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独立エンブラ学園 緊急事態発生 補習組達が!

~来牙視点~



「ったく冗談じゃねえぜ! あの吉田って新米教師の野郎! 俺様のカツサンドを勝手に没収しやがって! おかげでカツの鮮度が落ちちまったぜ!」


「翔君はカツサンドを返してもらったからまだ良い方だよ! アタシなんかアタシの宝物は放課後まで返さないなんて吉田に言われたんだよ!」


「あたしなんかお父さんによく似ている宮本って先生に小テストを抜け出した罰として補習をやれって言われたんだよ! あの人はお父さんの皮を被った悪魔かと思ったし!」


 昼休みになって早々に、翔と有紗、そしていつの間にか教室に来ている絵梨が昼飯を食べながら、それぞれ吉田先生について不満を言っていた。


 そして案の定、絵梨のクラスの方では爺さんそっくりな宮本って老人の先生が授業をやっていたみたいだ。更には小テストをやると言われた事により、絵梨は脱走を図ろうとしたが見事に失敗して放課後に補習を受ける羽目になった。


「三人はあたかも被害者のように言ってるけど、実際はただの自業自得なんだけど」


 翔達の不満を聞きながら昼飯を食べている美咲は呆れながら呟いている。俺も内心そう思っているがな。


「って言うかは何であの校長あんな二人を臨時教師として雇ったのかが理解できないし!」


「全くだぜ! あのヤロウが三代子ちゃんと一緒にいるせいで一気に俺様の自由度が無くなっちまったぞ!」


 確かにあの頭のネジが何本か外れている校長にしては変だな。それに朝の全校集会ではいつもと違ってヤケに大人しかったし。おまけに妙にやつれていた事も気になる。あの校長がああなっているって事は何か遭ったに違いないのは想像できるんだが、何故そうなったのかはまだ分からない。確証は無いが、もしかしたらあの臨時教師二人が校長に何かしたかもしれないな。


 それとこれは推測だが、北浦先生が生徒に舐められているのを分かって、吉田先生が補佐として入ったんだと思う。翔や有紗みたいに北浦先生の授業で散々好き勝手やっていた連中の対処をする為に。


「そもそもこの学園は自由な校風だからあたしは入学したのに!」


「自由だからと言っても何事にも限度と言う物があるのよ」


 美咲の突っ込みに絵梨は全く聞いておらず、俺の腕に引っ付いてくる。


「ねえ来牙君、今日は授業が終わったらすぐに帰ろうね」


「お前は放課後に補習があるだろうが」


 もうついでに翔と有紗にもな。


「絵梨ちゃんの言い方だと補習を受ける気は無さそうね」


「当然。補習なんて受ける気もないし受けたくも無いよ。何が何でも逃げ切るから」


「アタシも賛成! 人の自由を妨害する教師の補習なんて微塵も受けたくないし!」


「俺様もだ! 6時間目の授業が終わった直後に速攻で帰る!」


「あっそう。ま、精々頑張る事ね」


 補習を受ける絵梨達に美咲はどうでも良いような感じで言う。


「美咲にしては随分とあっさりしてるな。いつものように呆れて言うかと思ったが」


「そう簡単に逃げ切る事は出来ないと思ってね。それにあの西郷先生並みに強い吉田先生が遊佐君達を見逃すと思うかしら?」


「…………………………」


 恐らく無理だろうな。





 そして6時間目の授業が終わって放課後になる。


「よっしゃ! 行くぜ有紗!」


「OK!」


 翔と有紗が速攻で教室から出ようと戸を開けるのを見ていると、


「おやおや、そんなに急いで何処へ行くつもりですか?」


「「!!!」」


 二人の目の前に吉田先生が待ち構えているかのように佇んでいた。


「どうやら美咲が言ったとおりの展開になりそうだな」


「そのようね。にしても吉田先生ってあの二人の考えを読んでいたのかしら? まるで脱走するのが知っていたかのように、出入り口前にいた感じがするけど……」


「だとしても翔と有紗はもうゲームオーバーだな」


 吉田先生がいる時点で。


「それで遊佐君と里村さん、どうして急いでいたんですか? すぐに補習室へ行くつもりでしたか?」


「あ、いや………ちょっと緊急な用事が出来てしまい、すぐに帰ろうと……」


「お、俺様も……友達がすぐに来てくれと言われちまって」


「そうですか」


 二人の言い訳に吉田先生が頷くと、


「おかしいですね。私が昼休みに偶々この教室を通りかかった時、貴方達が脱走すると言う話しを偶然聞いてしまいましてねぇ。だから此処にいるんですよ」


「て、テメエ! 俺様たちの話しを盗み聞きしやがったのか!?」


「プライバシーの侵害だぞコラァ! アタシ達の自由を土足で踏み入れてんじゃねぇ! 訴えるぞ!」


「適当にカマを掛けたつもりでしたけど、まさか大当たりだったとは……。だそうですよ、西郷先生」


「そのようですね」


「「!!!」」


 突然の西郷の登場により、翔と有紗の退路がもう完全に塞がれてしまった。


「な、何で西郷が此処にいるんだよ!?」


「おい吉田ぁ! アタシ達を嵌めやがったなぁ!」



ゴンッ!×2



「「いってぇ~~!」」


 怒鳴る二人の頭に西郷が拳骨を下す。相変わらず痛そうな音だな。


「教師に向かって呼び捨てで言うな! ちゃんと先生と呼べ!」


「まあまあ西郷先生。今はそんな事より脱走を企てた二人を早く補習室へ連れて行きましょう」


「おっと、そうでしたな。ではお前等、これから俺達の補習を受けてもらおうか。そして特別に今回の補習はいつもの倍をやるから覚悟しておけ」


「「いやだぁぁぁ~~~~!!!!!」」


 吉田先生と西郷は米俵みたいに翔と有紗をそれぞれ持って去って行った。


「まさか吉田先生だけじゃなく、西郷先生までいたなんて完全に予想外だったわね」


「あの二人がいたらもう逃げる事は出来ないな」


 取り敢えず翔と有紗、無駄な努力ご苦労さんとだけ言っておこう。





~絵梨視点~



 よし! 周りには誰もいないから今がチャンス! 早く靴を履き替えて速攻で逃げないと!



ダダダダダダッ! ガシッ!



「これこれ宮永さんや、何処へ行くつもりじゃ?」


「げっ!」


 下駄箱まであと数メートルのところでいつの間にか宮本先生がいた。って言うかどういうこと!? さっきまで周りには誰もいなかった筈なのに!


「あ、あのう宮本先生。さっきまで逃げた羽鳥君達を捕まえようとしていたのでは?」


「あの(わっぱ)共なら既に補習室へ連れて行かせたわい。後はお主が此処へ来るのを待っていただけじゃからな」


 もう全員捕まえたの!? ってか何やってるのよ羽鳥君たちは! もう全然使えないじゃない!


「さて、お喋りはここまでにしてお主も補習室へ行こうかのう。言っておくが(わっぱ)共と同様に補習時間を倍にするから覚悟しておくがよい」


「ら、来牙君助けて~~!!!」


 もう嫌だこの人! 本当にお父さんの皮を被った悪魔だよ! この学校の自由は何処に行っちゃったの!?

次回は秋雨さんの作品とコラボしますのでお楽しみに!


言うまでも無く、秋雨さんからは許可を頂いています。

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