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愛って

作者: たこやき

テレビに映るかわいらしい子どもが母親と手を繋いで歩く様子が、ひどく憎たらしく見えた。

どうしてボクの家族はあんなことをしてくれないんだろう。なんであんなに笑えるんだろう。

どうして、なんで、幼いときはそんなことをばかり考えていた。虐待のニュースが流れたときにさえ、いいなぁ、と溢すぐらいに、俺は家族との関係が悪い、というより家族に興味がなかった。

兄も母も父も、みんな、自分一人しか家にいないかのように家を歩く。昔の俺はそれが嫌で嫌でたまらなくて、よく家出していた。

今となってはくだらない事をしたと思っている。家出したって、俺が死んだって、あの人達は悲しむことをしない。だって、俺たち家族はみんな、他人事のように過ごしてきたんだから。

だから、この状況もおかしいと思うんだ。自分で言うのもなんだか、俺は常に真顔でいるから怖いと思う。なのに、今俺の目の前にいる子は、俺に告白してきてる。なんでだろう、わからないが。

愛とか、そんなものもらったことはない。だからそういうこと(好きです)なんて言われてもね。わからないんだよ。


「ごめんね、俺、そういうの、わかんないから」

「だったら私が教える!」


そう言いきった彼女を見つめる。正直言って、ビックリした。教える、なんて言われたのは初めてだから。

告白はまた愛が何かわかったらする、なんて宣言する彼女はとても可愛らしかった。

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