第1章 第五話≪問曜日≫
宮:話数が漢数字だったりただの数字だったり違うじゃないか!と思った人。
芥:はーい
宮:実は法則があります。
芥:こういう回には漢数字って決まっています。
宮:暇で変わり者は人は見つけてみてね。
「普通。とはなんだい?」
え?
ええ、っと。なんですかね。この質問は。
「君を見たら思いついてね。」
え?いつ見たんですか?ずっと後ろ向いてましたよね?
いや、私が気づかなかっただけですね。
「ええ、っと。そうですね。普通ですか。」
とても難しいです。
普通とは、ですか。
普通は平均というわけではありません。
例えば朝食を食べる。普通の行為です。
ですが、朝に食事を食べるのはあり得ないと言う人もいます。
その人が普通じゃないのか、それとも両方普通なのか。
牛や豚を食べるのは普通です。
しかし、宗教によっては普通ではありません。
その人、宗教があり得ないという人はいますか?
いませんよね。
どうしてか。
知っているからです。そういう人がいて、習慣があって、宗教があるということを。
普通とは、
「普通とは、その人の知っている範囲を表すものです。」
その人の普通じゃないものは、知らないからそう思うだけなのです。
ということは、知っていればそのことは普通。
普通は知っている範囲のこと。
どうですか。完璧でしょう。
「なるほど。それが君の普通か。」
その人は肯定のような、納得したようなそんな感じでした。
「君がそういうのならそうなのだろうけど、疑問をいいかな?」
え?何か問題がありましたかね。
「普通でないと知っていることも普通なのかい?」
はい?どういうことっでしょう。
「例えば殺人鬼。これは普通かい?」
「いいえ。」
当然です普通ではありません。
「だが君は殺人鬼がいると知っているよね。なら、それは普通のことでは?」
「いえいえ、それが普通でないと知っている。殺人鬼は普通ではない。というのが普通っということです。」
「ああ、なるほどそういう風に解釈するのか。」
「では、僕にとって殺人鬼は普通だ。」
ん?何て言いました?
「この言葉も普通ではないんだろうが。私は殺人鬼が案外普通であるということを知っている。それは普通のことかな?」
ええ、っと。難しく。
と、いうか意味不明になってきましたね。
最初からですが。
「殺人鬼が普通ってどういうことですか?」
「君たちの普通じゃない。つまり異常。異常な人間の代名詞っと言っていいのかな?良くなくてもよく知る言葉であろうサイコパス。」
サイコパス。ああ、聞いたことあります。ホラー映画でも出てくる異常者のことですね。
「サイコパス=異常者は、まあ、少し違うんだけど。そう思ったほうが分かりやすいからそのまま行くけど。」
「殺人鬼=サイコパスかい?」
………んー。どうでしょう。そう思えるし、思えないし。
「じゃあ、大量殺人犯はサイコパスかい?」
んー。なにか違うような気がしないでもない。
「殺人鬼=大量殺人犯かい?」
同じようで違う気がします。
「殺人犯は、理由があってころす。殺人鬼は理由なく。いや、楽しくて殺す。」
「数によって変わるともいうがね。」
「殺しに対するモチベーションの違いだと僕は思うわけだ。」
「楽しくて殺す。これは案外普通だと思わないかね?」
え?どこがですか?
「君もないかい?昔蟻を踏み潰したり、虫を捕まえてクモの巣に引っ掻けたりして遊んだことは。」
「いえ、ありませんが。まあよく聞きます。」
「それは普通だろ?」
「まあ、純粋ゆえの残虐さもありますが普通とは言えます。」
「それと何が違うんだい?」
いえいえいえいえ。全く違うでしょう。
「人と虫だからは無し。」
「人だから?ふざけないでほしいたまたま人に生まれらだけなのに。」
なるほど。命は平等っという人ですか。
「それに彼等はたまたま殺人鬼になっただけだしね。」
「たまたま虫を踏んだ。」
「殺人鬼の彼等からすればそれと一緒さ。たまたま人を殺した。」
いえ、それは………
「おかしくないよ?」
まるで思考を読んでいるみたいですね。
「殺人鬼には親がいる。生まれてしてなんてそういない。」
まあ、そうですよね。生まれて殺人鬼なんて……ん?何か引っ掛かりましたね、なんでしょう?
「殺人鬼の種は彼等の親が植え付ける。」
「二卵性の双子を別々の人が育てると性格、思考パターン、IQに違いが出るそうだよ。」
「つまりどんな風になるかは親と周りの環境が強く結び付く。」
「彼らだって好きで殺人鬼に育つわけではない。」
「そうなったことに感謝するやつはいるかもしれないが。」
「彼らは普通さ。元々は普通だった。君の思う普通だった。ただ少しずれているだけだ。ただの個性なんだよ。」
なるほどって、いやいや。
「僕の思う普通はどう育ち、どう思うか。それによって変わる曖昧な尺度だと思うんだ。」
おお、これは納得できます。
「おや、そろそろ降りなくていいのかい?」
気付くと私の家の最寄り駅に停車していました。
慌てて飛び降りると、首を傾げます。
あれ?言ってましたっけ?ここで降りるって。
振り向くともう、電車は発車していました。
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「ふむ、不思議な少女だったな。」
その人は電車に揺られながら先程までいた少女をについて考える。
「あれは限りなくこっち側。」
「だが、普通の「表」の少女だった。」
「だが、普通とは言っても。」
「不気味な普通だったな。」
思考を続けると、ドアが開く音がした。
また別の駅に停車したようだ。
すると、その人がいる車両に人が一人入ってきた。
「おや?」
入ってきたのは顔を包帯でグルグル巻きにした2mはあろうかとおもう大男。
「ふむ、こっち側か。」
「お前は「狭間」か?」
喉が潰れたような、ノイズだらけの声にその人は頷く。
「「狭」や「間」を探しているなら人違いだが、「狭間」に住む者かといえばそうだ。」
大男はゆっくりとその人に近づく。
「話をしに来たようではないね。やれやれ、戦闘は嫌なんだが」
その人はゆっくりと立ち上がってどこからかナイフを取り出した。
「一つ。問いをしよう。答えれるかな。」
宮:次回!バトルシーンあり!
芥:か、どうかわかりません。
宮:「その人」が戦うところが想像できん。
芥:そだねー
宮:感想、ブクマ登録してくれたらうれしいです。ハイなテンションになります。
芥:そだねー
宮:………なにそれ。
芥:流行ってるらしいよ?