第1話 ココは一体どこなんだっ!?
遅刻したぁぁぁぁぁっ!?って...
飛び起きたら...
鳴っていないアラーム、かつ
みたことのない部屋の中。
よくある感想...だけど、ここ、どこだ???
頭の中は「?」でいっぱいに溢れる。
とりあえず、ベッドで寝ていて、枕元に水差しと着替えがある。
身の危険はなさそう、なら。
一刻も早く状況を確認したい。
部屋を見渡してみると、簡素な家具が置いてある。
ドアが一つと窓が一つ。
日が差し込んでいるので、今は朝から昼くらいか。
ひとまず着替えて、落ち着くために少し水を飲む。
いざ、ドアの外へ。
正面が壁。
右に下りの階段が見えたので、そちらへ降りると、途端に野太い声がかかった。
「よぉ、にぃちゃん、目が覚めたかぃ?
さっきまであんたを運んでくれた冒険者がいたんだが、飛空挺の出発の時間で行っちまったよ。
あぁ、安心しな、いい冒険者でな、おまえさんの宿代はもらってるぜ。
で、調子はどうだい?」
えっ...飛空...挺...?
飛行機の間違いじゃないのか?
そ、それよりも、今の自分の視界に激しい既視感がある...
ここは...
いや、これは夢か?
頬を叩いてみたが、痛い...
ということは...ここは...ここはリムサ・ロミンサだぞ!?
いや待て、似ているだけなのか!?
そんなことがあり得るのか!?
「おい!にぃちゃん!聞こえねぇのか?」
ハッ!
じょ、状況を聞かなくては!
「あの!
オレを助けてくれた冒険者から
どういう状況だったか聞いたりしてますか!?」
カウンターに齧り付いてたずねる。
おやじは、たじろぎながらも答えてくれた。
「昨日、マーケットから都市内エーテライトに向かっていたら、そのもう少し先に倒れていた、としか聞いてないな」
あ、頭が真っ白だ...
自分はファイナルファンタジーXIVを少し前までやっていたが...
このおやじに、現在地を聞いたら確定しまうのか?
しかし、目を逸らしていても仕方ない...よな...?
「おやじ...ここは...リムサ...か?」
途端におやじは豪快に笑った。
「ぶわっはっはっはっ!
お前、ここがリムサじゃなかったらどこだっていうんだ!
いや...?
......にぃちゃん。
...名前は思い出せるか?
家は?」
聞かれて、ハッとした。
ゲーム内でオレはどんな存在なんだ?
おそらくNPCだろう...だって、考えて行動してる...
いや?それはPCか。
しかし"画面"の前に人はいないのだ。
PCの意思を持ったままゲーム内に入る、なんて...
SAOかよ...はは...
おやじにわからないと言ったら、案の定、街のことに一番詳しいだろうからと、冒険者ギルドに行くように言われた。
*SAO…ソードアートオンライン
VRもARも超越した、エヴァンゲリオンのように神経接続をしているかのような没入感でゲームができるとシステムがあるという小説。(確か痛みはない
つづく