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第195話 女の子を大量に採用します。

いや、はっきり言って女の子ではない人ばかりです。

(11月21日です。)

  次の日、エリーの故郷ラビット村に行った。前回、ラビット亭の店員を採用に来た時、身体を売る仕事をしたいと言う子が何人かいた様だ。


  手早く稼げるし、アレが好きなので、一石二鳥の仕事をしたいそうだ。年齢、病気そして容姿も問題なかったので、即採用となった。その子達の現在交際中の男性の事とか、借財関係を調査したら、皆、交際中の男性がいて、借金があるのも、男に貢いでいるのが原因だと分かった。


  最初、エリーさんが交際中の男どもと交渉していたが、手切れ金を寄越せとか、毎月仕送りをしろとふざけた事を言っていた。イチローさんが、前に出て、爪を立て牙をむき出したら、一編に大人しくなり、もう二度と会わないと言う念書を素直に書いてくれた。


  僕が、闇魔法で、契約の呪いを掛けたので、約束を違えると恐ろしい事になると脅しておいた。どんな恐ろしい事が起きるのか、僕も知らなかったので、それ以上余計なことは言わないようにしていた。


  3時間後、採用した3人をハッシュ村の娼館に送り届けると、僕達は、この日、領主館に泊まる事にした。エリーさんは、店が心配なので、ギルドに戻ると言って帰って行った。






  翌日、リオン市に行って、面接をすることになっていた。雇用条件が破格に良かったので、69名の応募者がいたが、エリーさんが、女の子のそばを歩いて、数人を除外した。理由は経産婦、つまり子供を産んだ経験がある子達だった。何故分かったのか謎だったが、女性特有の勘みたいなものらしい。


  次に、応募者の小指の点検した。先っちょが無いのは、馴染みの客とマブになって、小指を詰めて約束した事がある印だ。その子達も外す。結局、次の身体検査と病気検査で10名以上落として、最後の面接を行なったのは、32名だった。






  面接は、志望動機と借金関係、男関係を聞いて合否判定を出した。結局、現職7名と風俗関連の店員3名を採用することになってしまった。


  現職7名には、全員、店に借財があったので僕が清算したが、異様に多い女の子がいた。どうも計算が苦手で、良いようにカモられているみたいだった。17歳の兎人の女の子が大金貨15枚の借金なんてあり得ない。エリーさんでさえ、大金貨3枚だった。


  その子の店のオーナーは、醜く太った豚人だった。交渉は、エリーさんだったが、その様子を見ていた僕は、『威嚇』を思いっきりかけてやった。豚人のオーナーは、大量に漏らしながら、ほんとうのことを喋った。何も知らないことをいい事に、飯を食わせたり、服を買ってやって偽証文を書かせていたそうだ。本当の借金が幾らなのかは誰もわからないが、完全に詐欺だ。


  この豚野郎をどうしようか、怒りに任せて、感情をコントロールするのを忘れていたら、シェル以外の全員が漏らしていた。イチローさんも、我慢できなかったらしい。シェルに注意されて、ハッと気がついた。一旦、交渉は、中止となった。


  その後の交渉は、拍子抜けするほどスムーズだった。







  翌日、帝都のグレート・セントラル市で、ドエスさんが集めた応募者65名の面接をした。


  年齢と身体検査で35名が落ち、イチローさんとエリーさんが匂いを嗅いで、7名を落とした。中には、禁制品の薬物常用者もいたようだ。


  結局、残り23名を面接して9名を採用した。エルフが2人と和人が3人、残りは帝国の子だった。流石に、もう奴隷はいなかったが、借金の多い子は、オーナーに詳しく返済状況を確認しなければならないだろう。


  聞いてみると、ほぼ全員が、借金を完済していた。最近のオーナーは、正直な人が多いようだ。でも、皆、ズボンの前が濡れていたみたいだった。僕は、ほんの少しだけ、『威嚇』を使っただけなのに。


  面接は終わった。ドエスさんに、所定の手数料として、金貨1枚を支払った。ドエスさんは、僕に、ヘンデル皇帝陛下がお会いしたい旨、宰相から連絡があったので、なるべく早く拝謁されるようお願いされた。


  僕は、ドエスさん以外には、ここに居ることを誰にも伝えてないので、宰相の情報収集能力に驚くとともに、何の用かなと思った。


  また、皇帝の娘さんとの結婚依頼だったら嫌だなと思いながら、ドエスさんには、近い内に参内する旨申し伝えた。


  その日の内に、ハッシュ村に転移し、採用した女の子達を、村内のホテルに止めることにした、娼館2番館の落成は、12月10日の予定だ。それまでは、ホテル住まいとなる。


  落成までの間に、彼女達の制服と居室のベッド、タンス、机等を準備する。レストランの制服は過激だか、娼婦たちの制服は、オーソドックスなセーラー服やメイド服にしている。煽情的なのは、ベッドの中だけでいい。


  館内照明も通常のランタンで、赤やピンクの光は厳禁にしている。一見すると、何の店舗か分からないという雰囲気を維持しているのだ。そういえば、いまだ娼館の店舗名が決まっていなかった。僕が、


    『人間行動学研究所』


  にしようとしたら、メリーさんに大反対された。何の研究をするのか分からないが、お客さんが逃げてしまうとまで言われた。仕方が無いので、


    『休み処 メリー・ドール』


  にした。当然、1号店、2号店と店舗数に応じて、ナンバーが付いてくる。早速、青銅製の看板を発注した。娼婦達は、源氏名こそあるが、ドールと呼ばせることにした。


  お客さんが来ると、綺麗なカーテシを決めさせ、


  『お帰りなさいませ。ご主人様。私は、御命令によりお待ちしていましたドール●●です。ご主人様のお言い付けには、何でも従います。』


  と、口上を言わせる。そのためにも、メイド服やセーラー服のスカートは長めにしているのだ。


  女性達は、一旦、タイタン市に移動する。娼婦として、登録と検疫があるのだ。登録の際は、ギルドの能力測定機みたいなものを使う。


  年齢、性別、両親の種族、本人の種族それと病気の有無


  が分かるようになっている。それから、王国内ネットワークにつないで、犯罪情報を取り寄せた。今回の新人さん達が、その照会にヒットするなど、通常あり得ない筈だ。予想通り、犯罪手配は無かったが、採用したエルフ2人の年齢が、35歳と42歳なのは、びっくりした。エルフは、人間と寿命が違うし、見た目少女なので、そのまま採用をし続けた。


  新しい子も入ったし、エリーさんは、レストラン『ラビット亭2号店』の建設に着手した。今度の店は、1号店と違い、女性を目的にしたお客さんを相手に、過激な店にするそうだ。エリーさん、その店は何の店ですか?







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  翌日、皆にヘンデル帝国に行くと言ったら、ビラも一緒に行くと言ってきた。ナレッジ村に行ってみたいと言うのだ。


  ヘンデル帝国帝都グレート・セントラル市に行く前に、寄ってみる事にした。王立魔法学院大学は、暫く休む事にしたそうだ。もう必要単位は取っているみたいなので、問題はないとのことだ。


  旅の準備を整えて、ビラと2人で、ナレッジ村まで空間転移した。ビラは、なぜか王立魔法学院の制服を着ている。


  ナレッジ村は、廃墟だった。瓦礫の間から雑草が繁っており、今は全てが枯れる季節なので、一層寂寥感があった。


  ビラは、自宅があった場所の前に行き、持ってきた花を捧げた。


  ビラに、家を元に戻してあげようかと言ったが、このままで良いと断られた。


  ビラの目には、大きな涙が浮かんでいた。僕が、そっと肩を抱くと、大きな声で泣き始めた。何も言えずに、肩を抱き続ける僕だった。


  その日は、イースト・セント市のホテルに泊まる事にした。その前に、帝立魔法学院高等部の校長先生に挨拶をしに行く。もちろん、お土産はタイタンの月だ。


  校長先生は、最初2人を見ても誰か分からなかったようだ。しかし、ビラをじっと見て、ようやく思い出したようだった。


  ビラが、王立魔法学院大学に行っていると聞いて、涙ぐみながら喜んでくれた。校長先生は、ビラに魔法実習の指導をお願いしてきた。


  実は、優秀な魔道士は全員、帝都に召集されているそうだ。この学院も、高等部の先生のうち、実習担当の先生が召集されていなくなっているらしい。


  ビラは、僕を見た。僕は、黙って頷いてた。ビラは、校長先生の要請を受ける事にした。


  昼食は、学院の給食を食べたが、それなりに美味しかった。午後、中庭の演習場に行ってみる。ここは、ビラがコマちゃん、人間界ではデビルライオンを召喚した場所だ。


  生徒が集まっていた。校長先生が、ビラを紹介した。ビラの同級生は、今年卒業してしまって誰もいなかったようだ。


  ビラは、ワンドを上空に向けて、詠唱を始めた。


  『天空を支配し、地上に降臨せし雷撃の神よ。その古からの大いなる力により、森羅万象を燃やし尽くせし雷神よ。天空を焦がし地上を焼き尽くす超絶せし力を示せ。』


  詠唱をしながら、ワンドを地面に向けて大きく回している。直径30mの紫色の魔法陣が光り始めていた。僕は、そっと生徒たちにシールドを張っていた。


  『我が名はビラサンカ。雷撃の神に我が名を持って命じる。顕現せよ。サンダーストーム・テンペスト』


    ガラガラガラガラ、ズガガガガドゴーーーーン!


  魔法陣から上空に向かって、雷撃が駆け上る。四方八方に稲妻を放ちながら、さながら大きな柱が、闇雲に曲がりながら上に伸びているようだ。上空、数千mも駆け上って行った様だ。11月末だというのに、青空が広がっている。雲が、蒸発したのだ。地上を走った雷撃は、直ぐに消えたので、僕のシールドはいらなかった。周囲に、オゾンの匂いが立ち込める。


  『S』級レベル8の極大魔法だ。このレベルの魔法は、魔道騎士団にいても、通常は一生見ることはないはずだ。女子生徒たちは座り込んでいた。男子生徒の多くは、ズボンが濡れていた。授業は、一旦休憩になった。30分後、生徒達は運動服に着替えていた。これからの授業は、土魔法の実演だ。僕が、次々とゴーレム人形を作っていく。最後には、一編に5体を作ってて見せた。


  それだけで、生徒たちは驚いていた。僕の『錬成』スキルを使っていることは黙っていた。30センチのゴーレムを30体程作って、生徒達に魔力を流させた。


  演習場は、騒然となった。我がちに魔力を流し込んで動かそうとするが、30分は動く程度の小さな魔石をセットしたので、魔力ゼロになるまで、他の魔力は受け付けないのだ。従って、早い者勝ち状態で、行列が出来てしまった。向こうの方では、ゴーレム人形に駆けっこをさせて遊んでいた。


  僕は、校長先生に、このゴーレム人形を全てプレゼントして、学院を後にした。

戦闘は未々だと思っていたら、足跡が聞こえてきます。

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