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繰り返す『不幸』と『サイト』

「大丈夫。大丈夫」

自分に言い聞かせるかのように、神子は呟いた。 神子は少し時間をおいてからバッグの中に筆箱を入れた。塾の講師とは言っても、筆箱を持っていけば後は教室に置いてある着替えを着ればいいという楽な仕事だ。もちろん、生徒の成績を上げなければいけないという使命感があるから疲れるが。 バッグを持って玄関を出ると、近くのバス停に歩いた。この時間に出れば30分前には着く。遅くても10分前に着けば間に合うから充分な時間だった。

 「まだかなぁ」

もう、バスが来る時間は過ぎている。4時45分に来る予定なのに、なかなか来ない。もう5時2分だ。17分過ぎてこないならば、もう次のバスを待つしかない。

 ―こない―次のバスの時間も過ぎたころ。神子は若干焦りを感じ始めた。5時23分。電車の時間を考えればもう行かないと遅刻をする。今からバスがきても、もう遅いだろう。その時、1台のタクシーが来た。

「お金ないけど……」

神子は遅刻をするよりはましだと考えて、タクシーをとめた。運転手は30代後半くらいの男性だった。

「すみません。△○駅の近くの塾に行ってください。できるだけ急いでください」

神子は急ぎ口調で運転手に告げると、後ろの座席に乗った。

「分かりました」

運転手は冷静な口調で返すと、タクシーを走らせた。

タクシーは最初の15分程度は順調に走っていたのだが、市道から県道に出た瞬間、混み始めた。神子はケータイを確認すると、塾に電話を掛けた。

「すみません。松星です。バスがなかなか来ないのでタクシーに乗ったんですけど」

『うん。だったら間に合うよね?どうしたの?』

「いえ。それが道が混んでしまって……少し遅れます」

『ウソ!?こっちも忙しいんだよなぁ……まぁいいや。でも、なるべく急いでね」

「はい、わかりました」

神子は木村にそう伝えると、ケータイを閉じた。―おかしい―この時から神子は感じ始めていた。こんな不都合が何度も連続で続くわけがない。なんとなく、ケータイをもう一度開いてネットを開く。

『鈴 呪い』

そう検索すると、15000件のヒットがあった。ネットの情報は基本的に開かれている回数の多い順、または新着順にならんでいる。神子は一番最初のページをクリックした。

『~ノロいのスズ~

  このサイトは、明治時代初期に作られた呪われの鈴に関するサイトです。

  明治時代初期にその鈴は作られた。別に、特別な理由があって作られた『物』ではなく、工場で大量生産されたうちの1つである。しかし、その鈴は利用価値がなかった。他の鈴は色々な用途で使われたが、その鈴は使えるものがなかった。そのうち、鈴は『自我』を持ち始めた。その鈴を持った『人間』を『不幸』にする。鈴を持った人間は助かる方法は2つ。『死ぬ』か『欲しがっている他人に渡す』ことだけ。鈴の『不幸』はレベルが上がっていく。いずれは死ぬことになる。制限時間は1日。その鈴を持ってから1日後には死ぬ。それほど呪いが強い。誰かに渡すことによって『人間』は助かる。

  その鈴を見分けるには。鈴の中をみて欲しい。中に光が入ってなくとも、鈴の中には『龍』の文様が刻まれているだろう……』

そのページは続いていたが、神子は筆記用具の中にしまった鈴の中を見た。

「……!!うそ……」

驚きとともに襲ったのは不安。刻まれていたのは、『龍の文様』。


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