邂逅
俺が、その家と言うより屋敷と表現するべき家屋の門の前で立ち尽くしていると、「ギィ」と音をたてて門がひらき、中から二十歳ぐらいの黒髪黒目美人な女の人が出てきた。
「はじめまして。あなたがスバルちゃんね。とりあえず、中にいらっしゃい。」
そう言って、女の人は屋敷の中に入って行く。他にどうしようもないのでついていく。
女の人は少し歩くと玄関から屋敷の中に入っていき、大きな庭が見える部屋に入り、テーブルの奥側の座布団に座った。そして、俺にその向かい側の座布団を進めるので、座る。ちなみに、玄関に入る時に靴は二人ともぬいでいる。
にしても、この人綺麗だな。
「ふふ。ありがとうございます。」
「えっ」
何で考えてることがわかったんだ?もしかして、口に出てたぁっ。
「いえいえ、口には出てませんよ。顔には出てましたが。それに私にとって人の心をよむ程度簡単ですので。」
マジですか。
「マジです。」
…あっ、はい。
「それで、ええと、あなたがチュートリアル的なことをしてくれるんですか?」
「はい。ですがその前に自己紹介をしておきましょう。私は超越神と呼ばれているモノです。」
「ええと、涼宮 昴です。あの、名前は無いんですか。」
「無いわけでは無いのですが、たくさんあるので、めんどくさいので、友人などからは超越神と呼ばれることが多いですね。どうしても名前で呼びたいなら、そうですね。セリアとでも呼んでください。」
「はあ、わかりました。セリアさん。」
「ふふふ。はい、スバルちゃん。」
それにしても、やっぱりこの人すっごい美人だなぁ。
銀髪がキラキラして碧眼は吸い込まれそうなほど綺麗だ。ん? あれ、この人、最初からこんな感じだったっけ?最初は黒髪黒目じゃなかったっけ?!。
「おや、気づいたようですね。」
「えっ、あ、はい。そのう、何で姿が変わってるんですか。」
「ふふふ。私は気まぐれなんですよ。なので、よく姿が変わるんです。」
「はあ。」
いや、気まぐれで姿が変わるって、何者だよ。
「超越神です。」
「あ、はい。」
「さて、それでは説明をしましょうか。」
「はい。」
「そうですね、まずは私に頭を近づけてください。」
「?はい。」
何するのかな?
頭をセリアさんにむける。すると、セリアさんは俺の頭に手をのせ―――――
「んぐっ!?」
頭がっ―――頭に何かが!?
そして―――――――――
―――――――――私は知った。