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すべてのプロローグ
その日、世界は崩壊した。
少し前までは、いつも通りの日常がそこにあった。村では子が親を手伝い、いつものように仕事をしていた。
街では、大人がいつものように店を開き、子供達は友達と遊んでいた。貴族たちは、いつものように権力争いに力を注いでいた。
王たちは、いつものように国を治め、自国の民を見ていた。
一瞬ののち、生命はすべて消え去った。
木々は激しく燃え盛り、山を溶かした。
川は龍となって、地を穿ち砂に変えた。
水平線が消え去り、空の水と海の水は一つとなって、世界のすべてを洗い流した。
幾つもの文明が滅び、数多の知識が失われ、災厄が終わる時、そこには世界すら残らないはずだった。
しかし、世界の神は自らに許された権能のすべてと自らの一部を使い、運命を変え、新たな世界に生命を創り、知恵を与え、世界を創り変えさせた。
のちに「セディア」という名で呼ばれる世界は、この日誕生した。