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第200話 南の森の洞窟

いよいよ、本編200話目に突入しました。洞窟が全てダンジョンではありませんが、ダンジョンは全て洞窟です。

(1月5日です。)

  今日は、シズちゃんの誕生日だ。今は、王立騎士学院の非常勤講師だが、今年の4月に王立騎士団の準尉に任官が決まっている。剣と弓では、誰にも負けないそうだ。まあ、剣はエーデルに、弓はシェルに習っているのだ。当然だろう。誕生日プレゼントは、大きなルビーのペンダントにした。もう、誕生日に宝石をプレゼントするのはやめにしようかと思っていると言ったら、女性陣全員から反対された。ジルちゃんまで反対されても、そもそも誕生日プレゼントをあげる気持ちはありませんから。





  次の日、皆で、南の森の洞窟まで行ってみた。クレスタが、僕が施した土の封印を除去する。大きい入口だ。中から瘴気が漏れ出てくる。フランちゃんが、『聖の力』を洞窟の中に注ぎ込む。瘴気が薄れていく。瘴気がなくなったのは良いが、猛毒の残滓が残っている。前回使った解毒薬の霧を流し込んで、猛毒を無効化する。その後、洞窟の中に入ってみるが、やはり、そこはダンジョンのようだった。


  北の森のダンジョンと違うのは、魔物のランクが上がっているという事だ。洞窟に入ってすぐはゴブリンの出現が定番だた、ゴブリン・ソルジャーが雑魚キャラとなっていて、ゴブリン・メージのファイア攻撃とサンダー攻撃が結構きつい。敵の数が多いだけに、魔法攻撃も途切れないのだ。このレベルは『B』ランク以上でなければ、きついだろう。ここは、シェルとシズちゃんに任せて、全てのゴブリン亜種を遠距離攻撃で殲滅して貰った。魔石回収は僕が専従する。




  地下2階層は、トロールのエリアだ。トロールも通常の緑色の皮膚ではなく、紫色の皮膚で、肌の色のとおり毒攻撃をしてくる。大きな鉈を振り下ろすが、周囲に毒霧を纏っているので、直接攻撃をしづらい。このエリアは、エーデルの『百刺し』で、瞬殺して貰う。毒気は、フランにデポイズンを掛けて貰っている。階層ボスは、トロールと言うよりもオーガ級の大きさで、頭が狼になっていた。狼人がトロール化したみたいで、攻撃と防御が非常に素早かった。このトロール特殊個体は、ビラとクレスタに任せた。クレスタが塩水のシャワーを浴びせ、ビラが雷撃を放つ。1500ボルトくらいの雷撃を5分間流し続けていた。トロール特殊個体は、こんがりと丸焼けになってしまった。焼肉の良い匂いがした。




  地下3階層は、荒地エリアで、大きな蜥蜴のような物が跋扈している。大きさは7~8m位で、後ろ脚2本で立ち上がっている。前足は極端に小さく、あれでは得物を掴むことも出来ないだろう。特筆すべきはその大きな顎で、大きく開けた口の中には、歯列が3列並んでいた。目は非常に小さいが、鼻穴が大きく開いているので、敵の匂いで位置を判断しているのだろう。こいつも非常に素早かった。この相手は、シズちゃんに頼んだ。シズちゃんは、『竜のアギト』を抜き、雷属性の『斬撃』を放った。蜥蜴の胴体が真っ二つになるとともに切り口から煙が上がっている。肉の焦げるいい匂いがする。


  階層ボスは、さっきの蜥蜴が2頭だった。左右から攻められると、ちと辛い。1体は、シズちゃん、もう一体はノエルが処理した。ノエルは、風魔法に火魔法を乗せて、火炎の渦を放った。蜥蜴は、体中が黒焦げなりながらズタズタに切り裂かれてしまった。僕は、ドロップ品のミスリルのロング・ソードと魔石を回収した。地下3階層からドロップ品が出るとは、とても期待が持てる。その後、地下4階層の廃墟エリア、地下5階層の森林エリアとクリアしていったが、ボスキャラのドロップ品は、全てミスリルのロング・ソードだった。


  ここまで、エーデルがかなりの鉱石や宝箱を発掘している。攻撃に参加したのは、2階層のトロール戦だけだったし、後は、かなり後からついてきて、色々とイフちゃんに渡していた。あまり発掘し過ぎると、ダンジョンの魅力が無くなるのだが、このダンジョンを公開する頃には、全て復活しているはずだ。






  地下6階層からは、様相が一変した。そこは、銀色の世界だった。壁は全てミスリルの原石で、ところどころに通常の銀が光っている鉱山エリアだ。出て来る魔物は、モグラ系の魔物だった。しかし、物凄く大きく、前足の爪など1m位の大きさだ。この魔物は、突然、地面の中から飛び出してくるので、対応がどうしても遅くなってしまう。まあ、単独でしか出ないようなので、直ぐに階層ボスと対峙することになった。ボスキャラは、キングゴーレムだ。しかも身体がミスリルで出来ていて、物理攻撃が効かない奴だ。


  クレスタが前に出て、土魔法で深さ5m位の穴を開け、ゴーレムを穴にはめてしまう。連続して、土魔法を使い、穴の中に、時間が経つと固まる泥を流し込んだ。10分もしないうちにゴーレムが動けなくなってしまった。あとは、『キルケの杖』を使ってチマチマと火魔法と雷撃魔法をかけ続け、ゴーレムを倒してしまった。エーデルが火魔法で、ゴーレムの身体が真っ赤になるまで熱した直後、クレスタが水魔法でシャワーを浴びせ、ゴーレムの身体を粉々にしてしまった。ドロップ品は、特大のミスリル・ロングソードだった。





  地下7階層は、お定まりのビーチエリアだ。敵はクラーケンかなと思ったら、半魚人だった。通常、獣人は獣とのキメラのようで、魚とのキメラは例が無い。というか、卵生の魚と人間で生殖行為ができる訳ないので半魚人は、獣人の仲間ではない。良く分からないが、魔物として発達したものだろう。人魚とは全く発生経緯が違うようだ。そもそも半魚人の殆どは男性だ。この半魚人が厄介なのは、通常は、水面下にいるくせに、攻撃の時だけ、上半身を出して、槍を投げて来たり、水鉄砲で攻撃してくる。水鉄砲は、リバちゃんとは違い、威力はそんなに無いが、当たると痛い。それに女性陣のスカート付近を狙って撃って来るので、顰蹙を買っていた。これは、もうリバちゃんに頼むしかない。リバちゃん、海の中で、本来の姿に戻り、半魚人を全て胃袋の中に入れてしまった。これは、戦闘とか攻撃というレベルではなく、お食事と言った感じだった。




  7階層のボスは、大きな巻貝だった。その大きさは直径8m位あるだろうか。触手を伸ばしてくる。エーデルの『ファイヤ』が炸裂した。巻貝はつぼ焼きになってしまった。ドロップ品は、またミスリル・ロングソードだった。ここで一休みだ。貝の壺焼きパーティーだ。先ほどの貝の柔らかい部分を切り取って、醤油を垂らして食べたが、とても美味しかった。





  地下8階層は、死の街だった。地下3階層の蜥蜴の魔物がゾンビになったようなものだ。そのほかに、大きな背びれが3列付いたやや小ぶりの四足歩行の蜥蜴がいた。尻尾の先には、尖った槍のような棘が3本生えている。歩くと、お腹が地面にこすれ、気持ちの悪い汁がベタベタと付いて行く。2足歩行の大型蜥蜴は、大きく口を開けて叫び声をあげた後、僕達を向いた。不味い、口の中から瘴気が漏れている。


  ノエルが、蜥蜴の口の中でファイア・ボールを炸裂させる。下あご事吹き飛ばされた2足歩行の蜥蜴は、僕達の近くに近づこうとしたが、その前にシズちゃんの『竜のアギト』の餌食になっていた。地下8階の階層ボスは、身長2m位の大型ゴブリンのゾンビだった。但し、数が30体くらいいる。ボスエリアから出てはこないが、下の階層へ行く階段を埋め尽くしている。階段の途中で死なれても困るので、何とか誘いだすことにした。ここは、フランちゃんに任せた。フランちゃんは、『神の御業』を発動し、聖なる光をゾンビ・ゴブリンどもを照らし出した。見る見る、灰になって行くゾンビ・ゴブリンだった。ドロップ品は、ミスリル・ロングソードだった。嫌な気がしてきた。


  地下9階層は、魔法が支配する世界だった。レブナントの特異個体が、魔法の盾で横隊を作っている。その後方から瘴気を纏った矢が撃たれてくる。その後方からは、魔法攻撃だ。ファイヤ・ボールの真ん丸で赤く燃え盛っている火球が飛んできて、目の前で爆発している。




  レブナントは、リッチほどではないが、アンデッドの中では知能の高い方だ。しかし、こんなに組織だった攻撃をするのは特異過ぎる。絶対に生前は騎士団だったろうと思われる。


  レブナントの横隊部隊の前には瘴気のシールドが貼られている。とりあえず、フランちゃんの『神の御業』で瘴気を無効化する。次に、シェルの『ヘラクレイスの弓』で、遠距離攻撃だ。頭を打ちぬかれて胴体だけになってしまったレブナントもいた。瘴気のシールドが無効化された時点で、レブナントは、正面攻撃しか手段は残っていないのに、相変わらず遠距離攻撃を仕掛けて来る。ノエルとビラの聖なるシールドにより、レブナントのすべての攻撃を跳ね返している。後は、シェルとシズちゃんの弓攻撃だ。それぞれ聖魔石を嵌めている。




  地下9階層のボスは、リッチだったが、このリッチは少し変わっている。頭が2つあるのだ。という事は、魔法も同時に二つ発動するという事だ。なら、こちらでは、シェル、エーデル、クレスタ、ノエル、ビラの総合火力をお見舞いしてやる。5対2だ。結果は、火を見るよりも明らか。消し炭も残らなかった。リッチの得意個体のドロップ品は、またもミスリル・ロングソードだった。もう、このダンジョンは糞ダンジョン決定だ。





  地下10階、最下層は雑魚キャラは出現しない。ボスキャラのみだ。ボスキャラは、フレイム・マンだった。実態を持たないスピリットのような、ゴーストのような存在だが、高い経験と知識を有する魔物だ。物理攻撃は全く効かない。縦に切っても、横に切っても瞬間切れているが、直ぐに一体化する。矢は、当然、通り抜けてしまう。シェルの風魔法にクレスタの水魔法を加えて、暴風雨を再現する。フレイム・マンはまさに風前の灯。今にも消えそうになる。消えることは無いだろうと思っていたら、本当に消えてしまった。ドロップ品は、ようやく金属製のワンドだった。ミスリルでもない。何だ、この金属の色は?妙に赤っぽいし、小さく文様が彫られている。ヒヒイロカネのワンドだ。古のワンドだろうが、詳しい知識は、王立魔導士協会のマリンピア魔導士長に聞くことにした。




  これで、ダンジョン攻略終了だ。シェルがマッピングのために、もう一度歩いて戻りたいというので、歩いて戻ることにした。最終的に、エーデルは、金鉱石を3個、ルビー等の宝石を17個そして金剛石の原石を8個見つけていた。まあ、殆ど攻撃していなかったから、暇だったのですね。


  途中、7階層では、全員、水着になりビーチを楽しんだ。再度、巻貝のつぼ焼きも美味しくいただいた。地上に戻ってから、クレスタが土魔法で出入口を封印した。僕が魔封じの石板を設置して、シールドをかけた。これで、中からも外からも、この出入口を通ることはできなくなった。それから、僕とクレスタの二人で、フライト村までの舗装道路を作って行った。片側1車線の堅固な道路だ。両脇には、歩行者用の道路、歩道を段差を付けて作った。


  今日の戦闘は、これで終わりだ。

ついにダンジョンを攻略しましたが、このダンジョン、かなりハイレベルです。

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