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始動Ⅱ





エーブラム殿下の直属の配下だと!?





冗談じゃない!!

それならラクーン公爵で下女した方がマシだ!!





「お待ちください。せっかくのお話ですが、なかったことにしてください」





「アメリアだな。まずは話を聞け」





エーブラムはニヤリと笑いながら言った。





「話を続けるぞ。

まずは現在、アラスティア王国には2人の王子がいらっしゃる。前王妃様のお子であるエーブラム殿下と現王妃様のお子であるライアン殿下だ」





「俺たちはライアンが王位についたら、この国は終わると考えている。それを阻止するには俺には味方を増やす必要がある。力を貸してくれ」





「その前になぜこのような大事な話を私たちにしたのですか?」





意外にも質問をしたのは、シャーロットだった。





「現在、権勢をもっているのは現王妃とその父である宰相のイーサンだ。自分で言いたくないが権力を持っていない王子側につくのはリスクがある。それなのに自分の正体を言わないのはフェアではないだろう」





「私は家の階級を上げるために、魔法騎士を目指しました。家の階級を上げるためには、現王妃様と宰相側につくべきでしょう。ですがその横暴さには目があまります。私は喜んでエーブラム殿下にお仕え致します」





「アメリアはどうだ?」





「大変申し訳ありますせんが、お断りさせてください」





「理由を聞かせてくれ」





「私は王族や貴族といった方々が嫌いなのです」





「失礼だろ!アメリア!」





「よいトックス。それはなぜだ?」





「人や物事を決めつけ私たち平民を人と思わない方々を数多く見てきました。関わりたくないのです」





「ではアメリアこう考えてくれ

私は王位に継ぐまでにこの衰退したアラスティア王国を最強国家にするつもりだ。俺ではなく国に仕えて欲しい」





「....王子であるあなた様ではなく、国に仕えろですか?」





「それで良いのですか?トックス様」





「そんな者が1人位いても良いだろう?お前から見て国のためにならないと思った時は捨ててもらって構わない。暇を与えよう」





自分のことを捨てろという高貴な人....いや人間を初めてみた。





面白い.....





「厳しい目で見させていただきます」





「望むところだ。さっそくだがお前たちに解決してもらいたい事件がある」

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