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第167話 北の大地のその向こう

ザイランド女王陛下にも困ったものです。

(7月27日の夜です。)

  僕は、北の沼地の妖怪を退治したことをマロー宰相閣下に報告したら、是非、女王陛下にも報告して貰いたいと言われた。4万の王国軍派遣をしないで済んだのだ。一体、どれくらい国費の節約になったか分からない。これは、かなりの恩賞が貰えるかも知れないと期待している僕達であった。


  マロー宰相と共に、ザイランド女王陛下に拝謁しようとしたら、後宮にいるので、来て貰いたいとの事だった。マロー宰相は、後宮に入る訳にはいかない。女性のみ入ることが許されているのだ。しかし、僕は特別扱いだった。また、あの薄ピンクの部屋に案内されるのだろうと思ったら、討伐で疲れているだろうから風呂に入ってから拝謁願いたいと女官から言われた。


  この前の時と違って、女官は皆、ミニスカメイド服だった。シェルさんは、丁寧にお断りしたが、それでは私達が叱られますと言って、風呂に案内された。風呂は、男湯と女湯に別れていた。当然、二人は別々に入った。少し嫌な予感がした。僕が、男湯の脱衣所に入ると、若いメイド4名が待機していて、服を脱ぐのを手伝ってくれた。パンツを脱いだ時、一人のメイドさんが遠慮なしに僕の股間を見つめていた。僕は顔を真っ赤にしながら、風呂に入ると、そのメイドさん達が入ってきて、背中を流してくれると言ってきた。僕は、断ろうとしたが、許してくれない。というか、うまく断れなかったのだ。


  一人の大柄なメイドさんが、僕の背中をこすり続けていた。


  ※これから先は、18歳禁止の表現が含まれるので省略します。


  突然、脱衣所のドアが開き、シェルさんが素っ裸で飛び込んできた。


  「女王陛下、私のゴロタ君に何をするつもりですか?」


  後ろの大きなメイドさんは、女王陛下だった。女王陛下は、手を挙げて、他のメイドさん達を引っ込め、諦めた顔で言った。


  「いや、北の妖怪の討伐のお礼をしようと思って。妾の処女を上げるつもりだったのじゃが。」


  と、恐ろしい事を言っていた。僕は、顔を真っ赤にして、下を向いてしまった。実際には、僕の能力では、処女を頂くことは不可能だったのだが、女王陛下はその事を知らない。結局、北の妖怪討伐の恩賞は、金塊20キロだった。大金貨に換算すると、10枚分だ。女王陛下にお別れをしたら、急に女王陛下が近寄って来て、僕に熱いキスをしてきた。不敬とは思ったが、シェルが引きはがしていた。僕とシェルそして、ゲンさんの3人で屋敷に戻った。ゲンさんの居場所を決めなければいけない。ゲンさんは、アオちゃんを見て、あの場所が良いと言って、自分で、暖炉の上に鎮座してしまった。まあ、亀だから、座布団は要らないかも知れないが、紫色の座布団をもう一つ追加しておいた。








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  娼館のオープンの日、女性陣で女子学生以外の全員が、ハッシュ村に来ていた。ノエル、ビラ、シズ、フランの4人は、今、夏休み中だったが、娼館に連れて行くわけにも行かないので、お留守番だ。


  シェルは、エリーさんと共に、娼婦の服装チェックと部屋の備品チェックをしていた。今日からお客さんが来るのだ。気持ちよく過ごしていただくための最低限の品物は用意していなければならない。特に、紅茶の葉は、最高級品を準備している。


  娼婦たちも、客を呼ぶのを待ち遠しくしている。あの処女の娼婦は、サブローさんにお願いして、女にして貰ったそうだ。本当は、お客さんから高いお金を取っても良かっただが、この店のポリシーに合わないので、その娼婦が選んだ男に処女を与えることにしたのだ。サブローさんは、猫人だが、身長も高くイケメンだったので、選んだのだろう。サクラさん達には勿論内緒にしていた。


  初日は、大盛況だった。初日のお客様は、限定3名としていたので、整理券を配布して後のお客さんには帰って貰った。聞けば、この日のために、隣領のエクレア市から来た者もいたそうだ。この日は、泊り当番も無しにしておいた。夜11時から、オープニングパーティをするのだ。だから、午後10時までには、全てのお客さんに帰って貰う事になっていた。エリーさんが、明日、午後2時以降に来て貰うようにお願いしていた。


  パーティは、1階の食堂で行ったが、もう女の園だった。当り前である。新しくドエス商会から引き抜いたマネージャーも27歳と現役でもおかしくない年齢の美人さんだったし、掃除のおばさん達も、兎人だったが、まだまだ若い女性で通る位の美貌だった。本当の年齢を聞くのは、怖いのでやめておいたけど。


  僕は、皆のために、串焼き肉を作り続けていたが、酒に酔ったお姉さんたちが、チラチラと僕の方を見ている。これに気が付いたシェルさんとクレスタさんが、周りをガードするが、ビビさんとエリーさん、メリーさんの3人がかりで、僕から引き離されていった。残された僕は、お姉さん達のエッチ攻撃に耐えていた。彼女達は、いつの間にかパンツを脱いでいたし、メイド服の上から二つ目位までのボタンも外していた。


  後で聞いたのだが、誰が一番早く僕をものにするか競争をしているそうだ。その競争には、ビビさんとエリーさん、メリーさんも入っている。ああ、この人達って、僕の気持ちと体を誰も考えてくれてないようです。


  さすがに、バーベキューコンロを挟んだ前からは手を出さないが、後ろから僕の股間を触ったり、首筋にキスをしてきたりと料理どころではなかった。


  諦めた僕は、料理を中断して、生焼けの串は、とりあえずお皿に移し、瞬動で、食堂の外へ移動し、そのまま、王都の屋敷に帰ってしまった。ハッシュ村にいては、どこにいても貞操の危機を感じたからだ。もう、絶対、娼館にはいかないと決めた僕だった。屋敷では、僕が思いがけなく早く帰ってきたので、ノエル達が大喜びだった。









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  8月の中旬、僕は、ハッシュ村の別荘建築現場で工事の進捗状況を見ている。というか、ぼんやり森の空気を満喫しているだけなのだが。従業員用の宿舎と厩舎は、もうとっくに出来上がっている。だが、別荘の方は、最高の素材で手の込んだ細工をしているみたいで、なかなか出来上がらない。北の寒い地方で育つ硬く太い樹を削って柱にして、その柱を中心に全体をくみ上げて行く。その柱が、全部で、60本程使われているので、少しくらいの地震ならびくともしないし、虫よけの脂分も含んでいる樹なので、300年は持つとバンブーさんが言っていた。この家が出来て、皆でゆっくりと過ごすことが出来ればいいなと考えている僕だった。


  そんな時、目の前にブラックさんが現れた。勿論、何も着ていない。建築の大工さん達は、皆、別荘の内装を細工しているので、外には誰もいない。僕は、慌てて、ブラックさんの服を出してあげた。パンツは、出さなかったが、ロングドレスだから大丈夫だろう。服を来たブラックさんは、僕のそばに来て、手を引いた。一緒に来いと言う。どこに、何をしに行くのか分からなかったが、行かなければいけない気がした。僕は、飲みかけの紅茶をそのままにして、ブラックさんと一緒に旅立ってしまった。




  ハッシュ村で、僕の帰りを待っていたシェルは、胸騒ぎがして

たまらなかった。何か、嫌な気持ちだ。理由は分からない。でも、ゴロタ君に会わなければという気がしてならない。夕方になっても、ゴロタ君は帰って来なかった。シェルはゴロタがいなければ、王都の屋敷にも帰れない。仕方がないので、今日は、ハッシュ村の旅館に泊まって、明日、森の工事現場に行ってみようと思う。あそこには、バンブーさんの事務所に繋がっているゲートがあるから、とりあえず王都には帰れるはず。でも、ゴロタ君はどこに行ってしまったのだろう。知らない間に涙が流れていたシェルだった。


  翌日、別荘の建築現場に行ったシェルは、現場監督から、ゴロタ君のいなくなった経緯を聞いていた。現場から少し離れた森のそばで、まったりとお昼のお茶を飲んでいたはずなのに、皆が現場の屋敷内から外に出て来たときには、ゴロタ君は居なくなっていて、まだ温かいお茶が残されていたそうだ。何かあったことは、分かったが、シェルには何もできなかった。森の中を探そうと思ったが、ゴロタ君が森の魔物にやられる訳もないので、森の中にはいないだろうと思った。北の大地に飛んで行ったのだろうか。でも、シェルに内緒で行くはずがない。シェルは、何となく、黒龍の長老、ブラックさんの秘密めいた顔を思い出していた。何も理由などない。でも、今ゴロタ君は、ブラックさんと一緒のような気がしてならなかった。




  クレスタは、ハッシュ村の冒険者ギルドに居た。昨日、シェルからゴロタ君の行方を聞かれた時、あ、その時が来たのかなと思った。ゴロタ君は、普通の人間ではない。運命に定められた道を行く人だと思う。それは、死する定めのクレスタ達には、決して一緒に歩いてはいけない道。本当は、ゴロタ君がちゃんと成人して、クレスタ達に大人の男としての行為をしてからにして欲しかったのに。今更、敵わない夢だったのかと諦めてしまう。ああ、もうこのまま処女で終わってしまうのかなと、すこし寂しい気持ちのクレスタだった。ハッシュ村の事は、白薔薇会に任せて、王都グレーテル市の屋敷に帰ることにした。シェルも一緒だ。エーデル姫は、夏は暑いからと屋敷にこもりっきりだったし、学生4人組も、当然、王都にいた。


  夜、7人で話し合った。ゴロタ君がいなくなったと言ったら、エーデル姫がベソをかき始めた。子供のように泣いている。一緒にフランちゃんも泣いている。ノエルやビラそれにシズちゃんは、目に涙を浮かべながらも覚悟していたみたいだった。当面、ゴロタ君が帰って来るまで、自分達の事をしっかりしよう。シェルとクレスタはハッシュ村の運営と別荘の建築、ノエル達は学業だ。エーデルは、まあ、自分の判断に任せておこう。必ずゴロタ君は帰ってくる。それまで待とうという事になった。


  その時、ゲンさんがお爺さんの姿になって現れた。


  「フォフォフォフォ。皆、心配することは無い。ゴロタは、使命を果たすための力を得るために旅に出たのじゃ。場所は、儂も知らぬ。じゃが、青龍が、ここに、こうしておるという事は、まだ戦いは始まらぬという事じゃ。安心せい。」


  皆は、ゲンさんの言葉を虚ろな気持ちで聞いていた。

ゴロタは、一体どこへ行ってしまったのでしょうか。いよいよ、この物語の謎に迫って行きます。しばらくは、エッチなシーンは無いかもしれません。

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