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宮本綾ちゃんの職業体験物語 番外

番外 錬とグレートレンジャー



「ふわぁ~。何か面白ぇことはねぇかな~?」


 土曜の休日。


 俺は一人で適当にブラブラと外を歩いていた。修哉と遊ぼうかと考えていたが、アイツは今日店の手伝いがあるから無理だそうだ。何でも一人の小学生の女の子が職業体験をするから、その子のサポートと護衛をしなきゃならないそうだ。サポートは分かるんだが、護衛ってのが意味不明だったがな。一応ソレも聞いてみたんだが、小学生の女の子に手を出す傍迷惑な老人共から守るからと言ってた。最初は一体何の冗談かと思って笑い飛ばしたんだが、グレートレンジャーって単語を聞いた時点で納得しちまった。


 グレートレンジャーってのは確か、修哉が言った傍迷惑な四人の爺共で、見た目だけじゃなく中身も変態な集団。そんな連中の為の護衛となれば納得できる。


「ま、修哉と修哉の親父さんがいりゃ、あの変態爺共は軽く撃退出来るだろうな」


 荒事に慣れてる二人にかかれば、あんな弱い爺共を片付けるのは造作も無い。だから何の心配も無い。


 けどまぁ、もしコッチで見かけたら俺の方でも何かしらの手でも打っとくか。あの爺共が“AMAGI”で迷惑してるなら、修哉の友人である俺も黙っちゃいねぇからな。更に、あそこは俺の行きつけで憩いの場所でもある。その店にあの爺共が好き勝手してるのを黙って見てられるかってんだ。


「よしっ! ちょっくら“AMAGI”にでも行ってみるか」


 今日は友人の為にちょっとした人助けだ。まぁ頼まれちゃいねぇがな。あくまで俺が勝手にやろうとする事だ。友人に知られること無く助けるってのも意外とカッコイイ役だと思う。あくまで友人限定だけどな。


 そう思いながら“AMAGI”に向かってると、


「ぐふふふふ。綾ちゃんがあの喫茶店でメイド服を着て働いてるなら是非とも行かんとダメじゃな~」


「逆に会わないのは失礼だもんな。もうついでに俺様が害虫共から守ってやるぜ!」


「拙者達がいれば綾殿は安心して働けるでゴザル」


「そのついでにミー達のイカスところを見せれば惚れられること間違いナイゼ!」


 俺の前方十メートルに変態集団の爺共が気持ち悪い顔をしながら歩いていた。


「やっぱりあの爺共は修哉の予想通り、“AMAGI”に行こうとしてやがるな」


 そうと決まれば早速奴等の妨害でもするか。あの連中をすぐにぶっ飛ばすのは簡単だが、そんな事をしても詰まらん。だからちょっと遊ばせて貰うぜ。


「あっ! ミニスカ穿いた美女が転んでパンツ丸見えだ!」


「「「「なにぃっ!」」」」


 俺が適当な嘘を大声で叫ぶと、爺共はすぐに反応して辺りを見回した。


「どこじゃどこじゃ! 美女はどこにおるのじゃ!?」


「すぐに俺様が介抱してやるぜ!」


「拙者がすぐに助けるでゴザル!」


「ミーがいれば安心だぜ!」


 ぷくくっ! 女の事となるとホントに面白ぇくらいに反応するんだな。 


「だはははっ! バーカ! んなもんいる訳ねぇだろ爺共!」


「んなぁっ!」


 俺の笑い声を聞いた一人の爺がコッチを見て来た。


「貴様ぁっ! よくもワシ等を騙しおったな! ってよく見ればお主、あの時のバカ小僧ではないか!」


「てんめぇ! 俺様を騙すとはいい度胸してるじゃねぇか!」


「騙したお主には拙者の刀のさびにするでゴザル!」


「マッハアタックでヒキコロスぞ!」


「久しぶりだな爺共! 折角会えたんだ。久々に俺と遊んでもらうぜ!」


 さ~てと、コイツ等をどうやって遊ぼうかな~?


 因みにこの爺共には以前、人の家の前でギャーギャーと騒いでいたから俺のほうで軽くぶっ飛ばした後に警察へ突き出したから、向こうは俺のことをよく知っている。


「この前はワシ等の妨害をしておいて、今度はワシ等を騙すとは許せん! 覚悟するのじゃ!」


「おうおうおう! この前は油断したが、今度はそう上手くは行かないぞ!」


「あの時は刀を抜いていなかったでゴザルからな! 今日はこの刀で滅多切りにするでゴザル!」


「ミーのスピードを舐めるんじゃネェゼ!」


「はいはい、分かったよ。でもさぁ、その前に一つだけ言わせてくれ」


 迎撃態勢が整った爺共に俺はどうでも良い様に言い返しながら、ある挑発をしようとする。


「俺はな爺共、この前愛奈ちゃんの巨乳を揉んだぜ。しかも生でな」


「「「「な、なにぃ~~~~~~!!!!」」」」


 俺の言葉に雷を打たれたかのように驚愕する爺共。


 そして、


「う、嘘じゃ……。愛奈ちゃんがこんなバカ小僧に胸を揉ませるなんて……!」


「あり得ねぇ……! こんな野郎に……!」


「あ、あの愛奈殿がどうして……」


「生で揉んだ? ナマデモンダ? ありえねぇ~~~!!」


「いや~、愛奈ちゃんの胸は最高だったなぁ~。アンタ等には一生縁のない最高のイベントだったぜ。だぁ~~っはっはっはっは!」


「「「「こんのクソガキャ~~~!!!」」」」


 俺の嘲笑に爺共は怒りMAX状態になった。


「許せん! 貴様のようなクソガキはワシ等が処刑してくれる!」


「俺様を怒らせたことを地獄の底から後悔させてやるぜ!」


「キサマはミーを本気にさせちまった。今のミーは神速の速さをダセルゼ!」


「お主はもう泣いて謝っても許さないでござる!」


「はっはぁ~~! やれるもんならやってみな爺共! じゃあな!」


「「「「待てコラ~~~!!!」」」」


 俺が逃げるとすぐに追いかける爺共。


 さてさて、この爺共は暫く俺の運動に付き合って貰った後には、交番まで誘導して警察に引き取ってもらうとするか。


 修哉、今日は安心して働けるから警戒しなくても大丈夫だぞ。

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