第39話〜明鏡、王公大人を導きて〜
「―――これが、かつてここに帝城があったということを後世に伝えるための記念碑だよ。」
アルケーの丘の頂上に、その記念碑は立っていた。
記念碑は、半円型の形をしており、丁度私たちの膝の下くらいの高さだった。
私は、しゃがみ込んでその記念碑をよく見てみると、その記念碑は黒曜石でできており、マギア帝国の国旗とマギア家の家紋、そして古代マギア語で何かが彫られていた。
「これは何て書いてあるのかしら。」
私が尋ねると、アンサスは私の隣にしゃがんで
「ええと…【我、記憶と共にここに眠る】かな。」
「記憶…。」
確か、詩の中で【記憶の中から取り出して】って言っていたわよね…。
「アンサス。」
私がそう声を掛けると、アンサスも同じことを考えていたようで、こくりと頷き
「この記念碑の下を調べてみよう。」
そう言ってアンサスは、立ち上がり2、3歩後ろに下がった。
そして、地面に右手をかざし
「【探索】。」
と言うと、アンサスを中心に白金色の輪が広がっていき、辺り一帯に広がっていった。
そして、記念碑の真後ろから、白金色の光の柱が立ち昇った。
「そこか。」
アンサスは光の柱の所へ移動し、光の柱が立ち昇る地面に右手を置いて、さらに呪文を唱えた。
「【発掘】。」
すると、ボコッボコッと音がして手のひらくらいの古い手帳が地面から出てきた。
この一連の流れが早すぎて、私はただ目を丸くしながらアンサスを見つめることしかできなかった。
アンサスがその黒い表紙の手帳を手に取って、優しく土を払った。
その表紙には、これも白金色の糸で文字が刺繍されている。
「これは…《皇帝の手記》と書いてあるね。」
「《皇帝の手記》…ここに何か書いてあるかしら。」
「そうだね。」
手記をパラパラとめくるアンサスが、あるページで手を止める。
「これだ…。これだよ、フィーリア。」
アンサスが示すページを覗き込むと、そのページには、真ん中に小さな手鏡の絵が描いてあるだけだった。
「―――この手鏡を重ねるのかしら。」
私がアンサスに尋ねると
「そうだね。やってみよう。」
と言って、手記の手鏡のページをを私の方に向けて持ち直した。
私がそのページに手鏡を重ねようと、鏡を向けた瞬間―――
「きゃ…!」
「くっ…!」
私たちは眩い光に包まれた。
◇
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