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ストーンツリー~サブ&トップ~

副町長登場!

「町長のラフです」

「はじめまして、メシートです」

町長が差し出した手を握り返すメシート。

「今回はスリーピー逮捕に協力していただき、町民を代表して感謝する。ありがとう」

町長は深々とメシートに頭を下げた。

あ、これはどうもご丁寧に。

この街の町長やからもっと無茶苦茶な奴かなと思ったけど、この街で一番まともやな。

「こちらがお礼と言っては何ですが、感謝の気持ちを込めて・・・」

ラフは胸元から名刺ほどの大きさの紙を取り出し、両手でメシートに差しだす。

あ、これはこれはご丁寧に。

小さな紙を両手で受け取ったメシート。

「ありがとうございます。これは・・?」

「この街限定のSRカード(意識ない祖父)です」

前言撤回や・・・狂っとるわ。

いや、ある意味正しいのかも知れん。

・・・だいたい、これを貰って誰が喜ぶねんって!

財布すられた兄ちゃんくらいしか喜ばんやろ・・・

あー!俺、町長から限定のカード貰った―!

てな感じで喜ぶやろけどな!

てか、意識ない祖父って危篤やんけ!危ない状態やぞ!遠いところの親戚呼ばないと!

そもそも題材が不謹慎やねん!

まぁお礼はしとかな。

「・・・ありがたく頂きます」

町長に礼を告げるメシート。

「喜んでもらえて何よりです。意識高いこの街限定なので自慢できますよ。そのカードも意識高いだけに、意識他界(ない)祖父ってね」

「・・ハ・・ハハ」

愛想笑いで返すメシート。

亡くなっとるやんけ!!

題材が題材やから笑われへんねん!

ちょっと、上手いこと言ったでしょ?みたいな顔しやがって!

メシートはラフから顔を逸らし、心の中で叫んだ。

「どうかされましたかな?」

「いえ!何もありません!お気づかいなく・・・」

メシートはあわててラフに視線を戻した。

コンッコンッ

ガチャ

ノックの音が鳴り、その後すぐに扉が開いた。

「あなた、さっきの会議のことですけど・・・あら?」

落ち着いた輝きを放つ銀のグラスコードを揺らし、メシート達を見る。

細い腕に抱え込んだ書類の束。

知性あふれる年配の女性。

「おぉ!リミアか。ちょうど良かった!この人があれじゃ、あいつをあーしてあれを解決してくれたあの人じゃ!」

「スリーピーを捕まえてくれた人ですね」

静かに扉を閉め、メシートへ振り返ったリミアと呼ばれた女性。

ラフ町長・・・せめて本人の前では代名詞の連呼はやめようよ・・・

けどリミアって、この街の歴史を調べてたラフ町長の協力者やんな?

「申し遅れました。私、この街の副町長を務めるリミアです」

女性は持っていた書類を机に置き、右手を差し出す。

「メシートです」

手を握り返したメシート。

なんや、本では色んな人に馬鹿にされたって書いてあったけど二人ともこの街のトップやん!

この街の研究を誰よりしてきたからこそ、信頼もあるんやろな。

リミアさんは賢そうやし。ラフ町長の本にチョー天才って書いてあったし。

「そうだわ、これお近づきのしるしに」

そう言ってリミアは、ポケットから薄い銀の箱を取り出す。

なんやなんや!?

あれか?この街で何かあったら、このブローチを見せなさい的な!?

そんで見た人がこれは!?的な展開になるとか!?

んでんで、今まで俺に横柄な態度とってた奴が手のひらクル―ってなって敬いだしちゃう!的な!?

胸が躍るメシート。

箱を開け、名刺程の大きさの紙を取り出しメシートに渡した。

「こ、これは!?」

知性あふれるメシアから貰える物への期待と、見覚えある大きさの紙から感じる不安でメシートの声が上擦った。

「この街限定のSR(面識ないババア)です」

貰った瞬間、上の空になったメシート。

せやろな!銀の箱に入ってたからって期待した俺がバカやったわ!

ほんまいらんねん!!!こういう類のもんは!!

なんやねん!?面識ないババアって!

あれか?買い物してる時に急に

大きなったねぇ~。あん時はまだこんなんやったのに~

って声かけてきて、こっちは・・・おかげさまで、としか返されへんようになる類のババアか!?

そうでもないのにイケメンやね~っていきなり言ってきて、苦笑いしか返されへんようになる類のババアなのか!?

「どうかされました?」

その声にメシートは慌ててリミアに目線を戻した。

アカン、さすがに失礼やったわ・・・

「SRが2枚手に入ってよっぽど嬉しかったのだろう」

メシートの心情を察するラフ。


やかましいわ!!

メシートは頭の中で2枚の紙を地面に叩きつけた。



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