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第150話 エーデル姫と結婚しました。

いよいよエーデル姫と結婚します。エーデル姫も、18歳だから完全に成人ですが、精神年齢は14歳程度いわゆる厨二世代ですかね。

(4月1日です。)

  今日は、エーデル姫との結婚式だ。


  午後2時にグレーテル市の中心にあるアリエス教会大聖堂でにおいて、大司教様の前で結婚の誓いをする。僕は、銀色の貴族服に、勲章を3つそれと今日、叙爵された公爵の爵位章を肩から斜めに掛けている。


  エーデル姫は、まだ入場していない。バージンロード右側には、僕の関係者が並んでいる。シェル、クレスタ、ノエル、ビラ、フランシスカさん、そしてシズさん。その後ろには、クルリさん達とイチローさん達それにハッシュ村の村長さんとシスターだ。村長さん達は昨日、連れてきていた。


  左側には、皇后陛下、フレデリック殿下、ファーブル皇太子殿下と姉君のガーベラ王女殿下。後は、近隣の貴族閣下とジェンキン宰相ら内閣及び国軍関係者だ。ジェリーちゃんも参列している。後ろの方には、ギルド関係者もいたようだが、大きな礼拝堂が人で一杯だった。


    ♪ジャン・ジャガ・ジャーン


  で始まる曲と共に、エーデル姫が、国王陛下に腕を取られて入場してくる。真っ白な絹のロングドレスだ。スカートの後ろの丈が3m位あって、小さな女の子4人で裾を持ち上げている。手には大きな花束を持ち、頭には大きなダイヤのティアラを着けている。


  絹のレースを頭に被っているが、後ろは、床に着きそうだ。ドレスには至るところに、ダイヤが飾られているが、目を引くのは首から下げている胸飾りだ。細長いダイヤを並べて半円にし、それを3列にして首から胸に掛けている。


  バージンロードを一歩また一歩と歩き、僕の前で立ち止まって、国王陛下がエーデル姫を僕に引き継ぐ。僕が右、エーデル姫が左に立って、大司教様と正対する。


  「ゴーレシア・ロード・オブ・タイタンよ、あなたはエーデルワイス・フォンドボー・グレーテルを妻とし、精霊の導きによって夫婦になろうとしています。汝、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを精霊アリエス様に誓ういますか?」


  「はい。」


  次は、エーデル姫に対しても同じ質問だ。文字数が長くなるので、省略するが、兎に角、誓いの言葉は終わった。続いて指輪交換だ。今回の指輪は、当然、シェルやクレスタにあげたものと同じだ。僕のは、シェルと結婚した時のものを使い回ししている。


  続いて、新郎からのキスだが、そういえば僕からキスをしたことが無かった。舌を入れてはいけないかと思い、軽く唇を合わせるだけにしたら、エーデル姫の方から抱きついて来て、舌を入れて来ようとする。それも、いつまでも止めないのだ。大司教様が咳払いをしても止めない。怒ったシェルが、壇上に上がってきて、エーデル姫を引き剥がした。エーデル姫、涎が糸を引いているのですが。僕が、自分の唇を袖で拭いたら、真っ赤な口紅が袖についてしまった。


  大司教様様が、結婚宣言をして、式は終わりだ。大聖堂の3階バルコニーに国王陛下ら王族と共に上がる。眼下には、大聖堂前広場を埋め尽くす国民達が見えた。僕は、下を向きたかったが、シェルに『絶対に下を向いてはダメ。国民一人一人と目線を合わせて、微笑みながら右手を軽く振ること。』と、きつく言われていたので、その通りにした。泣きたくなったが、我慢した。もう17歳だから。


  「国王陛下、万歳。エーデルワイス姫、万歳。ロリコン王子、万歳。」


  最後に、変な声がしたが、完無視した。衛士隊が、整理をして、場所を開けてから、市内パレードのための白馬のオープン馬車に乗る。エーデル姫は、普通の白のシルクドレスだ。ティアラは着けているが、胸飾りは、外している。あの胸飾り、時価で大金貨500枚以上するらしい。


  パレードをするのは、二人だけだったが、お付きの騎馬隊が300騎で、3列縦隊で並足で歩く。変な歩き方だなと思ってよく見ていたら、馬の脚の出し方がおかしい。パッサージュという歩き方だそうだ。蹄の音が大きく響いてくる。観衆は、二人を初めて見て、どうして女の子が二人乗っているのか不思議がっていた。それで、あの背の小さい美少女が新郎だという事が分かると、皆、深いため息を付くのだった。まあ、残念姫の事だから、勘弁してください。決して僕のせいではなかった。と思う。


  パレードが終わると、王城内にて晩餐会まで待機となる。村長さんやイチローさん達は、王城内に入るのは初めてなので、係の人の案内で見学だそうだ。ノエル達も一緒だ。僕は、エーデル姫のピンクの部屋で、二人っきりだ。シェルさん達は、招待客控え室だ。


  エーデル姫が、自分の事を『エーデル』と呼んでくれと言った。


    「エーデル」


    「なあに、あなた。」


    「エーデル」


    「なあに、あなた。」

 

    「エーデル」


    「なあに、あなた。」


  どうやら、結婚するまで、『あなた』と呼ぶのを、我慢していたらしい。我慢の出来ないエーデルにとっては、珍しいことだった。


  晩餐会が始まった。とても豪華と言う訳でもないが、吟味された食材を手間をかけて作っているのが分かる、晩餐会らしい食事だった。ワインも極上の物が出されたが、僕には、ワインの良さなど分からなかった。シェルが飲み過ぎなければいいんだけど。


  宴もたけなわの頃、余興になった。ジェリーちゃんのお歌、なかなか上手だった。綺麗な声だ。イチローさん達の曲技は、なんてことは無い技だったのだが、大好評だった。


  僕が、剣技を見せることになった。帯刀していた『ベルの剣』を抜き、少し光らせてから、ゆっくりと形をやって見せた。光の残像が綺麗な模様の様に見え、みな感嘆の声を上げていた。次に、『ベルの剣』を納め、『紅き剣』を出現させた。会場内が静まり返った。『紅き剣』を大剣の大きさにして、ゆっくりと、力が飛び出ないように本当にゆっくりと、『明鏡止水流大剣七つの形』をやって見せた。感性の強い者は、恐怖のあまり、つい漏らしてしまったみたいだった。これ以上やると、会場内が大変なことになるので、剣を納めて席に戻った。


  会場がシーンとしている。国王陛下が一人で拍手を始めた。段々、拍手の数が増え、最後は万雷の拍手となった。ヒソヒソ話が聞こえた。


  『伝説の紅き剣』

  『世界を統べる者の剣』

  『帝王たる者の証の剣』

  『殲滅の死神』

  『恐怖のロリコン大魔王』


  最後の声、絶対違いますから。


  その日の夜は、王城内のエーデルの部屋に泊まることになった。お風呂付の部屋だったので、一緒にお風呂に入った。それからのことは、あまり良く覚えていない。とにかく眠たかったことは確かだった。


  次の日、ハッシュ村の村長達を送って行くことにした。エーデルも一緒だ。村長と、村の統治について話し合った。現在、エクレア辺境伯には、毎年、収穫の20%を年貢として納めている。これは、他の村も同様らしい。隣町の代官が徴収に来るらしいが、代官の取り分を他に10%要求されているので、実質30%の年貢だ。そのほかに、村の若い者は、3年間の兵役があり、また特産品等を領都で売る場合には、10%の交易税がかかるそうだ。村の生活は、決して楽ではないらしい。今度、辺境3村の村長を集めて貰いたいとお願いした。辺境3村とは、北からハッシュ村、ドビー村それにフライス村だ。村長は、4月10日にドビー村に3村長を集めることにした。


  それから僕は村の人達に、魔人王国で買った『白い愛人たち』を配って歩いた。結婚と領主就任の挨拶だ。これからドビー村やフライス村にも同じものが必要だろう。明日、エーデルと一緒にモンド王国に買いに行こう。


  エーデルが、北の森に入ってみたいと言ったので、2人で入って行った。エーデルが僕の腕に胸を押し付けながら歩いている。森の先の広場に出た。小鳥の声と谷川のせせらぎしか聞こえない。エーデルがキスを求めて来た。それからは2人の時間だった。


  4月10日までは、エーデルと二人、僕の小屋で過ごすことにした。別荘の建築工事もお休みだ。まあ、ゲートを閉めてしまったので、誰も来れないが。食事は、王都やエクレア市の屋台やデリカで買い物をしたものだ。朝、起きるとエーデルがエプロンをしてお茶を入れる。お茶を飲むときは、隣に座る。食事も、ベッドの上で取ることが多い。外に出るのは、散歩と買い物に行く時位だ。そういえば、クレスタの時もそうだった気がする。女性は、裸が好きなんだろうかと考える僕だった。


  4月10日、エーデルと一緒にドビー村に行く。3村の村長と主だった者がそろっていた。まず、山のような『白い愛人たち』を皆に配っ¥ておく。フライス村には、荷物になるが、荷馬車を借りて持って行ってくれるように頼んだ。


  今日集まって貰ったのは、別にお菓子を配るためではなかった。これからの領地の運営に関してだ。現状、困っていることは、北の森と南の山脈から魔物が現れることらしい。魔物と言ってもレッサーウルフやオーク程度だそうだ。大きな風水害が無かったので、村の生活は順調らしい。村に常駐の衛士達は、王国の衛士だが、給料は領主が支払っている。住居と食事は村で面倒をみるが、給料までは払えないらしい。村長や村役人の給料は、現在は、村の互助費から賄っているとのことだった。


  僕は、自分の考えを皆に伝えた。


  1、今年の年貢及び税金は免除する。


  2、衛士には1人当たり、年金貨2枚を支給する。


  3、村長、村役人の経費として年金貨5枚を支給する。来年からは、その経費を年貢から差し引く。


  4、今年の末、北の森に別荘が出来るので、何か困ったことがあれば別荘まで相談に来ること。魔物20匹程度なら、即対応可能である。


  5、来年度以降になるが、各村に小学校を建設する。ドビー村には中学校も建設予定である。


  6、以後、領地はタイタン公爵領と呼称する。


  以上を宣言すると、村長達は、大泣きを始めた。今まで、きっと年貢と税金がきつかったのであろう。うーん、別荘の建築を早めようと考えた僕だった。当然、エーデル姫は、ニコニコ聞いているだけで、口をはさんでは来なかった。何を考えているか、頭の中が丸わかりだった。 

エーデル姫、残念姫そして淫乱姫。もう幾らでも愛称が出てきます。でも、美少女だから許します。

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