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001 ぼく

何から打ち明けたらいいだろう。

ぼくの身体のこと?

それとも彼女のこと?

何から話したって良いのかもしれない。結局は、ぼくの、結局は、彼女の、話になるのだろうし、ぐずぐずしてると彼女に邪魔されかねない。

ここはベタに、彼女との出会いから、はじめてみようと思う。ほんと言うと、最近のことから話す方が、記憶も新しくて楽なんだけど、やっぱり出会いを知らずに、ぼくらの話を聞いたところで、冗談にしか聞こえないだろうから、横着せずに順を追って話すことにするよ。



何たって彼女は、出会い頭の発言からして群を抜いていた。

「半分個だよ」

意味分からないだろ?

ぼくだって分からなかった。だからぼくは、自分の耳を疑ったよ。

「え?」「ん?」なんて聞き返してさ。でも彼女の顔はマジなんだ。

次の彼女の言葉を聞いても、全く何を提案されてるのか、飲み込めやしなかったよ。

「おまえと私で、半分個だ。きっちり均等に、平等に分ける。それなら文句はないだろう?」

さっぱりだろ?

ぼくも意味分からなかったけど「いいよ」って言ってやった。「均等なんだろ? だったら良いよ」って。正直あの時、根気づよく聞き返してれば、と思うよ。

彼女が鼻で笑って、それで契約成立。

ケータイを買い替えるより簡単だった。

何の契約かって?

まあ慌てるなよ。今から説明する。でもちょっと突飛な話だから、一つ提案したいんだけど、良いかな?

別に大したことじゃないよ。

もし信じられなくても、冗談だろ? って言うのは無しでいこう。

冗談じゃなく、彼女はマジだからね。議論の余地もない。不毛なだけだよ。

ぼくと彼女の契約を、簡単に説明するなら、一つの身体を二人で分け合おうってことさ。

理不尽な話だろ?

もともとぼくの身体なのに、それを半分やるから、半分よこせって話。

そんな理不尽な話を、ぼくは快く承諾した。後からそれを知って、取り消そうとしたけど、もちろん彼女は取り合っちゃくれない。

この手の話ってよくあるから、ぼくも随分と勉強してみたよ。

一つの身体に二つ心?

医学的にも、精神分裂なんて言うくらいだから、治療法もあるんじゃないかって思ってさ。

小難しくて、本に書いてあることの大半は読み飛ばしちゃったけど、理解出来た幾つかは試してみた。

全く効果なかったけどね。


もともと彼女は外からやって来て、ぼくの身体を半分陣取ったのだから、症例に書いてあったのとは、前提からして違うんだけど、その時のぼくは、藁にもすがりたい気持ちでいたから、思いつく限りのことを試してたよ。どれも話せるほどの成果は、あげられなかったけどね。


紹介する前に、彼女の説明をするよ。と言っても、ぼくが勝手に解釈して、そう思ってるだけなんだけどさ。

彼女の口から直接聞けた話は、断片すぎて、本当かどうかも分からない。それでも一応、彼女なりにぼくを信用して話してくれたこともあって、それをわかりやすく言えば彼女は、どうやら宇宙人ってことらしいんだけど、、、

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