表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
狭間の住人  作者: Argon
第1章【日常と非日常の狭間】
5/20

第1章 第4話≪不可思議な日≫

宮:どうも。


芥:どうしたんだい?気分でも悪いのかい?


宮:いや、なにもないけど?


芥:じゃあ、なんでそんな静かな入りなんだい?


宮:いや、いっつもハイテンションな訳ではないから。

家に帰ります。

帰宅途中です。

電車に揺られています。


え?いやいや、何もありませんでした。

ええ、何も。な・に・も。何もありませんでした。

死体もありませんでした。

黒い人にも会いませんでした。いえ、会いました。


財布から名刺を取り出します。



殺罪者

坂之宮 和成



これだけです。

電話番号、メールアドレスも一切ありません。


何かあったら教えてくれ。と、言いましたけど、これでは教えることができません。

どうしろと言うのでしょう。

………まあ、一応取っといておきましょう。

必要な時があるかもしれませんし。


あってほしくありませんが。

あんな不気味な人に頼る機会なんて。






あれ?あの人ってどんな人でしたっけ?

黒い人で、不気味で、この名刺をくれた人。


………どんな人でしたっけ?

どんな顔でしたっけ?

どんな会話をしましたっけ?


あれ?え?

記憶がぼやけてますね。

おかしいですね。


思い出そうとしても出来ませんね。

まるで元々無かったように。

記憶がバラバラでチグハグ。虫食い状態です。


これが噂の認知症でしょうか。まだ、ピチピチの女子高生なのに。


頭を抱えて悩んでいると


ふと、違和感を感じました。


周りを見てみると人がいません。

おかしいですね。いつもであれば同じ帰宅途中の学生達がいるのに。

あのせいで時間が過ぎたにしろ、それでもここは田舎ではありません。それなりに人はいます。

いえ、たまたまです。そうです。

たいして、ええ、珍しくない偶然なのです。


「そこの女子学生。いいかい?」


「うひゃ!」


突然の声に驚き、その声の方。後ろを振り向くと頭が見えました。後頭部です。


ああ、人がいたんですね。


いえいえいえいえいえ。

あり得ません。

ちゃんと後ろも見ました。

誰もいませんでした。


「どうしたんだい。女子学生。」


その人は振り向かずに淡々と話してきます。


「い、いえ。ただ、いつからいたんですか?」


「ずっといたさ。少し眠っていたけどね。」


寝ていた。ああ、もしかして横になって寝ていたんでしょうか。

それで見えなかった。

なんだ、背もたれに隠れていただけだったんですね。

良かった良かった。


「それで、いいかな?」


「え、あ、はい。なんでしょうか。」


「うん。××駅ってどこかな。」


「ええっと、あと×つ先ですね。」


あれ?


「そうかい、ありがとう。」


あれ?あの人なんて言いました?

どこの駅の名前を言いましたか?

あれ?私………なんてこたえました?


「もうひとついや、2ついいかな?」


「はい。」


反射的に答えてしまいました。

まあ、いいでしょう。

質問に答えるだけですし。


「とある人をを探しているんだ。」


「はあ、人ですか。」


「ああ、三人でね。一人は着物を来ていてニット帽をかぶっている男。もう一人はプリントのTシャツにジーンズ、下駄をはいていて顔に羽のタテューをいれている男。もう一人が白い布で目隠しした白いキャップ帽をかぶっている女。」


………………いえ、そんな人。いないでしょう。


「見たことないです。」


「そうかい。」


その人は特に何かを感じた訳ではなく。淡々と返します。


「この空間にいられる君ならと、思ったんだけどね。」


ん?何かいいましたかね?

よく聞こえませんでしたし。まあ、いいでしょう。


「じゃあ、最後にいいかな?」


「はい。いいですよ。」


「一つ、問いをしよう」

宮:…………(/ω・\)チラッ


芥:なんだい?


宮:いや、何でも?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ