*。*:゜レアリー論文『肉曲線』 ゜:。*
私はレアリー・ホワイトウェル。趣味というわけではないが、魔術について色々な理論を組み立て、まとめるために論文を書いている。
ぼっちの私には今までそれらを発表する場などなかったのだが、最近「小説家になろう」というサイトの存在を教えてもらった。
せっかくなので今まで書き溜めた魔術理論の一端を皆さんに紹介しようと思う。
もし気に入ってくれたなら、「いいね!」して欲しい。
サイトのことを教えてくれた古川アモロさんとニニコ・スプリングチケット嬢のお二人には、格別の感謝を。
●今回の講義テーマ
私ことレアリー・ホワイトウェルは、愛について考えている。
先日、鳴海酒というお姉さんに愛とは何かと聞いてみた。
お姉さんは言った。
そうだ、男はみんなおっぱいが好きだ。
しかしそれでは、酒お姉さんも私も勝ち目がないではないか。
――いや、そんなはずはない。それならすでに貧乳遺伝子が絶滅していてもおかしくないはずだ。
実際に調べたところ、世の中には貧乳好きな男性もいるという。
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そもそも私はモテたいのではなく、結婚というやつをしてみたいのだ。
これでは、いわゆる都合のいい女のレッテルを貼られてしまう。
私は酒お姉さんとは違うのだ。
重要なのは食いつかれることでは無い。
食いつかれた後、離さないことなのだ。
知っているだろうか、男が思う「モテる女」と、女が思う「理想の女」とは隔たりがあることに。
女性が思う以上に、男性はぽっちゃり系に優しい。寛容だ。
ここで言うぽっちゃりとは、でぶではない。おっぱいを前提にしたむっちりだ。
しかし逆の意見もある。
だらしない体のおばさんはアウトだと。
そこらのギャップを埋めていくことが、真実の愛を見つけるための秘訣だと私は思った。
そう、そのカギこそが――
白い紙とペンを用意してほしい。方眼紙だと書きやすい。
縦横に線を引き、それぞれをx軸、y軸とする。ああ、第一象限しか使わないから、原点は左下に寄せておいてかまわないよ。
x軸の目盛は、女性の年齢だ。10から50くらいまで取っておけばいいだろう。え、私? 300歳から先は数えていないぞ。
y軸の目盛は、肉付きに関わる値。今回はBMIという数値を使うことにしようか。
日本という国で広く使われているらしいので、君たちにもなじみ深いだろう。
さて、任意の男性を1人用意して、年齢別に理想の体型の女性を想像してもらう。
そしてそれぞれのBMIを確認し、一つずつ座標平面上に点を打っていく。
……どうだろうか、一つのグラフが出来上がったはずだ。
あなたが男性なら簡単だが、女性かもしれないので、グラフはこちらで用意しておいた。
見ての通りだ。弓なりの曲線を持つ、反比例のグラフが出来上がる。
これが、肉曲線だ。
この通り、男性は若い女性にはむっちりした体型を望み、年齢が上がるごとに痩せていくのを好むようになる。
注意してほしいのが、x軸は”女性側の”年齢ということだな。
え、そんなことはない? なんとかっていう人気アイドルは痩せてるよーだって?
バカめ、お前は20代と40代とで別の女性を想像しただろう? そのアイドルが40代になって今より太っていた時、その情熱がさらに増していたら謝罪してやろう。
え、折れそうな足がいい? 10代?
……お前ら。
ええと、私が言いたいのは、顔や性格など取っ払って、完全に女性の体つきだけを見た場合の話だな。
君らだって、教科書を読むときは摩擦や空気抵抗を無視するだろう?
つまりこのグラフから何が読み取れるかというと、
肉曲線に従い、若いうちに太った状態で結婚相手を見つける。
そして年を経るとともに痩せていくのが、夫に長く愛されるコツじゃないかと思うわけです。
……え、なに、お姉さん?
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最後に大切なことを言っておこう。あのグラフはそのままでは使えない。
当たり前だけど、男性ごとに好みのタイプは違うからね。
ということで、男性ごとに算出された理想の女性のむっちり度を、数値P(ぽっちゃり係数)とする。
これを比例定数として入れることで、このグラフは完成されるのだ。
そうだ、この数値P(ぽっちゃり係数)こそが、真にモテるための数値。
生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答えなのだ!
私は研究に研究を重ね、この数値Pに対して真に驚くべき算出方法を発見したのだが、書き残すにはこの余白は狭すぎる。
知りたい人のために、今回は特別に有料コンテンツで――