ペッと吐き出してしまった。ステノーさんが、この龍は『ラドン』だと教えてくれた。なんでも、このラドン、父がテュポーン、母がエキドナで、竜の姿で生まれてしまったそうだ。不死身で眠る事なく黄金の林檎の樹を守っている。この林檎の樹は最高神ゼウスの妻ヘラが嫁いだ時に、贈り物としてガイアから譲り受けたもので、実を盗まれないように守っているのがラドンなのだ。


  僕は、念話でラドンに話しかけた。


  『僕は、ゴロタ。もう林檎の木は食べないから、許してください。』


  『ぬしは何者じゃ。人間の匂いでもなく、神の匂いでもない。許す代わりの代償は何じゃ?』


  僕は、イフクロークにしまっていた羊1頭を出してみた。


  『おお、これは地上階で良く貢物として捧げられる羊ではないか。美味そうじゃが、1頭ではまったく足りぬ。儂らは、100頭分の首なのじゃからな。』


  なんて、いやしい竜だ。首は皆繋がっているのだから、『美味しい』感覚も共有すれば良いのにと思ったが、すなおに100頭分の羊を出して上げた。ラドンさんは、許してくれた。というか、その100頭分の頭から流れ落ちる涎、何とかしてください。涎の池ができて、とても臭いです。僕達は、急いで現場から離れることにした。


  あとからエウリュアレさんが、付いてきたが、ミニスカの中に黄金の林檎を3個、胸に2個しまっていたので、変なところがボコボコ出っ張っていた。


メデューサさんは、神話では、ペルセウスに殺された事になってますが、エッチなメデューサさんがいた方がいいので、復活させました。

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