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私、この世界を征服します。  作者: イイコワルイコ
3章「女神の伝説」
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【裏】第5話「女神神話」



メドルーナ。



「めっちゃ祭り。めっちゃ祭りだ。これ以外浮かばん。」


「私は2回目だけど、この賑やかな雰囲気は日常には出来ないわね。王族の結婚とか、相当なお祝いがないとここまでは…」



カヒリ、ギーナ、拘束状態のキャロラインの3人はメドルーナに入国した。

そこには以前と変わらない娯楽大国の姿があった。

どこを歩いても一山当てるために全力で商売をする派手な格好の商人が大声で客寄せをしている。



「目を引こうとしたら周りも同じこと考えてて結果同化しちゃうとかいうの可愛いよな。」


「でも売り物は同じじゃないわ。落ち着いたらまた改めてゆっくり観光しましょうね。」


「俺人混み苦手なんだけど…」


「うふふ。」


この場合、カヒリの言う苦手は人混みそのものではないようで。



「で、だよな。あんまりウロウロしてると危ないヤツって認識されちゃうし、金持ち連中のいる高級住宅エリアに行くとするか。」


「ちょっといいかしら?」


カヒリの話を聞いていないのか、ギーナは近くの宝石商に声をかけた。


「ちょっ!」



「へい!うちの飾り物、綺麗だろう!?」


「…そうね…」


首飾りを眺めるギーナ。

色とりどりの石がはめ込まれたそれらに紛れて彼女の顔を下から覗き込むのは


「なぁて。」


「なぁに?」


「お、旦那さんか!どうだい!よかったら奥さんに!」


「そうか…って違うでしょ?分からんでもないけど今それ違うでしょ?見てみ?俺の世界一宇宙一銀河一美人な奥さんが目輝かせてアクセサリー眺めてるけど片手に女の子拘束してんだから。言ったら護送中だから。これでもお客さんに見える?」


「へい!上客です!」


「………」


間違いなくギーナ以上に目を輝かせているであろう店主にカヒリは降参した。



「この赤い宝石は何かしら?透き通ってるけど深みもあって…」


「お目が高い!そいつはロガドガ山でしか採れない希少鉱石レッドデッド!各国の王冠にそいつは欠かせないんですよお!」


「ルビーとは違うのか、へぇ…。レッドデッドって名前、もしかしてさぁ」


「へい!この鉱石を掘りに行った人間の内、帰ってこられるのは…そしてこの奇跡的に綺麗な赤は帰れなかった者達の血で染まったとも噂があります!」


「うん、買って着けたら即呪い発動だろこれ。呪いの装備すぎるだろこれ。教会持ってけよこれ。」


「じゃあこっちの水色の宝石は?とっても綺麗よね。」


「ま、まあね?」


「へい!そいつはゴルゴラ付近の鉱脈で採れるアクアリウス!比較的流通が多いもんで手が出しやすいってことで、結婚を申し込む男がよく買っていきますね!」


「おう、なんか今お前大多数の男の秘密をポロッたよな。いいじゃんか、給料3ヶ月分だろ?貯蓄なかったら3ヶ月分生活費潰れてんだろ?精一杯じゃんか。」


「カヒリ。これ。」


「………なに、この世界って子供の小遣い3ヶ月分でプロポーズすんの?」


先ほど説明してもらった宝石レッドデッドが430万ゴールド。

に対し、アクアリウスは店に並ぶ最高品質の物で40ゴールド。

キングエルやライヴァンで子供向けのおやつが3〜5ゴールドで売られていたことを考えると、


「小粒サイズのレッドデッドの値段に並ぶにはアクアリウスは惑星レベルに大きくないとな…」


「じゃあ、私はこれが欲しい。」


「ほぇ?」


ギーナが指さしたのはどちらでもない宝石。


「へい!そいつはハートにしかない、世界樹ワルトの中で長い年月を経て鉱石になると言われている希少鉱石ピラカ!」


しかし、その商品にだけ値札が付いていない。


「ち、ちなみにそれは…はうまっち?」


「ここ数年、新しく出回るような話は聞かないのでレッドデッドよりも珍しいです!なので」


「ストップ!…あ、あのさ?俺達これいける?無理くない?稼ごうと思えば出来るけど、今って」


「これがいいの。」


「すいませんローン組めますか」



結局、突然のギーナのおねだりにあっさり負けたカヒリは買ってあげることにした。

支払いはというと…


「こ、こいつはぁ…」


「あ、あとこれも。な。足り…るよな?」


こっそり手に入れていたリンゴ4個。

それと申し訳程度の300ゴールド。


カヒリに渡された布袋の中のリンゴを見て店主の目が袋の中とカヒリ達を何度も行き来する。



「セーフ?」


「どどどどうぞどうぞ!お持ちください!ありがとうございましたぁっ!!」


太陽よりも眩しい笑顔になった店主から首飾りを受け取ったカヒリ。


「…そっか、ある意味リーファンの言ってたこと間違ってないかもな。」


大きな買い物をしたカヒリと、一山当てて大喜びの店主。

ギーナは店主に続けて声をかける。


「ちょっといいかしら?もしかしたら、珍しい宝石を集めてる人…メドルーナに住んでるんじゃない?」


「ふぇ?はい!よく売り込みに行きますんで場所も分かりますよ!」




/////////////now loading......




「んで、到着か。え、あのさ。着けないの?これ。」


宝石商から聞き出した場所には、分かりやすい装飾された門があった。

奥にはわりと大人しめな豪邸がある。


しかし、それよりもカヒリの心配は別にあった。


キングエルでリンゴを盗んだ。それはカヒリにとって何も問題にはならない。

彼の力ならば容易だし、どうせ国王に貢献する予定だったからだ。

なので、実質報酬の前借りをしただけ。


そういうことではなく。


あんなに欲しがっていたから買ったのに、ギーナは特に身に着けようとはしなかったのだ。



「カヒリ。とっても感謝してるわ。」


「うん、もう察してますんで大丈夫です…」


つまりは情報料代わりの高額な買い物、ということだ。

宝石商を満足させ、手に入れた宝石はどうなるのかというと。


「このまま宝石マニアの手に渡るのか…」


「私は宝石とかはこだわらない。それこそ、おもちゃの指輪でもいいの。大事なのは物じゃないから。」


黒い布で顔は隠れたまま。

ギーナはカヒリに顔を重ね、離れると同時に軽く吸い付いたのが分かる音がした。


「不貞腐れてたのバカみたい。よし、行くか。」



そこから、2人はキャロラインを連れて魔物の専門家を探しはじめた。



まず最初に訪問したのは宝石コレクターの男の豪邸。


希少品を手土産に現れたカヒリ達をあっさり中に招き入れ、受け取った宝石がどこでどのようにどうやってどんな価値があって…と自慢の知識を披露していく。


そして興味深そうに話を聞いては褒めて、気分を良くさせ、その男からまた別のコレクターを紹介してもらう。


その調子で、宝石→珍味→武器→ドレス→防具…と巡ったところで




「ああ。魔物に詳しいやつか。知ってるよ」




カヒリ達はようやく目的の人物にたどり着いた。

ここまで来るのに、大きな買い物、使いっ走り、口喧嘩、接待、腕相撲…と、それぞれ犠牲を払った。


豪邸に住まう彼らは、基本的に私兵に守られている。

ただ話をしたいと思うだけでもそれはなかなか叶わない。

武力行使による突破はやってしまえば簡単だが、騒ぎを起こせばメドルーナという国そのものを敵に回してしまう。


なので、コレクター同士ならたとえ分野が違くとも紹介を通じて話を聞くことが出来る…と考えたギーナはわらしべ長者のようなこの作戦を思いついた。

それぞれの欲に応え、ご機嫌取りをして、別のコレクターを紹介してもらう。

会う約束も取り付けてもらうことで、流れはとてもスムーズだ。



「もうどの豪邸も屋敷もおんなじ。ほんっとにおんなじ。」


カヒリの小さな愚痴を軽く聞き流し、ギーナが門番に面会の約束を伝える。

そしてすぐに、優しそうな面構えの老人が出迎えた。


「ほっほっ…あなた達がえーと…」


「私はギーナ。こちらは」


「っ。待ちなさい。その子は…!!」


これまでと同じように自己紹介を済ませようとしたギーナを遮る。


彼は年齢を考えれば危険なほどに驚いた。

その場の全員がその老人の反応に戸惑うが、



「キャル…キャルじゃぁないか!なぜ、お前達が…」


真っ青な顔になる老人は、キャロラインを知っているようだった。


「な、なぁ。キャルのこと知ってるのか?知り合い?」


「待って。先に私達の話を最後まで聞くべきよ。」



「聞くことなどありゃぁせん。緊急事態だ!」



老人が叫ぶと、屋敷からぞろぞろと私兵が湧いてくる。

その内の数人はさらに仲間を呼びに行ったようだ。



「ギーナ。もう無理。これはやるしかない。」


「ダメよ。戦ったらメドルーナにいられなくなるわ。今後も入国が出来なくなってしまう!」


「大人しく捕まってみ!?魔物の専門家だぞ!?拷問ついでに変な魔物の体液とか飲まされるかもしんない!そんなの嫌だ!」



兵達に囲まれたカヒリ達。

抵抗するかどうかを決めかねている。



「その子をこちらに渡しなさい」


「悪いけど従う気はないぞ?何されるか分かんないし!」


「こっちの事情を知れば問題ないはずよ!兵を下がらせて!」


「そうはいかない…!老いて楽観的になっていたが、最近はそれを考え直した。顔も見せないような人間に信じろと言われて信じるはずがないだろう!」


「……このお爺ちゃんクソ元気だな。」


老人が屋敷に入ると、兵達が武器を2人に向ける。


「防御な。」


「ええ。手加減、してね。」


カヒリはギーナに指示を出した。

それを受けて指先から炎を出して兵を威嚇するギーナ。


「武器破壊と膝カックン。これなら文句ないよな!」




/////////////now loading......




数分後。


ようやくたどり着いた魔物の専門家の屋敷を前に、カヒリはため息をついた。


「いや、妙に紹介が繋がるから変だと思ってたけどさ。これ、この辺の金持ちが連携とれすぎなんだよな。自分とこの警備を困ってる所に派遣するとかエグい。地味に手練れみたいなのがゴロゴロいたし。膝カックンするのに苦労したわ。」


「膝カックンにこだわる必要があったのか謎だけど…でも良かった。怪我人はいないわね。」


「おう。褒めて!」


「うふふ。」


道に山積みになった屈強な私兵達。

全員意識はあるものの、誰もがカックンされた膝裏を気にして悶えている。



そして、静かになったところで屋敷から老人が再び現れた。



「そうか…それだけの力があれば…それで、目的は?身代金か。メドルーナを襲うほどだ、その異常な強さで一国を乗っ取るか…」


「お爺ちゃんさ、話を聞こうぜ?まだ自己紹介もしてないぞ?」


老人は道の端に積まれた兵達を見て、ようやく諦めたようだった。

片手を差し出し自己紹介を促す。



「ふぅ。俺はカヒリ。こっちはギーナ。俺達はキングエルとライヴァンの国王に雇われてる"使い"だ。キャルのことはどれだけ知ってる?」


「……キャロライン王女はこの国で滞在中、仲間達とここで休んでいた。そこにブラウンが連れ戻しにやってきて…」


老人の話を聞いて、カヒリ達は驚いた。

アグリアスで別れた後にそんなことになっていたとは。


瀕死の姿で消息を絶った。

そして、ハートを超えて境界線の近くでようやく発見した。


キャロラインの謎。


その謎だけを共通点に、カヒリ達は屋敷に招き入れられた。




「マリタさん。あんた、魔物大好きってだけじゃないな。キャロラインのことも、ブラウンのことも。やけに詳しい。」


「…昔色々と。さあ、ここに寝かせておやり」


「拘束は取らないで。今の彼女は正気じゃないの。ゼグエグと同化したみたいで、何するか分からないから。」


「ゼグエグ…!?これまた…」


信じられない。といった様子で、屋敷の主マリタは寝室でキャロラインを休ませる。

そして寝室の内と外に召使いを待機させて


「ついてきなさい…」



2人はマリタの書斎に案内された。



目に付くだけでも、童話やら戦闘術やらと様々な本がある。


「武器、防具、珍味、ドレス…おいおい。この辺に住んでるコレクターが好きそうな本も揃ってるぞ?」


「好みを知っておけば役立つ。さて…ゼグエグか…ここに来たのはそれが目当てなのか?」


「ええ。ゼグエグを知れば、キャロラインを助けることにも繋がるはずなの。」


「……とと…」


「いいよ、俺が取るから。これか?」


マリタの求める本をカヒリが代わりに取ってやる。

数冊、薄い本が集まった。



「なになに…魔の物達…、女神神話…、」


「こっちのは何かしら?内容は少し不気味ね…」


「適当に読み流しながら話を聞きなさい…。妖精、ゼグエグ。その姿は人目には分からぬ。その言葉は、選ばれた者にのみ通じる」


「うわ、そんなの読むなよ。人体模型よりグロい。」


「そうね…でも、マリタさん。あなたはどうしてゼグエグのことを?いくら魔物に詳しくなりたいと思っても、目撃例すら少ないと聞いたわ。」


「そんなこと、簡単だ。葬られた話がある。その本だ」


カヒリは本を手に取りギーナと覗き込む。


「どれどれ…」





「女神神話」


偉大なる勇者、マクシミリアン・ストーン。

才ある戦士、バルディーン・レビア。

愛ある魔法使い、メナシー・キュイス。

勇ある武闘者、パラジー・ハート。


4人の人間が、力を合わせた。


それは、世界を白く塗り替えた魔の者達を排除するため。

それは、世界を飲み込まんとする魔の王を排除するため。


彼らを勝たせるために、多くの人間が協力した。

岩石を楽々切り裂く剣を与え、獄炎にも溶けない鎧を与え、いかなる瞞しにも耐えうる盾を与え…


人間の未来を託された4人が戦いを挑もうと魔の国へ旅立った。



しかし、人間は負けた。

勇者は、魔王に勝つことはなかった。



彼曰く、剣は届かない。

彼曰く、力の問題ではない。

彼曰く、そこにあったのは死と絶望のみ。



4人は、人々の元へ戻った。

しかし、1人、また1人と謎の病で死んだ。

残ったのは、勇者のみとなった。



世界各国で人間が魔の者達に苦しめられ、命を終えていく。

その時、天が人間に、戦えと叱咤した。

そして、どこからともなく姿を現したのは女神だった。

7人の女神はまず世界中に散り、弱き人々を救けた。



再燃のプロティアはライヴァンを、"悪魔の涙"と呼ばれる災いから守った。


真実のソフィーはミフィーリアを、"魔女の嘘"と呼ばれる災いから守った。


信仰のアラビタはアグリアスを、"魔獣の飢餓"と呼ばれる災いから守った。


施しのチアンはメドルーナを、"不信の加護"と呼ばれる災いから守った。


裁きのレスナはハートを、"罪悪の権化"と呼ばれる災いから守った。


許しのアルタはロガドガを、"邪神の咳"と呼ばれる災いから守った。


専愛のモアはキングエルを、"災厄の求愛"と呼ばれる災いから守った。



そして女神は力を合わせ、魔王を世界から引き剥がした。

この世とあの世のどちらでもない、時の止まった世界に封じ込めた。


それは、神の決めたこと。

人間が再び戦うと決めるまで。

人間が存在をかけて抗うと決めるまで。


女神は、その"時"まで人間を守護するだろう。





「…なんかすご。裏設定的な。いだっ!!?」


ギーナにつま先を踏まれて本を閉じて痛みに耐えるカヒリ。



「一通り読んだか…貸しなさい」


マリタは本を受け取ると、近くにあった蝋燭の火にかざして…


「え!燃やすのかよ!」


「この本はもう不要だ。役目を果たしたんだ。ちゃんと、記された内容を人に伝えることが出来た」


「そんな。もっとたくさんの人に知らせるべきだわ!」


「いいや。多くの人間が知ったら、それこそ。今も女神様は私達人間を守ってくださる。その活躍を知ったら人々はどう考える?ん?」


「どう…も何も。」


「良かった、だ。魔物の恐怖がすぐ側にありながら、女神様がいるからと勘違いする。女神様は待っているんだ、"次の勇者達"を」


「…神の力に頼って、人々が戦うことをやめたら。マリタさんはそう言いたいのよね?」


「うむ。その時、昔以上の脅威が姿を現すだろう…」


「…ごめん。ゼグエグどこいった?」


「ほっほっ…そうだった。本の内容は覚えているか?4人の名を」


「ええ。現在のキングエルの国王、マクシミリアンは元々勇者だった。」


「これだけ裕福な生活が出来たのは、私がマクシミリアンと関わりがあったからだ。彼には良くしてもらった。本のその後だが…唯一生き残ってしまったマクシミリアンは、非難された。そして、言ってしまった。"魔王と世界を分け合った"。だから心配ないと」


「おいおい…マジかよ。」


「魔王と手を組んだとか、降伏したとか、色々言われてそうね」


「その通り。人間という種族で立場が無くなったマクシミリアンだが、私は彼と数回会う機会があった。そこで彼は私に話を聞かせてくれた。"魔の国"での話を」


「聞き捨てならん話題だな。」


「様々な魔物達。それは我々が親しくする動物とどこか近く感じられた。凶暴性は別だが、未知の存在に怯えるのはどの生物も同じ。立ち向かう力があるだけ魔物の方が生物としては優秀かもしれない…」


「…うん。…うん?ゼグエグどこいった?」


「ほっほっ…焦るでない。マクシミリアンが語った冒険譚にはゼグエグの名もあった。最も憎い魔物だと言っていた…その時だけは、勇者の目をしていた」


「続けて、どうぞ。」


「妖精ゼグエグ。子供が喜ぶような可愛らしいそれではなく、残虐な魔王の"使い"の名。ヤツらは魔王の願いを叶えるために何でもする。自然の姿に身を隠し、生き物の首を刈り取り、金品を運ぶ…」


「あ、なんか嫌な予感がする。もしかしてマクシミリアンはゼグエグのことそんなに多く喋ってないオチ?マリタさんもそこまで詳しくない的な…」


「それは分からない。だが、愚痴を散々言った後で私に倒し方を熱心に語った。ゼグエグは火を嫌うと、体に火が移るとすぐに全身が燃えてしまうそうだ」


「んー…」

(知ってますって言えないよな)


カヒリがギーナに小声で本音を漏らす。



「待て待て…あー…何と言っていたか…さっきまで覚えていたんだが…あー…」


「急に爺ちゃんキャラ出してきた。まさかの。でも、頑張れー!思い出してくれよ。それ多分1番大事な情報だと思うから。」


「………そうだ、ゼグエグは」「危ないっ!!」


「え」



カヒリは横から飛び込んできたギーナと床に倒れた。



「っ………」



「うそ………」


何事かと驚くカヒリは、一瞬で変わり果てたマリタの姿を見て更なる衝撃に打ちのめされた。


2人の目の前に立つマリタ。


彼の口は大きく裂かれ、顎があんぐりと胸のあたりまで開いていた。

それは、疑いようのない、即死。


「ギーナ!」


((ブレイズ・シールド))



直後、カヒリが反応しギーナが虹色の炎を展開する。

盾になった炎は迫る衝撃を燃やして受け止めた。




「重要な情報を話そうとした瞬間殺すって…くぁぁ…あるあるかぁ…!!」


カヒリが頭をかきむしる。


立ち上がった2人は書斎の外へ目を向けた。



「んで、こんなとこでお前かよ。」



そこに立ちふさがるのは、大きな大きな人間。


翠色の鎧を身にまとって、片手に槍を数本握る大男。


カヒリは彼を指差し、続けた。




「ゴルゴラの聖騎士、隠れた伝説。バルディン!!」




/////////////To be continued...?


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