初めての疑問
こうアイデアは出てくるのに中々文章にまとめられません(・_・;
そんな駄文ですので、コメントやどうすれば良くなるかなどの意見がありましたら教えてください!
「どうして魔物と握手しちゃいけないの?」
小さい頃、両親に初めてぶつけた疑問はこれだった。
「そうねぇ、なんて言ったらいいのかしらね。
魔物っていうのはね、私達大人でも大怪我しちゃう時もあるくらい恐い生き物なの。
まだちっちゃいパル君だとそれだけじゃ済まない事もあるかも知れないでしょ、だから握手なんて危険な事絶対ダメよ」
「でもね、あの山の中にいる魔物・・・ハクはね、とってもモフモフしてて時々木の実くれたりしてくれる良い魔物なんだ、それにまだスゴイちっちゃいのに1人で山の中にいるんだよ、そんなの可哀想でしょ?」
「う、うーん、確かにダンジョンから離れて子供の魔物がいるっていうのは変な話なんだけどね〜。
やっぱり倒しておいた方が・・・
でも、その魔物はパル君に攻撃してこないから良いのかな?
でもでも万が一って事もあるし!
いやだけど・・・」
母さんはブツブツと独り言を呟き始める。
腰まである綺麗な金色の髪を一つに束ねられ、
ターコイズブルーの瞳はとてもパッチリしており
その顔からは優しさが滲み出ている様だ。
リリアル・ワンテイル
近所からは『恐妻聖母』とゆうアダ名がついている事は秘密です。
母さんはまだブツブツと呟いている。
「炎魔法であの森ごと焼き払うべきか・・・」
「土魔法であそこ一帯を埋めるべきか・・・」
ダラダラと汗が出てきてしまった。
僕が聞いた事は森1つを消し去るほどの質問だったのだろうか。
母さんをどう宥めようかと思っていたところに
聞き慣れた声が聞こえてきた。
「おいおい、母さんどうしちゃったんだ?
ダンジョンに潜って1ヶ月出られなかった時みたいになってるぞ」
少し赤みがかった茶髪は後ろで小さく纏められており、少し威圧感がある瞳はコバルトグリーンに染められその人はお世辞抜きでもカッコよかった。
とゆうかカッコ悪いとでも思ってしまったら、僕はこれから先の自分に自信が持てなくなってしまう。
そこにいたのはフューリ・ワンテイル。
僕の自慢できる父さんだった。
「えっとね、今森を一つ消すか消さないかの話してるの」
「母さんだけじゃなくて、パルもおかしくなっちまった」
「もうダメでしょ、そんなこと言ったらお父さんは本当に信じちゃうんだから」
いつの間にか、ブツブツから復活していた母さんが僕に人差し指を立てながらメッと言ってくる。
「で、ホントにどうしたんだ?」
そう言って腰のロングソードを外し、机の上に置く。
あっ、そうか、畑の警備仕事は午後からは雨が降るから午前中で終了だって言ってたっけな。
「パル君がね、難しい質問してきたから親としてちゃんとアドバイスしてあげれるように考えてたの。
フューリはどう思う?」
「どうって、どんな質問してきたんだ?
パルはまだ6歳だぞ、いくらなんでも俺たちが答えられない質問なんてしてくるわけ・・・」
「なんで優しくてまだ小っちゃいのに一人ぼっちで可哀想な魔物と握手してはいけないの?
あなたはこの質問答えられる?」
「・・・うーん。
難しいな、その質問」
机の傍にある椅子に座り、腕を組みながら父さんは考えている。
「まず、その魔物がこの近くの山にいるっていうのもおかしな話だな。
この村の近くにはダンジョンだって無いし、魔物の群れなんて見かけたことすらないしなー」
聞いた事がある。
普段はダンジョンに追いやられている魔物だが、そのダンジョンが長らく攻略されずにいると中の魔物達が増えていくたびに弱い魔物がどんどん外に追い出されていっていると。
外に出た方が楽しいはずだけどなー。
とゆう事はハクもダンジョンから逃げてきたのかな。
「やっぱり私達だけでも森を調べて見ましょうよ。
もし見かけてないだけで魔物の群れがあったら大変よ」
「ふむ、そうだなぁ〜。
明日くらいにでも街に依頼を出しに行ってくるかな
ほっといて、被害でも出たら申し訳ないからな」
「ストッッッッップ!
2人ともダメだよ、そんな事したらハクも倒されちゃうんでしょ。
僕、ハクとはもう友達なんだ。
友達がいなくなるなんてイヤだな」
ハクと会ったのは1ヶ月程前の事だ。
村の友達みんなで山の中に遊びに行き、ひとしきり遊んでいざ帰ろうとした時だった。
白いモフモフを発見してしまったのだ。
そう、それが初めてハクを見た瞬間だった。
なぜか僕はハクを追いかけずにはいられず、
いつまでも帰ろうと言ってくる親友を先に帰らせて
ハクを追いかけて森の中に入っていった。
そして見事に迷った。
森に入ってからはしばらくはハクの姿を見れていたが
森の中を自由自在にピョンピョンと駆け回るハクを追いかけるだけの脚力は僕には無く、見失うのに時間はかからなかった。
助けてと泣き叫ぶも、深い森の中で響くだけで外には届かない。
徐々に日が沈んできた、まだ夕方に入ろうかという段階なのに森の中はもう先も見えないほど暗くなっている。
怖い、怖い、怖い、怖い
腕や足、服から出ている部分は枝や葉っぱによる傷が広がっている。
ひとしきり歩いて、少し開けた所で僕は寝そべった。
そこはフィアリアという花が一面に咲いている小さい花畑だった。
良い匂いがしてくる、ジワッと染み込んできて体の中を温め癒してくれているようだ。
そこで一旦意識は途絶えた。