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Phase1-3 尋問、呼出

「いよーし。本題に入ろっか」


ミユが、SNSに上げられた動画を見せつつ、話を始める。


「え……兄貴、何コレ?」


ミヅカも、面白そうにそれを見る。


「いいから、質問を早く出せ。そして帰れ」

「そう言わずに。内容は、あの機械。コソコソ作ってたのは知ってたけど……どういうこと?」


あの機械。入学式直後にリョウが使った、あの2つセットの機械。ミユは、リョウがそれを作っていることは知っていた。


「何となく持ち歩いてた。そしたら、カマキリが出たから対処した。それだけだ。お前にこれ以上……」

「――――足りないなぁ。全く足りないなぁ。もっとさ、作ったきっかけとかさ、まだまだ色々あるでしょ」


リョウの顔が少しずつ焦りを含めた顔立ちになっていく。


「っ……仕方ない。作った理由は……有事に備えるためだ」


作った理由を、リョウが明かした。


「え、ちょっと? 話の内容から考えたら、戦っていたのって……まさか兄貴??」

「正解だ」


ミヅカの疑いは正解であった。動画で戦っている人の正体を知ったミヅカは、


「凄いね! さっすが兄貴!」


何故か嬉しそうだ。ものすごく嬉しそうだ。


「なぜ喜ぶ……。あと、例の機械がまだ複数ある。少し待っていろ」

「「え?」」


ミユもミヅカも、あの機械が複数あるとは思っていなかった。あんなトンデモ機械がいくつもあるとは誰も思わないだろう。


「これだ」


そう言って、リョウがケースを開ける。その中には……


「うわぁ……兄貴、何個あるのこれ。流石にちょっと怖い」

「おぉ……1つ……2つ……8つあるね」


8つセットの機械があった。それぞれ、00、01、02……とナンバリングされたものが7つと、X01というものが1つ。あと、1つ分の空白がある。03と05の間だ。04の所は何もない。


「この8つと、リョウのもので全て? 04が無いし、それがリョウのもの?」

「ああ。あと、機械に関しては、まだまだ地道に増備中だ」

「兄貴……その……1人で戦争でもする気なの?」


そう言うのも仕方ない。あの動画の凄まじさ。1人であんなに大きなカマキリを倒したのだ。そんなものがあと8つも、しかも未だ増備中と。1人で戦争でもしない限りは、そんなことは誰もしようとしないだろう。


「今まで、休みの日に部屋から出てこないことがあったけど……そういうこと?」

「…………」


リョウは、黙り込んだ。


「まぁ、兄貴のことだし、どうせ何かコソコソしてるんだろうなとは思ってたけどね」


ここで、『コソコソ』という単語に、ミユが反応した。


「コソコソってナニとか?」

「まさか。兄貴みたいな性欲ナッシング野郎にそんなことがあるわけないじゃんw」

「そうだね!」

「「あははははははは!!」」


(うーわぁ……これだから、ミヅカとミユは会わせたくないんだよ……)


こうなった2人は、誰もついていけない。と、ミユのケータイが鳴る。それを取り、通話を始める。


「あーもしもし? サユリちゃん? うっ……会長? どうしたの? ……うん。分かった。明日の朝ね。はいはーい」


ミユが電話を切った。謎の会話を繰り広げていた。その通話内容を、リョウが聞く。


「何だ? サユリとは誰だ?」


このリョウの発言に、ミユが驚いた。


「えぇ!? 今日の話を聞いていなかったの!? 生徒会長の!」

「………………」


リョウは入学式の話など聞いていない。故に、生徒会長が誰か、更には教師の名前も、顔さえも覚えていない。同級生の名前も顔も、何もかも。


「兄貴らしいね。人の話はよく聞いとけっていつも言ってるけど」

「ま、それはそうと、明日の朝にリョウを引連れて学校に来いって言われたから。よろしくね」

「……は?」


勝手に話が進み、勝手に決まった事柄にリョウは困惑していた。

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