私は殺し損ねました
僕は前から、自分の事が嫌いだった。そういうのが澱のように、雪が降るように溜まっていく。
吐き出したいものが多すぎた。今では何を吐いていいのか分からない。そんな女々しく弱く矮小な自分が嫌になった。高校生の頃から自分は狂ってしまうと思っていた。大学生になりますます、僕は疲れた。
世の中には、もっと大変な人がいるのに僕なんかのしょうもない悩みを片付けられないなんて情けない。次第に僕は生きていて、いいのか自信がなくなった。
正々堂々と死ぬ勇気もないので、まずは登山中の事故に見せかけて冬山で滑落してみた。傾斜角30度、100リットルのザックとスキーを着けたまま落ちた。
骨の1本も折らず。怪我無く生還した。色々な意味で笑えた。眼鏡が亡くなってしまったのが痛かった。
懲りずにもう一回やってみた。今度は水絶ちによる、断水で死のうとした。3日目になり意識が朦朧とし、気力も尽きかけた時、様子を見に来た友人2人に助け出された。そして担ぎ込まれたクリニックの女医にしこたま怒られた。この時の友人2人とは今でも連絡を取っている。
結論を書くと、僕は生きてしまった。
そして僕はやる気も何もなくなり、引きこもった。
僕は腐った。