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第187話 シェルが19歳になっちゃった。

タイタン市の運営も軌道に乗ってきました。シェルが19歳、もう大人です。見た目以外は。

(4月23日です。)

  シェルは、最近、身体の変化に気が付いてきた。少し、胸が膨らんできたような気がするのだ。とてもクレスタさんやエーデルのようにはならないが、明らかに、今までの少年ような胸ではなく、女の子の胸になっている。気のせいじゃない。筈だ。まだ、持っている見栄用のブラジャーには詰め物をしなければいけないが、キチンとサイズのあったブラジャーを買いに行こうと思っている。


  スカートも腰回りがきつくなってきている。プリーツだから気にならないが、お尻が大きくなってきたのかも知れない。きっと、もうすぐ、女の子から女性に変化するのだろう。でも、婆やから、ハイエルフの成人は30歳位と言われたが、このままでは20歳位で成人してしまうかも知れない。


  自分勝手に思い込んでいるシェルだったが、これからの成長が極端に遅いことを知らないのは、仕方が無い事だった。他人から見れば10歳程度の女の子とたいして変わらない胸と腰回りなのだが、そのことを教えてくれる者は周りにはいなかった。


  今日は、朝からおかしな1日だった。朝、ジェリーちゃんが既に学校に行く準備を終えていた。早く学校に行って、クラブの朝練に行かなければならないと言っていた。そう言えば、魔法クラブに入ったと言っていた。


  ジェリーちゃん、火魔法と風魔法の属性を持っているそうだ。小学校の時は、魔法の授業はなかったが、中学では、初級魔法講座と剣術1と言う授業が組み込まれている。高校に入ると、それぞれの専科課程があるが、そのための準備のようなものだ。それで、ジェリーちゃんは、自分には父親の血を引いて、魔法力が優れているかも知れないと思い、クラブでも魔法の練習をしている。


  ジルちゃんは、朝練が無いので、ゆっくりしているのだ。あ、ジルちゃんも、中学2年になる時にタイタン大学付属中学に転入してきた。転入試験ではトップの成績だったそうだ。2年の転入生は、僅か18人だった。今まで、エクレア市の中学に通っていた子達が殆どだ。


  エーデルは、相変わらずボーッとしているが、食事をしている。昨日、余りにも自堕落な生活態度をジェーンさんに注意されたので、いつもより早く起きたのだった。


  エーデルの担当業務は、ギルドの運営責任者だが、ギルドに行ったり行かなかったりで、屋敷の中をブラブラしていることが多い。きっと、ギルドに行っても面白いことが無いのが原因だろう。


  たまに、僕と共に北の谷川に行って、石拾いをしているが、僕が忙しいのか、最近は連れて行ってくれないのも面白くないらしい。でも、今日は、何故かギルドに行くと言って、自分から起きたらしい。怪しい。今日は、何故か完全装備でギルドに出かけて行った。一体、ギルドで何をするつもりなのだろうか。


  クレスタは、いつもの通りに起きて来て、食事を終えてから、新しいお菓子を作っている。パン生地を丸く焼いて、小豆を甘く煮たのを挟んで作るお菓子だ。お皿に上下逆にして挟んだような形だ。お菓子を作っているか、『クレスタの想い出』で商売をしている。何故か、生き生きとしている。


  ノエルとビラは、王都で大学だ。よくよく考えると、何もしていないのは、自分だけかも知れない。シェルは、自分の担当は何かを考えてみるが、はっきりしたことは分からなかった。家事全般、業務全般を見ているが、具体的に何かをしているわけではない。


  僕君は、最近、よく夢を見ているようだ。また、危険な事をしたり、突然いなくなってしまうのか心配だ。今日は、王都でグレーテル国王陛下に謁見しに行くと言っていた。うん、私もついて行くことにしよう。僕君だけでは、心配だからね。あ、今日は、私の誕生日だし、王都で何か買って貰おう。


  いつものシェルに戻ってしまったのに、気付かないのだった。


  僕は、最近、タイタン領の西が気になってしょうがない。タイタン領が、グレーテル王国の辺境であるが、その西側には深い森に阻まれた大きな谷と山があるだけで、その向こうに行ったものはいない。北の大雪山脈の向こうには、ザイランド王国がある。では、西側には何があるのだろう。とりあえず、西の山の向こうに行ってみることにした。その許可を得るために、国王陛下に謁見するのだ。


  朝食後、出かける準備をしていると、シェルも一緒に行くと言った。特に反対する理由もない。ちょうど、誕生日プレゼントも買わなければならないので都合が良かった。


  王都の屋敷のゲート部屋に転移した。久しぶりだ。屋敷の運営はセバスさんに任せっきりだったが、定期的に報告を聞いている。最近、衛士を雇ったそうだ。以前に勤務していた衛士と、若い新人を数名雇っている。イチローさん達は、タイタン領で、ギルドの応援や娼館の用心棒、旅館の手伝い兼用心棒をしているので、王都にはほとんど来れない状態になってしまったからだ。


  新衛士隊は、9名だそうだ。毎日2人ずつ4交代で勤務している。1人は、衛士隊長で、夜の勤務には就かないという事だった。彼らの給与等も増えたので、手許金が足りなくないかと聞いたら、未だ十分に余っているので大丈夫だそうだ。


  シェルと二人で、王城に向かう。事前にジェンキン宰相にアポを入れていたので、スムーズに王城に入ることが出来た。国王陛下の前で、臣下の礼を取る。シェルも最敬礼のカーテシを綺麗に決めていた。でも、余りスカートの裾を上げるとパンツが見えるような気がするのは、僕だけではないようで、国王陛下も目をしっかり見開いて、一点を見つめている。女王陛下が、少し怒っている。


  要件を言う前に、『クレスタの思い出』で扱っているお菓子をお土産に献上した。気に入ったものがあったら、いつでも持参するので、屋敷のセバスに連絡していただけるようお願いした。


  次に用件に入った。国王陛下に西の開発をお願いしたら、直ぐに勅許をくれたが、もし異国が在ったら、接触する前に必ず報告に戻るように言われた。国王陛下としては、外交問題に発展する前に、対策を講じたいのだろう。


  王城を出てから、まず冒険者ギルドに行く。久しぶりに、フレデリック殿下に会って、西の山の向こうに行ってみることにしたと報告した。お土産は、『タイタンの月』にした。この前、お土産に渡した『デル・モンドの月』によく似ていると言われた。似ているどころか、コピーしたのですから。


  能力測定をしてみた。まず僕からだ。測定機にカードをかざした。


*************************************

【ユニーク情報】

名前:僕 (ゴーレシア・ロード・オブ・タイタン)

種族:古の伝承による全てを統べる種族

生年月日:王国歴2005年9月3日(18歳)

性別:男

父の種族:魔族

母の種族:妖精シルフ族

職業:全能の王にして世界を救う者、冒険者:ランクSSS

******************************************

【能力情報】

レベル      60(  35UP )

体力    12000(5000UP )

魔力    17000(4000UP)

スキル   13000(4000UP)

攻撃力   15000(5000UP)

防御力   15000(2000UP)

俊敏性   12000(2100UP)

魔法適性   すべて

固有スキル

【威嚇】【念話】【持久】【跳躍】【瞬動】

【探知】【遠見】【暗視】【嗅覚】

【聴覚】【熱感知】

【雷撃】【火炎】【氷結】【錬成】

【召喚】【治癒】【復元】【飛翔】

【念動】【転移】【水棲】【重力】

【??】【??】【??】【??】

習得魔術 すべて

習得武技 【斬撃】【絶通】【絶断】【爆裂】

******************************************


  え、この1年半の間の戦闘で、こんなにレベルが上がったのか、信じられなかった。そういえば、前にスキルで『飛翔』があったが、使った事は無かった。もしかすると、ワイちゃんに頼らずに山越えが出来るかも知れない。武技も『斬撃』以外、あまり使ったことは無かった。でも『爆裂』という武技、怖いような気がした。



  次にシェルの能力測定をしてみた。


******************************************

【ユニーク情報】

名前:シェルナブール・アスコット・タイタン

種族:ハイ・エルフ

生年月日:王国歴2005年4月23日(19歳)

性別:女

父の種族:エルフ族

母の種族:ハイ・エルフ族

職業:王族 冒険者A

******************************************

【能力】

レベル    53(  2UP)

体力    550(150UP)

魔力    320( 40UP)

スキル   350( 10UP)

攻撃力   500( 90UP)

防御力   300( 80UP)

俊敏性   360( 40UP)

魔法適性    風

固有スキル

【治癒】【能力強化】【遠距離射撃】【誘導射撃】

習得魔術  ウインド・カッター 

習得武技  【連射】【威射】

*******************************************


  あまり上がっていない。まあ、余り冒険にもいかないで、事務的な事ばかりしていたから、こんなものかも知れない。でも、常人から比較したら、信じられない位の高レベルだ。ランク『A』も伊達ではない。


  シェルと二人で、王都をデートする。腕を組んで歩いているが、気配を消しているので、周囲からジロジロみられることは無かった。そういえば、『気配』というスキルが無いのに、気配を消せるのは、何故だろう。相手の気配を感じる『探知』スキルがあるが、その応用なのかも知れない。スキルは、奥が深い。


  歩きながら、シェルを浮かせて遊んでいる。『念動』スキルで、シェルを浮かせるイメージをするだけで浮いてしまうのだ。逆に『飛翔』スキルで、自分を浮かせることも出来るのだ。このスキルは随分前に使えたはずだったが、忘れていただけだった。


  ティファサンで、シェルの誕生日プレゼントを買う。緑色のエメラルドの指輪だ。かなり大きいが、店長が安くしてくれた。この前の強盗事件解決のお礼だそうだ。本当なら金貨8枚のところ、金貨4枚にしてくれた。宝石の値段ってどうなんだろう。


  誕生日ケーキも、特大サイズを3個買った。2個は、王都屋敷と領主館の使用人達の分だ。その日のパーティは、皆、揃って楽しく過ごすことが出来た。その時、暫くこのような事が出来なくなるとは、誰も思っていなかった。


今回も戦闘シーンはありませんでした。200話達成まで、あと少し、頑張ります。

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