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紅き剣と蒼き盾の物語(コミュ障魔王と残念エルフの救世サーガ)  作者: 困ったちゃん
第15章 グレーテル市内に一戸建てを買いました
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第143話 新居で新年を迎えます。

新居シリーズ第3弾です。もうそろそろ、新居シリーズは終わりますが、戦いがありません。確か、冒険小説という設定だったのですが。(汗)

(12月31日です。)

  新居での生活は、順調だった。外の警備は、イチローさん達が3交代で当たってくれている。中の警備は、サクラさん達が、交代で1階応接間に詰めている。玄関に一番近い部屋が待機部屋だ。サクラさんが、夜、待機部屋に遊びに来ても良いと言ったが、怖いので絶対に行かない。


  女性陣は、何時もの様に交代で僕と一緒に寝る事になったが、フランシスカさんとシズさんは、まだ未成年だったので、キスだけにしている。二人ともお風呂は、身体を隠して入ってきて、背中だけを洗って出て行った。まだ、恥ずかしいのだろう。それでも、寝る時は、部屋の明かりを全て消しているので、見えないと思ってる様だ。しかし、僕の『暗視』スキルにより、何をしているか丸見えだった。


  フランシスカさんは、とても薄かった。胸は、12~3歳位の膨らみだ。それでもシェルよりは膨らんでいるのだろうが、以前のノエルを思い出す。シズさんは、大事な所に何も生えてなかった。これでシェル、ビラを入れて3人目だ。胸も、シェルより、少し膨らんでる程度だ。これってエルフ族の特性かも知れない。


  シズさん、片足を、僕の足に絡ませながら、僕の腕枕で眠った。大事な所が僕の腰の辺りに当たっているんですが。


  今日は、大晦日。皆で餅つきをする。ノエルと一緒に和の国に『空間転移』して、臼と杵と餅米を買う。あと、四角い木でできた網も買った。買い物中、ノエルが、僕の左腕に抱き付いて胸を押し付けていた。ニコニコしているから、歩きにくいが、好きにさせていた。ノエルが、色々見学したがったが、今度、ワカコさんと一緒に来ようと言って、納得させて屋敷の自分の部屋に帰った。


  それから、中庭で、餅つき大会だ。詳しいやり方は、ノエルも良く知らなかったので、アオちゃんが僕の指導者だった。勿論、餅をつくのはイチローさん達だ。


    『ほら、もっと腰を入れんかい。』


    『何やってけつかる。手が潰れてまうで。』


  アオちゃん、念話が僕にしか聞こえないのを、完全に忘れている。ついたお餅は、和の国の大豆ソース、あちらの国では『醤油』と言うらしいが、それをつかってお雑煮にする。フランシスカさんが、餅を喉に詰まらせて死にそうになっていた。




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(2023年1月1日です。)

  今日は元旦、新年の挨拶に国王陛下に謁見に行こうとしたら、今日は忙しいから、明日にしてくれと言われた。


  予定が中止になり、急に暇になったので、昨日のお餅を、小豆を煮込んだものと絡めた物を作った。ノエルがアンコ餅と言っていた。今日から3日間、執事長のセバスさんやメイド長のダルビさん達はお休みだ。イチローさん達には、獣人国の王都に連れて行って貰いたいと言われた。男には、どうしても行かなければならない所があるそうだ。ピンと来た僕は、中央フェニック王国の王都の色街の脇に時空の切れ目を繋げた。イチローさん達とは、3日の夕方、同じ場所で待ち合わせる事にした。


  翌日、エーデル姫と王城を訪問した。国王陛下と皇后陛下に挨拶をしたら、今度、僕の屋敷に来るという。別に、来ても構わないが、6日から暫くいない事を伝えた。モンド王国に戻らなければならないのだ。それでは、今日、これから行くと言う。え、今日ですか?まあ、ダルビさん達が居ないけど、きっと大丈夫だろうと思う。


  シェルに伝えたら、大騒ぎになった。大広間の掃除と、食堂のテーブルの配置を直し、それから着替えだ。勿論、掃除とテーブルの配置換えは僕の仕事だった。皆、シルクの極上のミニスカートを着た。サクラさん達とレミイさんは、メイドとして頑張って貰おう。クルリさん達には、正門の警護をお願いした。皆、ダッシュさんの店で、ミスリルセットで装備を揃えていたので、警備くらいは簡単な仕事だった。装備の下の超ミニスカ冒険者服は、好きな色にしているのでとてもカラフルだ。本当は、この下にスパッツを履くらしいが、誰も履かない。白のいちごパンツやピンクの縞パンツが見えているが気にしていないらしい。


  国王陛下の馬車が来た。随行馬車が数台と騎乗した王国騎士団が60騎だ。全て、邸内に入れて、国王陛下、皇后陛下と随行のフレデリック内親王殿下、エーデル姫の兄君のファーブル皇太子殿下、姉君のガーベラ王女殿下。あと、ジェンキン宰相、マリンピア王国魔導士長とスターバ王国騎士団長将軍閣下であった。あれ、スターバ将軍閣下と一緒にジェリーちゃんが降りて来た。今日は、オレンジ色のドレスだ。この前プレゼントしたネックレスをしている。騎馬隊は、降りて警備隊型を取ったが、クルリさん達が気になる様だった。


  国王陛下一行が、屋敷の中に入って来た。それぞれが、自己紹介をする。シェル以外は全員、初対面だ。ジェンキン宰相が、小声で人物情報を陛下に伝える。フランシスカさんが、聖ゼロス教会大司教国の元大司教だと伝えたら、目を丸くしていた。それから晩餐会が開かれた。今日は、和の国の料理が中心だ。


  鮎、ウニ、アワビの前菜。冬の魚のお造り。秋のキノコの塩焼き。タイの塩焼き。牛肉のレア刺身。鱈の白子のお澄まし。鯛めし。栗ぜんざい。抹茶のアイス。黒蜜掛け。


  実は、さっき、和の国に行って、料亭で急遽作ってもらったのだ。料亭は、大晦日ら新年にかけては稼ぎ時なので、いつもより多めに仕入れをしているそうなのだ。でも、栗ぜんざいだけは僕の自作だ。


  後、和の国のお米のお酒を樽で買ってきておいた。杉の木の香りがして、美味しいお酒だ。店の人が、『大吟醸』と言っていたが、意味は分からなかった。宴が進むと、皆の能力の話になった。僕は知らなかったが、ノエルとビラが、騎士団と魔導士団の中で高く評価されているそうだ。しかし、エーデル姫の『熱刺し』スキルや超極大ファイアボールは、S級の攻撃力であり、『きっと王国最強と思われる。』とシェルが言っていた。エーデル姫が、自分の部屋から、僕に貰った、あのレイピアを持ってきて、皆に見せた。国王陛下は、レイピアを手にとって、抜いて見てから、フレデリック殿下と顔を見合わせた。国王陛下は、立ち上がってレイピアを構え、気を込めた。細い刃先が青く光った。


    「この剣は、どうしたのじゃ?」


    「ゴロタ君に貰ったの。」


    「いや、そうでは無く、何処で手に入れたのじゃ。」


    「カーマン王国で、ゴロタ君に貰ったの。」


  会話に、なっていない。国王陛下。育て方、間違えましたね。基本、エーデル姫は、話し方が幼い。それを誤魔化すために、あの変な話し方になっていたようだ。最近は、素の甘えん坊の残念な話し方になっている。


  僕が一言説明しておいた。


  「カーマン王国のナチュラル辺境伯領イーストウッド市で買ったものです。」


  「この剣が、如何なる剣かご存じか?」


  首を横に振る僕。


  「この剣の名は、『百刺しのレイピア』じゃ。刺せぬ敵がなく、刺せば必ず仕留める宝剣じゃ。今から300年前に、この世から失われた剣じゃ。エーデル、早く、構えろ。そちが構えてみよ。」


  「えー、何か恥ずかしい!」


  「良いから、早くせよ。」


  あ、国王陛下、ついに怒っちゃった。エーデル姫が、レイピアを構える。スターバ将軍閣下が息を飲む。構えを見るだけで、ある程度、相手の腕前を見極めることの出来る将軍だからこそ、エーデル姫の実力に驚いたのだ。エーデル姫が、剣に力を込める。レイピアの刃体全体が真っ赤に光る。『熱刺し』スキルだ。エーデル姫は、もっと気を込めた。赤白く光輝いた。空気が熱くなってくる。エーデル姫、買ったばかりの屋敷を燃やす気ですか。


  「もう良い。分かった。」


  エーデル姫は、『気』を自分に戻し、剣を納めた。皆がホッとした。僕は、モグモグ刺身を食べている。


  次に、シェルの『ヘラクレイスの弓』を見せてあげた。結婚祝いにシェルの父親から貰ったものだ。国王陛下は、開いた口がふさがらなかった。世界の秘宝、伝説の武器、この世を司る者が持つとされている物が3つもここに揃っている。1つでも都市が滅び、2つ揃ったら国が亡ぶと言われるものだ。しかし、驚きは、これでは終わらなかった。


  僕が、『ヒゼンの刀』を見せてあげた。これは、伝説の刀ではない。しかし、『ベルの剣』にも劣らないどころか、より素晴らしい切れ味を見せている。国王陛下は、『ヒゼンの刀』を手にして、涙を流した。今まで、名刀といわれる剣を数多く見てきたが、これほど素晴らしいものを見たことが無い。万物を切り裂き、決して刃こぼれがしない剣。どんなに力を込めても、壊れることの無い剣、それが『ヒゼンの刀』だ。伝説はまだ無い。しかし、これから伝説が作られることだろう。僕は、この刀が後に伝説の刀になることを未だ知らなかっただけだが。


  次に、シズさんの話題になった。宰相もシズさんに関する情報は、殆ど無かった。まあ、ただの中学生だから当然である。僕が、シズさんに、剣を構えるように言った。シズさんが、部屋からダッシュさん作刀のミスリルの短剣を持ってきた。静かに、剣を抜いて構える。剣が、青白く光り始めた。国王陛下が、また吃驚している。この光、『斬撃』だ。こんな小さな娘が『斬撃』を使うなど信じられない。あと、あのイフリートと同じ『地獄の業火』スキルを持っていることも説明した。この娘一人で、我が王国が滅びかねない。こんな娘がどこにいたのだろうか。


  フランシスカさんが、面白くなさそうな顔をしている。フミさんが宥めている。あ、また我儘が始まったのですね。フランシスカさんは、皆が凄いと言われているのに、自分が何も攻撃能力を持っていないのが悔しいらしい。僕達は、無視していたのだが、そのうち、フランシスカさんが泣き始めた。嘘泣きではなさそうだ。よほど悔しいのだろう。見かねたシェルが、国王陛下に教えてあげた。


  「こちらのフランシスカさんは、『神の御業』のスキルをお持ちですの。あの広範囲治癒の能力は、あらゆる攻撃魔法よりも強力です。」


  「おお、なんと素晴らしい。儂は、そのような技を持っている方と同席できて幸せじゃ。」


  国王陛下は、大げさに驚いて見せた。空気の読める国王陛下だった。フランシスカさんは、泣き止んで、エヘエヘと気持ちの悪い笑いをしていた。ほんの少しだが、僕は、説明を聞いていて、ほんの少し、違和感を覚えていた。うちにいる女の子達って、少し他の子と違うと思っていたんだけど、少しではなく、凄く違っている子が多いのかな。

  まあ、チートのオンパレードですかね。現在、設定上、まともなのはクレスタさんだけですかね。あ、少々淫乱傾向がありましたか。でも、本当に残念なのは、あのお姫様かもしれません。

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