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第226話 ボラード市の恐怖の夜

ゴロタは、女性の味方です。女性が迫害されると許せません。久しぶりにゴロタのチートぶりが発揮されます。

(2月1日の夜です。)

  僕は、夕食後、ヒルトンさんのホテルを出た。背中には『オロチの刀』を背負っている。ジェーンさんは留守番だ。しかし、完全装備でロビーにいる。ヒルトンさんは、ソファーに奥さんと一緒に座っている。奥さんは、ずっと、遠くを見るような目だった。ホテルを出ると、早速、ゴロツキが3人ほど絡んできた。小遣いをねだってきたのだ。僕は、3人の肩から右片腕を、腿の付け根から右片足を切り落とした。首は跳ねない。今までの非道を反省して貰うつもりだ。出血多量で死ぬのはしょうがない。


  切られた3人の大きな叫び声が聞こえた。8人ほどが、剣を抜いて集まって来た。全員の片手、片足を同じように切り落とす。根元から切り落とすのは、義足や義手をはめにくくするためだ。途中、逃げようとする者がいたが、『威嚇』で、行動不能にして切り落とした。ヒルトンさんに聞いていた娼館に向かった。到着するまでに26人の手足を切り離した。うめき声が五月蝿いので、『デスペル』で、声を封印しておいた。切り落とした腕と足は、焼却して灰にしている。いつまでも置いておくと衛生上よくないからだ。まあ、これでつなげようと思っても、不可能になったのだが、そんなことは知らない。


  娼館の中には。幹部らしい男が、娼婦2人を侍らせて酒を飲んでいた。片手は、娼婦の股間をまさぐっていた。この男も、両手と片足ついでに股間の一物を切り離した。股間に挟んでいた腕が、腕だけになった娼婦は気を失っていた。娼館の中には7人のゴロツキがいた。娼館の中は血の海になった。返り血を浴びて血まみれの娼婦達が逃げ出して行った。中には、素っ裸の者もいる。


  ゴロツキどものボスの屋敷に行く前に、街を一回りして、全てのゴロツキどもを、一生後悔する身体にしてやった。200人を越える当りから数えるのをやめた。帝国のダブリナ市では1000人近いゴロツキを殲滅したが、この街には、それほどいないみたいだ。


  ボスの屋敷に来た。デカイ。僕は、特大のライティングを出現させた。昼のように明るくなった。屋敷の周囲に、逆シールドを掛けた。外に逃げ出せないようにしたのだ。門番のゴロツキから始末していく。もう、『デスペル』を掛けない。必要無いからだ。屋敷の外に立って警戒をしていた16人のゴロツキどもの手足を切り離していく。驚いたことに、ファイアボールを撃ってきた者がいた。当然、蒼き盾が跳ね返す。その魔導士は、片腕と片足の他に舌も切り落とした。出血しないように、直ぐ傷口を焼いて、出血死しないようにした。というか、のどを焼かれてもう一生、喋ることができない。ついでに手足の傷口も焼いてあげた。かなり痛いが、死ぬよりはいいだろう。


  屋敷の中に入って行った。ドアの陰やタンスの陰に潜んでいるゴロツキは、『威嚇』で動けなくしてから、ゆっくり手足を切り落とす。斬りかかってくる者は、一瞬で切り落とす。完全に精肉工場状態だ。驚いたことに、大きな部屋の中に若い女の子が20人位いた。皆、素っ裸だった。僕は、ジェーンが留守番をしているホテルの大浴場にゲートを繋ぎ、そこに女の子達を転移させた。服や下着が部屋の片隅に山積みになっていたので、それも運んでおいた。ジェーンに事情を話してから、また元の屋敷に戻った。ゴロツキどもは、屋敷の庭にいた。外に出るところを必死に探していたが、僕のシールドに穴があるわけ無い。


  もう、剣を振るのが面倒になってきたので、ウインドカッターでゴロツキどもの手足を切り離していく。左手で、クイッ、クイッとカッターの軌道を変えて、的確に切り落としていった。庭の中は阿鼻叫喚地獄だったが、一人のまだ喋れそうなゴロツキのそばに行く。30位の男だ。他に、女の子が居ないか聞いたところ、ボスのところに3人ほどいるそうだ。正直に話してくれたので、その男は、片足と、片目と、股間の一物だけを切ることにした。


  ボスの居場所は、『探知』で探り当てていた。その場所に行ってみる。ドアを開けると、ボスが部屋の隅にいた。痩せた背の高い男だ。年齢は40位か。裸の女の子3人を盾にしている。一人の女の子の首に、ナイフを当てている。人質のつもりなのだろう。僕に、その作戦は効かない。『威嚇』で、ボスの行動を不能にする。女の子達に服を着るように指示をした。着終わるのを待って、ゲートでホテルのロビーに転移させた。


  それから、ゲートを閉めてから、ユックリ、男の方を向く。


  「お前は、誰だ?」


  「新領主のゴロタだ。」


  「新領主?新領主はタイタン公爵の筈だが。ゴロタ?ゴロタって、あの『殲滅の死神』のゴロタか?」


  その問いには答えず、ボスに質問した。


  「足と腕、どちらが良い?」


  意味が分からず、キョトンとするが、暫くして、意味を理解したボスは、激しく震え始めた。もうズボンはびしょ濡れだ。


  「どちらだ?」


  「領主様。お願いです。助けてください。」


  泣き始めたボスに構わず、まず、僕は、股間の一物を引きちぎった。当然、『念動』を使ったので、触りはしない。すぐに血止めのために傷口を焼き切った。次に両腕を肩から切り落とした。既にボスは気を失っている。起きたら煩いので、舌も引きちぎっておいた。


  ホテルに戻ったら、転移させた女の子は23人いた。その子達に部屋を割り振った。2人1部屋だ。1部屋は、3人部屋だ。このような状況の女の子を1人にしてはいけないことは過去の経験から知っていた。夜遅かったが、公爵館からシェル達女性陣を全てホテルに呼んだ。それから、フランの診察が始まった。幸いに妊娠している子はいなかったが、念のため、洗浄することにした。悪い病気にかかっている子もいなかったようだ。不幸中の幸いだった。殆どの子は、借金のカタに連れて来られた女の子達だ。それから、イフちゃんに、今夜のガトリングの動きを見張るようにお願いした。逃げるようだったら、拘束する必要がある。


  ホテルでは、これだけの人数の食事を準備することは不可能だったので、クレスタとノエルが厨房を借りて、夕食を作ることにした。勿論、ヒルトン夫妻の分も含めてだ。食材は、僕がイフクロークから出しておいたものを使う。あ、ワインを出すのも忘れていなかった。というか、シェルが忘れる訳無かった。






  翌朝、皆で朝食を取っていたら、衛士隊が完全武装でホテルに入ってきた。昨日の事件のことで、聞きたいことがあるそうだ。シェルが、衛士に『誰の指示か?』と聞いたら、市長の指示だという。


  「この街の衛士隊は、領主様よりガトリング市長の言うことを聞くのですか?」


  「はあ?」


  「この方こそ、新領主、タイタン公爵閣下です。」


  初めて、正体を明かした。昔の和の国の時代劇みたいだ。衛士隊だけでなく、ヒルトンさんや保護した女の子達もビックリしていた。


  「一同、頭が高い。控えおろう。」


  とは言わないが、


  「皆様、公爵閣下の前では、どのようになさるか御存知ですか?」


  ハッと気が付いた衛士隊の皆が、膝まづいて臣下の礼を取った。シェルが、衛士隊にガトリングを拘束するように指示した。朝食後、衛士隊駐屯所に行くので、それまでに留置場に入れておくように指示したのだ。また、ガトリングの家族は、屋敷内に拘束しておくようにも指示した。違法な行為で良い思いをした者は、絶対に許さない。女の子達は、好きなだけこのホテルに滞在していて良いと言っておいた。ヒルトンさんには、大金貨1枚を渡して、辞めさせた従業員を再雇用するようにお願いした。白薔薇会の皆さんに女の子達の家への連絡をお願いする。後、ダンヒル大佐に、騎士団300名の派遣をお願いして、ゲートを繋ぎっぱなしにしておいた。


  シェルと二人で、衛士隊駐屯所に行くと、既にガトリングが留置場の中にいた。僕を見て、細い目で睨み付けながら、毒づき始めた。


  「儂をこんな目に会わせて、只で済むと思うなよ。命知らずが300人はいるんだ。」


  僕は、ゲートを開き、両腕が無く股間を真っ赤に染めているボスを引きずり出した。『うーうー』うなるだけで、喋ることができない。


  「お前の言っている命知らずって、こいつのことか?」


  それを見たガトリングは、目を見開いたまま震え出してしまった。駐屯所の外には、市民達が集まっていた。衛士にボスを外に出してくれるように騒いでいる。うん、出してあげよう。僕は、衛士隊に、ボスを外に出すように指示すると、ボスは、身体をよじって逃げ出そうとしている。逃げられるわけないのに。腕の無いボスを無理やり外に押し出した。玄関のドアを閉めると、大勢の市民の怒声と何かを殴る音が続いたが、直ぐに静かになった。


  「お前も、外に出て見るか?」


  ガトリングは、ズボンの前を盛大に濡らしながら、激しく首を振っていた。僕は、ガトリングの留置室と、タイタン市の衛士隊本部の留置室を繋いで移送した。彼の措置は、犯罪奴隷として鉱山送りだ。ベンデナイと仲良く金鉱を掘ってもらおう。


  市の衛士隊に聞いたところ、昨日の事件で生き残ったゴロツキは、わずかに13人だけだった。残りのゴロツキどもは、ほとんどが撲殺されていたそうだ。市民の恨みは恐ろしい。この駐屯所の一番若い衛士を別室に呼びこんで質問した。不正を働いている衛士はいなかったかと。その若い衛士は、首を横に振りながら、先輩の衛士さん達は見て見ぬふりはしていたが、陰で市民を助けていたのだ。市民に聞いてくれれば分かると言っていた。


  ガトリングの公舎及び私邸、ゴロツキのボスの自宅を警護するように衛士隊に頼み、市内の治安維持はダンヒル大佐以下の騎士団にお願いした。困ったのは、市政を誰に任せるかだ。僕は、その足で市庁舎に行く事にした。市庁舎では、助役と出納長が何かの書類をかき集めていた。ここでもそうかと思ったが、一応、全職員の行動を停止させた。助役、出納長は僕を見てブルブル震えていたが、何も聞かずに二人の身柄をそのまま、タイタン市の衛士隊送りにておいた。その後、職員達に、市政を任せるのは誰が良いか尋ねた。若い女の職員が、市民課長が良いと言ってきた。他の皆も、うなずいていた。聞けば、前の市長の息子さんらしい。身分を隠し、名前を変えて市役所に勤務していたが、職員の殆どは、彼の素性を知っていた。


  その課長を呼んで貰った。奥の市民課受付で、市民の相談を受理中だった。25歳位の若者で名前をケントと言うらしい。若いのに課長とは立派だと思った。若すぎる気がしたが、僕だってまだ20歳だ。市長代行をお願いしてもよいか、本人に確認したところ、『喜んで務めさせていただく。』と言ってくれた。この市役所も、当分の間、公共事業は中止し、精査してから執行するようにお願いした。また、今年度の年貢及び課税は免除するので、その旨を市民に示達して貰うように言った。ケント代行が、我々の給料はどうなるのか聞いてきたので、毎月、人件費にいくらかかっているか聞いた。月に大金貨3枚だが、市長、助役と出納長の分がいらなくなるので、大金貨1枚半が必要だとの事だった。市役所の金庫は、殆ど空だった。市長室の奥の金庫の中に大金貨800枚があったが、これは押収品とした。その押収品の中から、必要な年間経費を市の金庫に納め、出納簿を整理させた。市は、僕に大金貨100枚の借金をしたことになる。


  まあ、回収する気はないが、市の出納はいい加減なことは許されない。収入は収入で、キチンと記載しなければならないのだ。現在、市はガトリングに大金貨300枚の借金をしているそうだ。そのため、毎月大金貨15枚を利息としてガトリングに納めていたそうだ。どうして、悪い奴らは金を稼ぐのがうまいのだろうか。ガトリングは合法的に市の財政をちょろまかしていたのだ。後日、タイタン市の徴税官が査察に入ることにした。


  その後、娼館の経営者や悪徳金融業者、建設会社などガトリングの配下の者達が衛士隊により一斉摘発されていた。娼館は廃業となったが、娼婦たちの行き先が無いので、ニース・タウンのドエスさんの旅館で働いて貰うことにした。当然、病気の無い健康な女性に限っていたが。30歳以上の年季明けの娼婦には、勤続年数に応じて退職金を払って、田舎に帰ってもらうことにしたが、今更帰れないそうだ。ドエスさんに相談したら、もう1軒、風俗店を経営させて貰ったら、そこで雇うと言ってくれた。許可はしたが、その店には絶対に行かないと決意した僕だった。

相変わらずのチートでした。本当に怖いのは、市民の方々でした。

ブクマ登録数が伸びません。この作品が面白いと思ったら、ブクマ登録をお願いします。

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