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第0話 始まり
久々に書く長編の予定です。少しでも興味を持たれた方は、ブクマ、評価お願いします。
ーーザザァ、ザザァ、と波の音が聞こえる。
(……ここは、どこ?)
カレンは頭が朦朧としていた。波打ち際に倒れていた。ようやく意識を取り戻していたようだ。波の海水が下半身にあたって冷たい。
(……起きなきゃ)
カレンは上半身に力を目一杯入れて、上半身を起こした。チェックの洋服の長袖に砂が大量についている。ふと隣を見ると、見知らぬ男性が、カレンと同じく気絶していた。
(……わ、誰?)
カレンはウェーブがかった栗色の髪をかきみだす。銀髪で短髪の男性は、意識を取り戻す気配がない。
死んでいるのだろうか?
カレンは勇気を出して、男性の体を手で揺らした。
「も、もしもーし」
小声で言うが、目を覚ましそうにない。
うつ伏せになっている彼を、カレンは力いっぱいで仰向けにさせた。心臓は動いている。死んではいないようだ。