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紅き剣と蒼き盾の物語(コミュ障魔王と残念エルフの救世サーガ)  作者: 困ったちゃん
第24章 王国の西はタイタン領です。
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第237話 御用邸落成式です。

旧ブリンク領の統治は、何とかやって行けそうですが、まだまだ大変です。

(5月30日です。)

  今日は、旧ブリンク伯爵領内の市町村長の初めての合同会議だ。遠い者は10日以上かけて、ニュー・タイタン市に来ていた。本当は、ゲートを使えばすぐなのだが、各市町村の治安が良くなり、生活に余裕が出るまでは設置するわけには行かなかった。


  領内は、ニュー・タイタン市を中心に、東は、イースト・エンド村とカフェ村の2村だ。南は、ハロー・ムーン村、サラエホ村、デンタルーシ町、バーセント市となり、パーセント市の東にバンドリ村、西にベラシク村が所在している。さらに南には、サーカシオ町とシーサイド村があった。北は、ファスト・コルトン村、エーゲノール町、トロノウ村と続いて、コルトン市、コルトン市の東はケンタ村、西はサンタ村、北はジンタ村で、北の最果ての村がニモ村だ。市町村長だけでなく、助役や出納役まで連れてきている市町村もあったので、総勢50人近くになってしまった。最初に僕の挨拶だった。


  「市町村長の皆さん。お疲れ様です。これから、今年の年貢と税金のことや、いろいろとお願いがあります。」


  これで、終わりだった。大勢の前でこれだけの事を話せたのだ。後で、シェルに褒めて貰おうと思う僕だった。その後、コリン・ダーツ行政長官が、全ての議題を説明して、質疑に応答してくれた。タイタン領内のルールは統一されている。


  1、今年の年貢及び税金は免除する。


  2、衛士は全てタイタン領主直轄とし、司法長官指揮下とする。市町村独自で雇う衛士は認めない。衛士の年収は、衛士隊給与規則による。


  3、市長、町長。村長、及び各行政機関の役人(以下、公人という。)には、タイタン領公人給与規定により、役職にふさわしい報酬を支払う。


  4、自家消費用の農耕以外の公人の副職は認めない。職務専念義務を果たして貰う。


  5、各村に小学校を建設する。町には中学校を、市には高校を設置する。


  6、ニュー・タイタン市とエクレア市の間にはゲートを設ける。


  7、以後、領地はタイタン公爵領と呼称する。


  8、来年以降の年貢及び税金は、別途示達する。


  9、土地の私有は認めない。全ての土地は、タイタン公爵のものとし、正当な対価を持って使用権を取得することができる。


  この提案に、皆は吃驚していた。年貢と税金が無い。それでは、これからの市町村行政の経費はどうするのか。その質問については、すべて行政庁予算から支出するので、職員の給与及び行政経費及び公共工事費の心配はいらない。ただし、新規予算執行は、必ず、各市に駐在する長官補の認可を得てから執行することと宣言した。ここで、長官補が紹介された。皆、若い女性だ。しかもミニスカから伸びた足が眩しい。誰も何も言えなくなった。


  さすが、『鬼畜ハーレム』と言われるだけあって、美女ぞろいだとでも思っているのかな。皆は、吃驚はしていたが、それだけだった。この場には、シェルやエーデルがいないので、もし絶世美少女(もう少女とは言えないが)2人を見たら、さらに酷い二つ名を付けられてしまうかも知れなかった。







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(6月1日です。)

  今日、グレーテル国王陛下のタイタン御用邸の落成式だ。式といっても、御用邸の玄関前で、僕から鍵を受け取って、ドアを開けるだけのセレモニーだ。それから、館内の案内をバンブーさんがやることになっている。バンブーさんも、今日はかなり緊張している。平民が国王陛下に直答することは許されない。そのため、ジェンキン宰相を通じての説明となる。玄関を入ると、舞踏会にも使われる大広間だ。奥には、厨房とトイレ、それに応接室兼客間が3室ある。2階は、国王陛下の居室、皇后陛下の居室それに皇太子殿下夫妻の居室が続いている。それぞれ、2~3室の続き部屋だ。3階は、展望室や娯楽室になっている。従業員等は、別棟となっている。陛下の頭上に上がるなど不遜とされるからだ。当然、客室もない。陛下の客は、『グランド・ニース・ホテル』の貴賓室に泊まることになっている。


  別棟で、騎士団詰所兼宿舎、衛士隊屯所兼宿舎それに執事やメイド、庭師などの従業員宿舎があり、馬車を格納する納屋や厩舎が設けられている。1階大広間に面した隠し部屋は、王宮とつながっているゲート部屋だ。当然、陛下が滞在していない時は、閉鎖されている。館内は、贅沢な作りだ。国王陛下の威厳が現れていて、かつ使いやすく、過ごしやすいことを最優先としている。自慢は、露天風呂と温泉プールだ。露天風呂からは遠くマッキンレー山脈が見え、それに眼下にはサウス・タイタン川が覗ける。国王陛下は、早速、館内に入りたがったが、それは落成式が終わってからにして貰いたい。


  騎士団の皆さん200人は、詰め所で待機中で、スターバ団長だけが随行している。あと、皇后陛下、ファーブル皇太子殿下夫妻、ガーベラ王女殿下、エーデル王女殿下も一緒だ。マリンピア魔導士長は、本日は欠席している。当然、僕もエーデル王女殿下の夫として一緒に見て回っている。館内の出来は、『グランド・ニース・ホテル』とどっこいどっこいだが、ホテルはいろいろな制約があって、自由に作れなかった所もあり、豪華さではやはり、御用邸の方が一枚上手だと思った。ドア1枚とっても、同じマホガニー製でも大きさや厚さが違う。ホテルと違って、無粋な鍵などついていないし、装飾も、ホテルのドアはそれなりだった。


  今度、領主館を改修するときには、参考にしようと思う僕であった。


  夜の落成式記念パーティは盛況だった。この辺では取れない海の幸、山の幸をふんだんに取り入れた料理も良かったし、王都から招聘した王立管弦楽団による音楽も素晴らしかった。今回、集まった貴族たちは、高い金を出してでも別荘を購入して良かったという顔をしていた。ホテルも、今晩のパーティだけで大金貨2枚以上の売り上げだ。さらに国王陛下からは御下賜金として大金貨1枚を頂いている。これは、定期的にパーティをやるしかない。


  ドエスさんとエリーさんが、コンパニオンを準備してくれた。皆、黒色のミニスカメイド服で、お客さんにお酌をして回っている。お尻を触られてもニコニコしている。本来の職業に比べたら、お尻のタッチなどサービスにもならないようだ。その後、恒例の演芸となり、イチローさん達の曲技や、リバちゃんの踊りなどが披露された。特にリバちゃんの踊りは、余りにも妖艶すぎて、多くの男性が股間を抑えていた。当然、ご婦人たちは怒りの目を、自分の夫に向けていた。


  陛下が、今夜ハッシュ町に行きたいと言ったが、皇后陛下の目が光っているので、今度お一人で来た時にするよう諫言した。ジェンキンさん、何とかしてください。パーティが終わってから、国王陛下が、この度のブリンク領平定に関して勲章を授けたいと言ってきた。特に断る理由もないので、お受けすることにしたが、とりあえず、今月は、まだ忙しいので、7月以降にしたいと言っておいた。


  翌日、皇太子殿下夫妻は帰ったが、国王陛下夫妻は、もう一泊するそうだ。今日は、河原での釣りを楽しんで貰うつもりだ。騎士団の皆さんは、朝早くから河原の周辺の警戒をしている。まあ、必要はないのだが、彼らの仕事を奪うのはかわいそうなので、スターバ団長のメンツを立ててあげた。当のスターバ団長は、ジェリーちゃんと一緒に釣りに夢中だ。当然、餌付けはスターバ団長の役だった。国王陛下も釣りに夢中になっていた。竿を入れると食いついて来る。まあ、事前に、上流から魚を流しておいたのだが、それは内緒にしている。


  釣ったヤマメやイワナをその場ですぐに焼き始めた。当然、クレスタがやっている。ノエルは、騎士団の皆さんの串焼きを200人分作っている。それに大鍋でカレーも作っている。やはり、こういう所では、カレーは定番だ。国王陛下も、随行の方々も十分満足されて帰って行った。当然、その場から王宮前にゲートを繋げてあげたのだった。





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(6月6日です。)

  今日は、ジルちゃんの誕生日だ。6月6日生まれと言うので、少し気になり、何時頃生まれたのか聞いたところ、夕方だったそうだ。ジルちゃんは、毎日、魔法の練習を欠かさないようだが、まだまだ魔力の流れを使いこなしていなかった。でも、毎日、魔力切れ寸前まで練習をしているようで、かなり魔力量も増えているようだ。学校の部活は、魔法クラブに入っているらしい。高校対抗の競技大会があり、当然、常勝高校は、王立魔法学院だが、タイタン学院大学付属高等部としては、せめてニュー・タイタン市高校には勝ちたいと毎日厳しい練習をしているそうだ。そういえば、バンブーさんに依頼した高校新築工事は、順調に工事が進んでいるが、来年の1月末までに、入校できるレベルまで建設するのがやっとだそうだ。


  ジルちゃんへの誕生日プレゼントは、ダイヤの指輪にした。これで、指輪贈呈者は、シェルをはじめとして9人になった。ジルちゃんは、このプレゼントの意味を理解したが、まだ夜、一緒に寝ても何もしていない。高校生を相手に、エッチな事をしたら、タイタン領内では犯罪行為だ。最近、娼婦営業条例を制定して、18歳未満の女性を娼館で働かせたり、出入りさせると罪に問われることにした。やはり高校生若しくは相当年齢者にはエッチは少し早い気がするのだ。もちろん、婚約予定者であるジェリーちゃんとブリちゃんも、夜のお供はさせていない。反対に、フミさんは婚約者ではないが、夜の当番に入っている。シェルもしかたないとあきらめているようだ。


  婚約して以来、ジェーンさんが、早く結婚したいような事を言っている。25歳前に結婚したいらしい。もう既に結婚状態であるから、結婚に異論はない。両親も早く結婚して孫の顔を見たいらしい。今、新婚旅行に行っている余裕はないが、そうも言っていられない。7月の衛士隊入隊希望者の採用試験終了後に結婚式を挙げることにする。式は、スノウマーク村で行うことにした。新婚旅行は、やはり和の国とモンド王国だろう。和の国の、生の魚を乗せた酢飯と、牛肉を薄くスライスしてお湯にしゃぶしゃぶして食べる鍋を食べさせてあげたい。


  途中、帝国の帝都にも寄ってみたい。あの事件の後、どうなったか気になる。可哀そうな子供達がもういないことを祈るばかりだ。


ニース・タウンも完成です。後は、高級リゾートとしてのレジャー施設を増設します。

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