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Phase4-3 反省、記憶

ミヅカは、管理棟の方へ走る。道中、飼育員たちが避難誘導をしていた。それを手伝うために、ミヅカが近づいたが……


「急いで避難してください! 園内は大変危険です!」

「でも……」


係員に、避難を促されるも、ためらうミヅカ。しかし、後ろから多くの客の波が迫る。ミヅカは、その波に飲まれてしまった。


(兄貴……少しでも……役に立ちたいのに……)




戦闘中の7人。タツヤが作った、氷の土台の上にいる。


「何回斬ってもダメだな」

「肉が硬すぎるね……」


タクミとタツヤが、ロバに攻撃し続けるが、ほとんど通用していない。


「どうすれば……ん? なんか、あそこら辺……パニックになってない?」


ミユの目線の先には、混乱している人々の姿があった。


「リョウ? あれもどうにかした方が……」

(ここで避難誘導をしたら、人員が減ってしまう。しかし、一般人が戦闘の巻き添えを食らう場合も考えられる……どうすれば……)


リョウが悩み続けていた時、7色の光が……


「馬鹿みたいに考えても、何も始まらないわ。何人か誘導に回した方が得策よ」

「遅かったな。というか、それ持ってきていたのか」


アヤカが来た。変身済み。


「まあ、かなり立ち上がりが遅かったけどね。どれだけ時間を使うの? あの機械」


アヤカが、レバーを倒して変身完了するまで、かなり時間がかかっていた。


「試作機だからな。――――指示を出す。タクミとタツヤは避難誘導を手伝い、二次被害の増加を防げ」

「よし任された。行くぞ、タツヤ!」

「分かった。ここは……任せます!」


タクミとタツヤは、避難誘導に向かった。


「さて……アヤカ、お前には2人分の戦力になってもらうぞ」

「あなたに色々言われるのは、私の道理に合わないけど、仕方ないわね」


アヤカの身に走る帯の色が、黄色になる。


「これでも、あのような幻覚は使えるかしら」

「若干、質は低い。ただ、撹乱させるには十分だ」


アヤカが、周囲の光をシャットアウトした。これも、光の力だ。


「ミハヤさん、闇の中ならば、あなたのテリトリーとなるはずよ」

「おぉ……ナイス! 力がみなぎる!」


ミハヤの移動速度が上がり、攻撃力なども上昇した。しかし……


「あー……みんなどこ?」


あまりにも暗すぎて、誰がどこにいるのか分からなくなった。その時……


「おい、ミハヤ? 聞こえるか? 俺だ。リョウだ」


ミハヤの耳元から、リョウの声が聞こえてきた。


「あんた!? どこにいるのよ!?」


ミハヤが混乱している。


「通信機能を試験的に使っている。伝わっているのならば、それでいい」

「ちょっと!? ここからどうするの!? 強くなった気がするけど、何も見えないよ!?」


真っ暗闇の中にいる。ミハヤが、どうすればいいのかと聞く。


「おそらく、正面100mぐらい先にロバがいる。必殺技をかけろ。ここら辺の闇を吸い取ってから攻撃しろ。変な方向に打たれたら大変なことになるからな」

「訳わかんないけど分かったよ! えーい! 呑まれろ!」


闇を吸い取り、エネルギーにする。ロバが目の前にいる。


「ハザードブラストォォォォォ!!」


全力の一撃が、ロバに当たる。ロバが、倒れ込み、爆散する。


「おぉ……」





「どうにかなったな」


9人は、帰りのバスの中で、話し合っている。


「リョウ、今回の反省ね」

「うげぇ……」


リョウは、自分の友情うんぬんで来たことを思い出した。


「とにかく、もっと楽しそうにすればよかったのに。ほとんど真顔だったよ? リョウをおちょくった時以外」


真顔だった。動物に対するリアクションも、大して無かった。


「次。少しばかり戦闘の人数が多すぎる気がするね。半分でよかったかもね」


確かに、全員変身した。ただ、いざ戦ってみると、タクミの攻撃ように、通用しない物もあった。


「そこは考え直さなければな」

「いやいや、友情とかについても考え直してよね??」




リョウとミヅカが帰ってきた。


「あー疲れたー。兄貴、楽しかった?」

「楽しい……か。結局、戦うことがメインだったしな……」

「それでも、少しばかりは、みんなと仲良く出来たんじゃないかな」

「そうか……」


夕食の準備を始めたリョウに、ミヅカが戦闘の件を言った。


「やっぱりさ、兄貴と一緒に戦いたいな。兄貴に任せていたら……」


リョウが、料理している手を止めて、こう言った。


「ミヅカ、言っておくがお前を戦闘に巻き込みたくないのは……お前を失うことが怖いからだ」


ミヅカが戦うことが怖い。もう、家族を失いたくない。リョウは、そう思っていた。


「兄貴……でも、デバイスをつけている以上、死ぬことは無いんじゃないの?」

「万が一だ。だから……お前は普通の女子高生として……生きていて欲しい」

「そう……なんだ」


そのまま、ミヅカはベランダに出た。


「どうなることやら……兄貴……」







深夜の3時。俺は、ベランダに出て、姉が死んだ後のことを思い出していた。





「俺は……姉貴の仇を討つ。それまでは……俺は死なないし、死ねない。そして、お前を失いたくはない……だから、守り抜く」


幼き俺は、祖父達にそう言って、川崎の祖父宅を後にした。送迎係と共に、そのまま新たなる生活の場へと向かった。




目を覚ますと、俺の目の前に食事が用意されていた。ミヅカは……気持ちよさそうに寝ているな。幼いながらも、俺はその姿が尊く見えた。……人影か?


「パパ……あの子、だぁれ……?」

「あの子は、新しいお友達だよ? ミユ、仲良くしなよ?」

「うん!」


あれは誰だ? 男1人と、女児……親子か? それ以前に、ここは何処なんだ? 家と言うには広すぎるし、少し無機質だ。というか、何故廊下が……窓から複数の子供が見ている。


「おい。ここは何処なんだ。お前達は誰だ。窓から見ている子供達は誰だ」


俺は、そう質問した。


「リョウくんだったかね。ここは、北九州市内にある北原孤児院だ。君のお父さんに頼まれて、ミヅカちゃんと共にここに受へ入れる事にしたんだ。窓から見ているのは、お友達だ。仲良くしてくれよな。んで、私は北原コウイチだ。そして、この子は北原ミユ。私の娘だ。よろしくな」


「よろしくー!」


状況があまり理解できない。この先どうなるのかも――。





俺とミヅカの北九州での生活は、こうして始まった。


そして、気が付けば、高校生になっていた。時が経つのは早い。


今の俺には目標がほとんど無い。ただ、『ミヅカを守ること』と、『姉貴の敵を討つ』という意思だけは、明確に決めていた。


友情か……。その単語に、この先踊らされていくのだろうか。俺には、よく分からない。ミヅカならば分かるのだろうが…………




この先、俺がどうなるのかなんて、俺には分からないし、きっと誰にも分からない。

これで、Act1はおしまいです。


『自分の妄想がどこまで通用するのか』。それを頭の中に入れて、これを執筆しています。


それはともかく、面白かったでしょうか……?


読者サイドの感想とかが無いと、参考にするものがありませんので、評価とかお願いしますm(_ _)m



ここからは、RS本編で語ることがあるかどうか分からないような北九州のお話です。


今回は、有名な観光名所からです。


八幡製鉄所。世界遺産です。スペースワールド駅からよく見えます。過去の栄光。北九州市全盛期の象徴。


門司港。門司港駅は、最近改修工事を終え、色々新しくなっています。また、隣に九州鉄道記念館など、色々あります。


最後に、平尾台。三大カルスト。鍾乳洞もあり、自然豊かな場所です。ただ、アクセスは……



Act2以降は、3日に1話分の投稿となります。


ということで、ここで筆を置きます。



ここまで読んでくださった方に、感謝を。

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