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第248話 ゴルゴン3姉妹がそろいました。

いよいよ250話目になりました。話の進みが遅くてすみません。でも、ゴロタとしては、放っておくわけにも行かないようです。

(10月28日です。)

  今日は、ステノーさんの妹さん達が来る日だった。


  シェル達女性陣は皆、完全装備でダンジョンに潜るつもりだ。フランちゃんは治癒院を休むし、ジェリーちゃん、ブリちゃんそれにドミノちゃんまで学校を休んでいる。ドミノちゃんは、杖の代わりにその辺の木の棒を持っていた。


  あのう、フミさん、フミさんは冒険者でも何でもないでしょ。どうして、一緒に行くのですか?聞けば、ステノーさん姉妹は女の子の敵だそうで、僕を誘惑したら全力で阻止するそうだ。でも、皆さんが全力を出したら、エクレア市が消滅してしまいますが。この前潜った、エクレア市の北のダンジョンに潜ってみる。1階層は、通常通りゴブリンが沸いている。良かった。元に戻っている。


  エーデルが、岩の壁から銀鉱石を発見した。純度が高く結構いい感じだ。このダンジョン、以前の人気ダンジョンに戻っているみたいだ。戻ったら、ギルドに報告しておこう。僕達にとって興味のある魔物もいなさそうなので、途中から転移して最下層の神殿エリアに行った。まだ、誰もいない。


  僕達は、神殿の前の広場で昼食にした。バーベキューコンロを作り、用意していた串刺しの肉や魚それに野菜を焼き始める。最近、南の国からの交易品である赤芋を焼き始めた。赤い皮の中は黄色い芋だ。とても食欲をそそる匂いだ。突然、神殿の奥にゲートが現れた。僕が、大声で注意する。


    「皆、後ろを向け!」


  シェル達は、慌てて神殿の反対側を向いた。僕は、皆の無事を確認した後、後ろを振り向いたら、1人のゴルゴンがいた。きっとエウリュアレさんだろう。脇目も振らずにバーベキューを貪り食っている。きっと熱いのだろう。口の中に入れてから悶えているが、決して吐き出さない。僕は、『変化の杖』を取り出し、エウリュアレさんの頭を軽くポンと叩いた。全身が赤く光ってから、普通の女の子の姿に変身した。


  いや、普通の女の子ではない。全裸の女の子だ。僕は、じっくり女の子を観察した。身長や体格は、ステノーさんとほぼ同じ。髪は銀髪で、目の色も銀色だ。後は、ステノーさんとの違いを見つけるのが難しい位だ。僕は、ボーッと見惚れていた。突然、目から火花が出た。シェルが『ヘラクレイスの弓』で、思いっきり僕の後頭部を殴ったのだ。


  僕だって、殴られれば痛い。それに何故蒼き盾が発動しなかったのか不思議だ。あの裏切り盾め。


  クレスタとノエルがエウリュアレさんの黄緑色のドレスを持って駆け寄っている。僕は後ろを向かされてしまった。『もう、蛇顔じゃあないのだから平気なのに。』と思ったが、シェルは許してくれなかった。振り向いて良いと言われたので、振り向いたところ、口に肉串を2本咥え、片手に魚串、もう片手に野菜串を持って立っている残念な女の子がいた。口の周りはバーベキューソースと涎だらけだ。せっかくの美形が台無しだ。その子が僕に念話で話しかけてくる。


  『妾のものじゃ。妾のものじゃ。全部、妾のものじゃ。』


  網の上には、まだ焼けていない串が5本位あったが、その方へ視線を向けながら、涙目で訴えてくる。シェル達女性陣は、完全に引いてしまった。クレスタは、ドレスを着せる時、かなり引っ掻かれたらしく、フランちゃんに治療して貰っていた。


  僕は、諦めて離れた所にもう一つのバーベキューコンロを作って、新たに焼き始めた。それを見た途端、もの凄い勢いで、目の前の肉を食べ始めた。あ、それ、まだ焼いていないのに。これでは、皆の分がなくなるので、ゲートを開きステノーさんのいる屋敷へ強制的に転移させた。何か叫んでいたが、肉を頬張っているので、言葉にならない。まあ、何を言っても無視するが。


  漸く、静かになったので、皆でゆっくり食事をする。皆、食欲がない。これから先、あの子と仲良くやっていく自信が無くなってしまったようだ。美味しいはずのバーベキューが、散々だったため、僕は鉄板を出して、焼きパスタを作った。トマトとベーコンがたっぷり入ったパスタは、皆の評判が良かったようで、何となくホッとしていた。


  後、メデューサさんが現れるのを待つだけだが、気が重かった。食べ物に異常な執着を持つエウリュアレさんであれだ。男に異常な欲求を示すメデューサさんは、一体どれだけ残念なんだろう。


  夕方になって、今日は来ないのかなと思い始めた頃、神殿の奥にゲートが開いた。出て来たのは、金色の長い髪の毛が胸のポッチを隠している。僕は、皆を後ろ向きにさせた後、じっくりと女性を見ていた。


  『あなたは、メデューサさんですか?』


  『そうよ、可愛い坊や。』


  ニッコリ微笑んでいるメデューサさんの金色の目が光り始めた。


  キン、キン、キン!!!


  メデューサさんの視線が、蒼き盾により防がれている。恐ろしい女性だ。微笑みながら相手を石化しようとしている。視線が効かないと分かったら、金色の髪の毛は白い蛇の頭になった。口からは猪のような牙が生えて来て、背中には金色の翼が生えてきている。このまま飛び立たれては、面倒くさいので、『瞬動』で近づき、『変化の杖』で、ボカリと頭を軽くたたいた。本当に軽く叩いたのだが、メデューサさんにとっては、かなり痛そうだった。目から涙を流している。元々の姿である美女に変身したメデューサさんは、涙目のまま吃驚していた。


  『あら、あなた、その杖は、姉様の杖よ。どうして持っているの?』


  僕は、説明を始めた。その間、メデューサさんは裸でいることを恥ずかしがるどころか、僕の首に腕を回して来た。僕は、ドギマギしてきて、念話であっても、つっかえつっかえになってしまった。その時、急に眼から火花が出てしまった。またシェルが『ヘラクレイスの弓』で、思いっきり僕の後頭部を殴ったのだ。


  クレスタとエーデルが、メデューサさんを引きはがそうとしている。シェルに手を引っ張られながら、メデューサさんから10m位離れた所まで移動させられた。別に、10mも至近距離も僕にとっては同じことなのだが、『遠視』を使ってまで見ようとは思わなかった。


  メデューサさんは、ピンク色のドレスを着せられていた。メデューサさんは、自分だけロング丈のスカートであることに抗議していたが、無視して着付けを終え、屋敷まで無理やり転移させた。これで3姉妹が揃ったわけである。後片付けをしてから屋敷に戻ってみると、大変なことになっていた。エウリュアレさんとメデューサさんが正座させられていたのである。


  ステノーさんが、2人に説教というか注意をしていたが、内容がおかしかった。


  1、自分の部屋とお風呂以外では、裸にならない。

  2、ゴロタ殿以外にはパンツは見せない。

  3、ゴロタ殿以外とキスやエッチはしない。

  4、他人の食事は取らない。

  5、食事は、原則手掴みをしない。

  6、生きているものや雑草を食べない。

  7、食事は、1日3回を厳守する。

  8、エッチは、シェル殿の許可を得てする。


  これ、絶対おかしいから。特に、最後のなんか、許可なんか出す訳ないでしょ。シェルは、ウンウン頷いていた。その日の夜、夕食で3人が並んだが、髪の毛と目の色以外にも微妙に違うことが分かった。


  まず、身長だが、ステノーさんが一番高くて、次にメデューサさん、エウリュアレさんが一番低くて167センチ位だった。顔付きも、ステノーさんは、絶世の美女だが、メデューサさんは可愛らしい美少女、エウリュアレさんは少しポッチャリ系の美少女だ。しかし、髪の毛の色が同じだと、見分けるのはとても難しい。


  次の日から、王都の名物が変化した。ステノーさんは、いつもと変わらないが、エウリュアレさんが、隣に座ってズーッとスイーツを食べ続けている。スイーツは、食事ではないから、何回食べても違反にならない。しかし注文は、1回で1品にさせられた。注文した品が来るまでは、食べられないのだ。エウリュアレさんは、1品1品を大切に食べることを覚えた。


  メデューサさんは、通りに1番近い席に座って、通行している男達をうっとり見ている。どうやら35歳位までがストライクゾーンらしく、ベランダの柵越しに声を掛けてくる男性とニコニコ話をしている。気に食わない男が近付くと氷のような視線を浴びせて無視している。まあ、石化の視線よりはマシだが。


  エウリュアレさんとメデューサさんは、シェルが選んだミニスカを着ている。エウリュアレさんは、服装には興味は無いらしく、何でも着てくれたが、メデューサさんは、もっと胸を広げてとか、スカートの丈が長いとか文句を言っていた。それでも、ステノーさんに注意されて渋々決めたが、ミニスカの腰のベルトラインを3回は巻いているので、本当にパンツが見えそうだった。


  雨の日以外は、毎日の行事だった。いく店も、サン・マキシという店で、お昼前に店に入りランチを食べる。オーガ騎士もゴブリンメイドも同じものを食べるのだが、彼女達は、店内で交代で食べているようだ。


  エウリュアレさんは、3人前を頼んでも良いことになっている。食後は、ひたすらデザートを食べているエウリュアレさん、男の人と話しているメデューサさん、そして、妹達と道ゆく人達を眺めているステノーさんだった。


  午後3時、店を出るのだが、精算は屋敷の者がする。ランチが大銅貨1枚半なので14人分それにスイーツが6〜8品で合計銀貨2枚程度だ。来る時は馬車だが、帰りは、雨の日以外は皆で歩いて帰る事にしている。先頭はオーガ騎士、次がステノーさん、その後ろにメデューサさんとエウリュアレさんが左右に並び、その後ろに屋敷の執事かメイドさん、その後ろにエウリュアレさんのお土産のお菓子や果物を持っているメイドさん達だ。


  見物客が増えていた。中には、列に近づいて握手してもらおうとする男もいたが、オーガ騎士達に阻止されていた。どうやら国王陛下も、またお忍びで見に来ているみたいだった。

やはり、困った方達がそろってしまいました。

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