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狭間の住人  作者: Argon
第1章【日常と非日常の狭間】
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第1章 第二話≪黒曜日≫

宮:三ヶ月ぶりだぜー!待たせたな。


芥:誰も待っていないだろう。

 その人は、なんというか黒い人でした。

 黒いズボンに黒いワイシャツ。黒いベルトと黒縁眼鏡。日本では当たりですが、黒目黒髪。よく見れば靴も靴下も黒い。

 徹底して黒い人です。


 いえ、よく思えば全身黒いファッションの人なんて珍しくともなんともないのですが、黒い人と思ってしまったのはこの人に違和感を覚えたからです。

 なんというんでしょうか。よく知っている街のいつも通る道を歩いていたつもりが、見たことのない道に出てしまったみたいな。

 いえ、今はどうでも良いです。


「んー。」


 その黒い人はじばらく私のことをじっと眺め、首をかしげます。


 ふむ、なかなかのイケメンですね。

 って、そんなことを思っている場合ではなく。


「お嬢さん。どこかであったことがある?」


 黒い人の問いかけに私は首を横にふって否定します。

 こんなおかしな、というか不気味な人。会っていたら覚えているはずです。


「そっかー。じゃあいいかな。」


 黒い人は勝手に何かを終わらせたようで、うんうんと頷き、


「どうした、女子高生。死体の前で固まって。」


 と、その言葉を繰り返しました。

 私は、自分もたまたまこの死体を見つけ、警察に通報しようとしたら突然スマホが切断されたっということを説明します。


 しかし、そこでこんな無滑稽なことを信じるのかと思い、不安になりましたが、


「そうか、そうか」


 と、あっさりと信じました。

 なんでしょうか。私にとって良いことなんでしょうが、不安が更に大きくなりました。


「ふむ、気付いたらっね。」


 と、黒い人は何時の間にか私の隣にいて、切断さてスマホを手に持っていました。

 突然、耳元から声がし、ついさっきまで目の前にいた人が隣にいれば誰だって驚きますよね。

 だから、驚いて黒い人から距離を取ろうとしたけれども躓き、お尻から転んでしまった私は悪くありません。


 黒い人は転んだ私に目もくれずにスマホの断面を眺めます。


「これだけの切断力を持つのは………。」


 何かをポツリと呟きそのあと、死体にも目を向けます。

 切断されたスマホを私に渡し、死体の側でしゃがみます。そして、何の躊躇のなく死体に触れます。


 ええ、あの人、触りましたよ。手袋もつけずに。


 黒い人は、死体の傷口を見るためか素手で血を拭い、マジマジと見つめます。それから、ふむと頷きます。


「動脈をギリギリで切断している。無駄をきらい、死体を見た表の人間を殺さない。「霞」か「靄」の所か。」


 ブツブツと何か考え事をした後、死体のポケットや荷物をあさります。

 今気付きましたが、死体の鞄は私の持つ学校指定のものとよく似てます。学生さんであったようです。


 って、ダメです。現実を見なければ。


「あ、あのー。そうやって死体を触るのってダメだと思うんですけど。」


 黒い人は血に濡れた手をヒラヒラと振りながら、


「あー、大丈夫。慣れてるし。」


 いえ、慣れているとかそういう問題では無いのですが。

 そもそも死体に触るのが慣れているってどういうことですか。


「それに、警察は動かないし。」


 え?


「そんなことよりお嬢さん。君、高校生?」


「は、はい。そうですけど。」


 え?警察が動かないってどういうことですか。

 え?え?


「小野霧高校?」


「はい。小野霧高校二年C組5番です。」


「そこまで聞いていないけど。まあ、いいか。情報は多い方がいい。」


 どうしてそんなことよりを………。この死体も小野霧高校の生徒だったんでしょうか。


「まあ、このぐらいか。」


 黒い人は立ちあがり周りを見渡しました。

 誰かを探すように。


「んー。」


 それからしばらく黒い人は唸り、やがて何か決めたようで、一つ頷くと、


「お嬢さん。忘れなさい。」


 と、言ってきました。


「え?」







宮:岡田 昌美はJKだった!


芥:何に驚愕しているんだい?


宮:黒い人の名前は次回明らかに!


芥:ダレダローナ


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