【第1章】序論――∞(無限大)と0(ゼロ)の狭間
「∞≒0」「量子の揺らぎ」「宇宙の調和の原則」を有機的に関連づけながら、宇宙の起源と構造を考察する試みを提示します。全体を複数の章に分け、歴史的・数学的・物理学的・哲学的視点を織り交ぜながら論じていきます。
「∞≒0」という、一見すると真逆の概念が等価であるかのような逆説的表現は、古今東西、多くの思想家や科学者たちを魅了してきました。無限大を示す∞と無を象徴する0。この二つは通常、絶対的な対立項として捉えられます。しかし、リーマン球面やトポロジーの観点、あるいは東洋思想でいう「円環的世界観」においては、極大と極小がひとつのループのなかで繋がり合う様相が浮かび上がってきます。たとえば数学的には「無限大へ飛んでいく座標」を一点に潰し込み、そこを特別な「無限遠点」として扱えば、平面全体を球面へと写像し、∞が0に近い挙動を示す状況を定式化できます。
さらに思想的・形而上学的に考えるならば、最も大きいものと最も小さいものがじつは同じ地点に収束しうるという円環的イメージは、「始まりと終わりの一致」や「存在と無の交錯」を暗示します。この「∞≒0」の感覚を、量子の揺らぎや宇宙の調和の原則と結びつけることで、宇宙そのものの起源と構造をより多角的に理解できるかもしれません。本稿では、その試みを段階的に展開していきます。




