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希望の日常風景 Ⅱ 前編

先に言っておきます。


今回は暑苦しい話です。


それではどうぞ!

 ここはとある希望のナワバリのレスリング会場。


 その中には観客達が今か今かと待ち望んでいるかのように静かに待っていると、


『レディ~~ス! エ~~ンド! ジェントルメェ~ン! ただ今より、第十回希望最強格闘王決定戦 INレスリング対決を始めま~~す!!』


「「「「「「「ウオオオオオオ~~~~~~!!!!!!」」」」」」」


「ぐあ~~~~! 自分がこの大会に出たかった~~~っ!!」


「俺も出たかったぜ~~~~~っ!」


 司会席から希望の下級系譜である神代和哉が開催宣言をすると、観客席にいる男たちは待ち望んでいたかのように大きく叫ぶ。


 そしてリングの近くの席には赤羽竜太、名取雄太が試合に出たかったのか悔し涙を流しながらも叫んでいる。


「さて、今回の司会進行を務めるのは私こと信念の契約者、神代和哉と!」


「解説役は信条の契約者、宮本竜三がお届けするわい」


「そして観客席には、この試合を待ち望んでいた赤羽竜太に名取雄太! そして熱き男たちがいます!』


「和哉、貴様~~~!! 何故今回も自分が観戦側なんだ~~!!」


「俺達がこの大会にどれだけ出たかったのかを知ってる筈だぞゴラァッ!」


 和哉の紹介に、竜太と雄太は物凄く不満たっぷりの抗議をしているが無視されていた。


「アイツ等、自分達があれだけの事をやったのをもう忘れているな」


「和哉よ。何故あの二人を出さなかったのじゃ? この大会はあやつ等も出たかったと言うのに」


「アイツ等は先日、鍛錬場やトレーニング施設を壊したから……って言えば分かる?」


「ああ、そう言えばそんな事があったのう……」


 竜三は先日、竜太と雄太が和哉と勝負する為の必死の鬼ごっこを思い出した。


 あの時、和哉が必死で逃げている時に竜太が契約の力をフルに使い、雄太がいつの間にかメガホースに乗って暴れ始めた事によって鍛錬場やトレーニング施設を無残に破壊したのだ。


 これにより、和哉達の光景を見て豪快に笑い飛ばしていた王牙も流石に見過ごせなくなって、竜太と雄太を一瞬でKOさせた後にキツイ説教をした。その後は二人に反省文を書かせて、今回の大会の参加禁止の処罰が下された。


「まぁそんな事より、今回の大会に師匠が出なかったとは意外だったよ」


「なに、機会はまだいくらでもある。じゃから今回は見送ったんじゃ」


「ふ~ん」


 竜三の理由に和哉は疑問を抱いているが、一先ず司会に専念しようとする。


「さて、それでは試合を始める前に、先ずは選手入場です!! 赤コーナー! 我等が希望の上級系譜、不屈の契約者 ローズ!!』



 パッ!



 光がある方向へと照らすと……。


「フンッ!! この時を待ってたわぁ~~!!!」


「ほう……。ローズの奴は気合が入っておるのう」


「そりゃあ、あの人と戦えるからなぁ」


 レスリングのユニフォームを身に纏い、マッスルポーズをしながら自慢の筋肉を見せるローズに竜三が感心するように見ており、和哉は当然のように言う。 


 因みにいつもは厚化粧をしているローズであるが、今回のレスリングで大して化粧はしておらず、殆ど素顔に近いダンディーな一面を見せている。


「「「「キャアアアァァァァ~~~ッ! ローズ様素敵ぃ~~~~!!」」」」


 ローズの登場の仕方にローズの部下であるオカマ達は、彼のパフォーマンスを見て大声で絶賛する。


「ローズ殿~~~! 今回ばかりは恨むぞ~~~っ!」


「俺も出たかったのにアンタって人は~~~~っ!」


 観客席側からの竜太と雄太はローズに向かって不満をぶつけているが、


「頑張れローズ~~! 絶対勝てよ~~~!」


「上級系譜の意地を見せてくれ~~~!」


 ローズを慕う熱き男たちは熱い声援を送っていた。


「そして青コーナー! 未だに最強格闘王の称号を守り続け、我等希望のナワバリの主である、鳴神王牙ぁ!!」



 パッ!



 別の光がローズの反対方向に照らされ、


「ウオオオオオオ~~~~~~~!!!!」


 ユニフォームを纏った希望の契約者、鳴神王牙が登場して雄叫びを上げた後、


「相手がワシの部下であろうと一切容赦はせん!! 勝負だローズッ!! フンッ!!」


 ローズの筋肉を見て火が付いたのか、対抗するかの様にポーズを決めて自身の筋肉を見せ付けた。


『うおおおおおお~~~~~~っ!! 親方~~~~~っ!!!』


「我等の親方が来た~~~!!」


「親方~~っ! 次の大会は俺が絶対に勝~~~つ!」


 観客の熱き男達は王牙の登場に大絶叫し、竜太も同様、雄太は叫びながら宣戦布告をしていた。


「流石は王牙さんだ。あの人が登場しただけでローズ以上の声援を送られている」


「当然じゃ。あやつはワシ等の主で、此処におる者たち全員慕っておるからのう」


「ま、かくいう俺や師匠、そしてローズさんも王牙さんのカリスマ性に惹かれて此処にいるんだけどな」


「そうじゃのう」


 実況中だと言うのにも拘らず、和哉と竜三は王牙を見てしみじみと思い出している。


 と、そんな時……。


「和哉ちゃ~ん、早く試合を始めてくれないかしらぁ~?」


「早くしろ和哉!」


 ローズと王牙が試合を始めろと言い、


「早く試合を始めてくれ~!」


「こっちは二人の試合を見たいんだよ!」


「ローズ様の勇姿を早く見せて下さい!」


「和哉~~! 親方に無礼だぞ~~っ!」


「さっさと始めろや~~! 俺の熱血騎馬軍を呼ぶぞゴラァ~~ッ!」


 観客席からはブーイングが飛んで来た………竜太と雄太は和哉に対するブーイングではなかったが。


「………ゴホンッ! 大変失礼しました。師匠、悪いけどゴングの準備を」


「ワシは解説役なんじゃが……。まぁ良いじゃろう」


 和哉は観客達に謝罪しながら竜三にゴングを用意させると、すぐ司会に専念する。 


「それではこれより “ローズ VS 鳴神王牙” の試合を始めさせて頂きます!!」


「(ガシッ!)王牙ちゃん、手加減はしないわよぉ~!」


「(ガシッ!)俺もだローズ!! お互いに全力を尽くそうではないか!!」


 試合前の固い握手をするローズと王牙。


「この大会でワタシが勝って、称号とチャンピオンベルトは頂くわ!!(バチバチ!!)」


「やれるものならやってみろ!!(バチバチ!!)」


 握手してもお互いに勝利は譲らんと言わんばかりに、目を合わせて火花を散らすローズと王牙に、


「お~試合前から凄いですな~」


「これは面白い試合になりそうじゃわい。やはり解説役になって正解じゃったわ」


「とか言いながら、その抑えに抑えてる闘気は一体何なんだ? 全身から溢れんばかりの感じだよ」


 二人の睨みあいに凄んでいた和哉であったが、全身から溢れる闘気を必死に抑えている竜三を見て少し呆れ気味に突っ込む。


「「「「「「「「「戦う前からすげぇ~~~~!!!!!」」」」」」」」」


 観客席側は燃え上がる熱き魂を見せているローズと王牙に叫び声を上げる。


『さあっ! それでは試合開始!!』



カンッ!!



 和哉の宣言に竜三が試合開始のゴングを鳴らすと、リングにいる二人は速攻で仕掛けた。

旅人『ハッハッハッハ~。ローズと王牙の熱き戦いの開幕だぁ~!』


修哉「観客達の殆どが男ばかりで、会場が熱気に包まれて凄く暑苦しい……まるでサウナだ」


旅人『それでは後編をお楽しみに!』


修哉「まだ続くのか……」

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