表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/55

Phase1-1 改良案

ここから、Act2が開幕します!



ゴールデンウィークに突入した。


あのロバの件以来、『非日常』は発生していない。


しかし、望団に休みは無い。




「おっはよー……う!?」


ミユが、望団の拠点と化している生徒会室に入った。そこには、リョウと……


「リョウ!? 私の家の地下にあったやつだよね!? この機械!?」


とにかく巨大な機械があった。それについて、リョウが説明した。


「お前も知っているだろうけど、デバイスを弄る機械だ。俺の家にもあるが、こっちの方がよりレベルの高い改造を施せる」

「そーゆー問題じゃないよ! なんでコレがここにあるの!?」

「昨日の深夜の内に、学校と北原家ぐるみでここに運び出した。色々都合が良かったらしいから、スムーズに交渉が進んだ」


ミユの頭の中は、こんがらがっていた。そこに、サユリがやってきた。


「あら、まだ2人だけなのですね。それはそうと、朗報です。使っていない教室を、望団専用の部屋にすることが決まりました。ここにある機械も移動させないとですね。なんでこんな物があるかは知りませんけど」


取り敢えず、机とかを運ぶことにした。数人の教師と、通りがかった野球部員が手伝う。しかし。


「こんな機械……どう運べってんだよ」


最後に残ったのは、非常に大きな機械。一つだけだが、かなり大きく、重たそうな見た目。


「これは……業者呼ぶか」




所変わって、新たなる望団の部屋。機材とかは全て、運び終えた。団員全員と、何故か来たミヅカとアヤカがいる。


「兄貴、今日はあまり関わらないでおくから。しっかり私に依存しないで頑張って」

「ああ、分かっている。――――今回は、俺から話がある」


リョウは、あることを提言した。


「今まで、デバイスの機能を改良しようとはした。だが、いい案が思いつかなかった。そこでだ。お前達のアイデアを提供してもらいたい」


つい最近、デバイスに装備していたのに、使用できなかった『通信機能』を使えるようにした。だがしかし、それだけでは、何かが不足している気がした。だから、リョウはこう提言した。


全員が考える。何が足りない? 何があれば戦闘を有利に進められる? そう考える。そして……


「まず私からね」


先陣を切ったのは、ミハヤだった。


「頭部にライトか何かが欲しい。あの暗闇の中では、敵がどこにいるのかだったり、皆がどこにいるのかとかも分からないから。それさえあれば、夜も戦闘を有利に進められるはず」

「ライトか。やってみるか」


リョウは、機械に備え付けられて椅子を引き出し、機械を起動させる。


「一応、頭部にスペースがある。その辺にライトを付けられる。形は、個人の好みで決めろ」


ということで、各々が注文していく。




そして、1時間後。


「試験的に、俺の物にプログラムを打ち込んだ、これで、変更が反映されているはずだ。今からテストしてみる」


全員、外に出た。リョウが、試験的に変身する。


「右のデバイスのこの辺に、ボタンを追加している。それを押せば、ライトが点くはずだ」


そのボタンを押した。すると、頭部のライトが点灯した。


「なんか電車の前照灯っぽい」


ミハヤが指摘したその形は、まるでパ〇ラ〇スー〇ー(〇鉄1000系)の前照灯のような形である。


「そういう意図はないけどな。そう見えるなら、そうなのだろうけどな」


リョウが、変身を解除する。


「何かともったいない気がするが、ここは変身解除しないと、改良できかいからな」

「まぁ、気にせずに戻ろっか」




教室に戻って来た。


「この部屋に、名前を付けておかないとね」


名前のない教室。名前を付けようと、タツヤが提案する。


「名前……か。全く考えていなかったな。ここは団長の判断に任せる」

「ぁ……そういえば、私が団長でしたね……」


この望団に、団長という役職があったことを思い出した、団長のサユリが部屋名を、直感で決めた。


「『北九州対非日常拠点室』でいいかしら?」

「「「「「「「「長すぎる」」」」」」」」


考えた部屋名を、8人全員が却下した。考え直す。


「じゃあ……『望団拠点室』で……」

「会長……ネーミングセンス無さすぎませんか??」


あまりにもセンスがない。そんな状況に、アヤカが痺れを切らすように、口を挟んだ。


「何を悩んでいるのよ……。『対策拠点室』でいいじゃない……」

「あっ、それです! そういうのです!」


ということで、この教室の名前は、『対策拠点室』ということになった。


「名前とかはどうでもいいけどな。――――それより、アヤカ。何故お前は、望団に入ろうとしない?」


よく考えてみると、アヤカはデバイスを持っているが、望団員ではない。ミヅカとは違い、望団に入ろうともしない。


「こういうグループに入るのは、あまり好きじゃないわ。あなた達を助ける時があるのだろうけど、あくまでそれは非常時。まぁ、一応、手伝う時は手伝うわ。簡単に言えば、『準団員』と言ったところね」


正式な団員になるつもりは無い。ただ、手伝おうところは手伝う。そんな中途半端な回答に、サユリが……


「あなた……変な意地を張らないで、望団に入れば……」

「だから何ですか。これは私の勝手です。こんな馴れ合いにしっかり浸かるつもりはありません。せめて、足湯に浸かる程度にしておきます。では、私はここで」

「馴れ合いって…………」


望団の活動を、『馴れ合い』と一蹴し、アヤカが意思の硬さを示して帰って行った。


「…………考えていても始まりませんね。続きに行きましょう? リョウ君」

「分かった。次の提案はどうする」


仕切り直して、提案を聞く。そして、タクミが提案する。


「じゃあ、1つ。このデバイスで何かスマホ……っぽい何かを追加してくれ」

「情報収集と連絡とその他色々か……。難題だが、一時期そういうのも追加しようと考えた時期がある。その構想に使った紙が俺の家の中にあるはずだ。それを引っ張り出してくるか。ということで、その話はしばらく先な。多分、かなり時間がかかる内容だ」

「待ってるからな」


次の提案を募集する。ミユとミハヤとヒカリが、話し合って3人で提案する。


「「「何か個性のあるデザインにしてくださーい!」」」


現在の戦闘スーツのデザインは、アヤカとサユリの物以外は、色が違うだけのものである。3人は、それに個性が欲しいと頼み込んだ。


「個性……確かに、それぞれ違うデザインであれば、色以外で認識できるな。どういうのがいいんだ?」


そのまま、聞き込んだ。現在、使用者が居ない風のデバイスと、勝手に帰ったアヤカの分も、決めていった。


「試しに俺の物にデータ入力をしてみたが……これ、完全にお前の趣味嗜好だろ」


リョウが指摘したものは、ほとんどがミユの趣味嗜好である。


「いいじゃん。かわいいじゃん。ね、ミヅカ」

「兄貴にそれは……とっても似合う! 兄貴にはなんでも似合う!!」


やっぱりこの2人。ミユとミヅカが笑い合う。




その日は、ここで解散となった。時間は、気付けば夜の7時半。辺りはすっかり暗くなっていた。


枝光駅構内。


「あのデザイン……ちゃんと反映されるの?」

「いつかする」


リョウとミヅカとミユが横並びに座っていた。すると……


「兄貴? 何? あのワイヤー。かなり太いけど」

「北附の方に伸びているな……はぁ!?」

「人が飛んでる……!?!?」


ワイヤーを使って飛んでいる人がいる。まるで、某巨人漫画のようだ。剣はないが。


「何かあるに違いないな。……実験から数時間経ったな。非常時にもデバイスを使える。行ってくるか」


リョウが、全力疾走で北附まで戻っていく。




北附の中。


「望団の部屋の鍵は手に入れたな……ザルすぎるだろ、ここ。俺は望団の人間じゃないのに、普通に貸してくれやがったぞ」


北附の制服を着た男がいる。その男は、対策拠点室の鍵を開けた。


「あの機械……あれさえあれば…………あった。あれか」


デバイスが入ったケースがある。1つだけ残った、05と書かれたデバイス。


「有難く貰うか……あっ」

「お前……何をしている!?」


謎の男とリョウが、相対した。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ