表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

ストーンツリー~スマートストッピング~

なんで、走らなあかんねん。


しかも、こんなけったいな街の奴のために・・・



しかし、あのスリ手慣れとるんか、人ごみん中ようスイスイ走れるわ。

こっちは何回会釈したか。


けどバテてきてんな。だいぶ走るペース落ちとんぞ。

ええ年なんちゃうか?



よしっ、あと、もう少しや・・

飛び込んっでっ・・!


「はぁ・・・はぁ・・・盗んだものを渡してください」

体押えて、うつぶせにして、腕とって背中で固めて、完成や。

なんやあっけないな。


「・・・フッ、この、私が捕まるとはな。抜きを覚えて20年か・・・誰も私を捕まえれなかった。

驕っていたのかもな。この抜きには誰にも負けない自信があった。この技に誇りすらかんj・・・



やかましい!

お前もか!?お前も聞いてないのに昔の自分とか語るやつなんか?

次しゃべったら、ちょっと強めに腕締め上げたろ。


「別にこんなサイフ特に興味はない。知りたかったのだ、私は自分の技がいつまで通用するのか・・カっタタ・・」


なんやねんコイツは!

抑えられてんのに、関係なくしゃべるやん。

きつく締めんのもしんどいんやから。


「しかし、こんな若い奴に捕まるとはな・・・私も引退を考えないとな。

そうなると、この街も一層平和になるな。スリ以外にもいろいろしてっ・・きっつタアァ・・イタァ!」


懲りひん奴やな!

今のはちょっとムカっときたわ!あっさり捕まったくせに!

もう騒ぎが大きくなる前に、さっさと、役人やら、警備の人やら、門番は・・・遠慮するわ、に引き渡そ。


「あー!俺のサイフ盗んだ奴!」


被害者登場か・・・

ちょうどええわ。サイフん中確認してもらって、後はこの人にまかせよ。


「この財布の持ち主の方ですよね?サイフは無事でしたよ。念のため中身の確認をお願いします」

はいっ、彼女からもらったとかいう大事なサイフ。爆発しやがれ。


「あー!ありがとうございます。これ彼女からもらった大事なサイフで・・・」


前に聞いたわ!末永く爆発しやがれ。


「あー!良かった!盗られてない!彼女からサイフと一緒にもらったこの街限定SRカード「意識高い恋人」もちゃんとあります!」


何に使うカードやねん!!!

ふつう、銀行のカードとかやろ!

しかも、どこぞの土産菓子みたいな名前しやがって。


「あー!助かりました!少し待っててください。今から、俺、街の警備呼んできます!」


「よろしくお願いします。」

えー。ここから全部任せよう思ってたのにー。

あまり、この街の奴とは関わりたくないねん!

精神的に持たんから!

悪目立ちしたくないからはよ帰ってきてな。



「・・・ることで、私は誰かに止めてもらいたかったのかもしれないな。しかしこの街も昔に比べるとかわっ・・・」


ずっとしゃべってたん!!?

俺が変なカード見せられてる時もずっとしゃべってたん!?

しかも、昔の自分語りパート終わったのに、昔の街語りパート始めようとしてたやん!?

コイツの取り調べする奴、かわいそうやなー。

ほっといたら永遠としゃべるぞ・・・



おっ、役人っぽい人きた。

日ごろから早歩きしてるだけあるな。


「あー!すみません。お待たせしました。こちらの方が街の警備っぽい人です!」



っぽい人じゃなくて本職よんでこいや・・・



「ご協力ありがとうございます。私、この街で警備をしているっぽい人っぽいです」



ぽいぽい、うるさいねん・・・



「失礼しました。冗談はさておき、この街の警備の者です」



ノリ良い人やけど、状況考えてほしいわ。

真顔で言うから冗談に聞こえへんし。



「こちらの方から、スリを捕まえたと伺ったのですが・・・あなたが今、抑えてる者が?」



「はい、コイツです」

人のケツから堂々抜いとったで。



「こ、こいつは・・・!」



「何かご存じなのですか?」

なんやなんや?

なんか、きな臭なってきたで。



「こいつは私たちが20年間追っていた奴です。そして20年間だれもこいつを捕まえることができなかった・・・一部の人間には面が割れていましたが、犯行時以外、街で見かけた等の情報は一切上がらなかった」



「そうでしたか」

まじか。

結構あっさり捕まったで。



「スリの報告があったとき、必ずと言っていいほどこいつに関する情報が上がります。

スリのプロフェッショナル。我々の間でついた名前がスリーピー。」



「そうでしたか」

スリーピーって真面目に言ってるんか、冗談で言ってるんかわからんし。

真顔でしゃべるから、なんて答えたら良いかわからんし。



「・・・フッ。そう言えばそんな名前を付けられていたな。私に何か盗まれた奴はすぐには気付かない。

その日は何も気付かず寝ちまうのさ。そして、気付くのは次の日の朝・・・寝て起きてからようやく気付く・・・そこから私に付けられた名前はスリー・・・ピイイィタタアァ!」



お前はしゃべんな!

絶対そんな深い意味の名前ちゃうわ!

なに、ちょっと嬉しそうにドヤ顔でしゃべっとんねん!

だいたい、抜いたのすぐバレたやん!俺も見てたし。



「ともかく、このスリーピーを捕まえれたということはこの街にとって非常に喜ばしいことです。

私はスリーピーを留置した後、急いで町長に報告します。なので、あなたも・・・あなたのお名前は?」



「メシートです」



「メシートさんですね。私はこのスリーピーを留置した後、急いで町長に報告しないといけないので、先に失礼しますが、メシートさんに簡単な状況説明をお聞きしたいので、この後役場に向かっていただけますか?」



「わかりました」

うわぁ、面倒そうやな。



「ご協力ありがとうございます。では後ほど・・・先に失礼します!」



なんか面倒そうやな・・・

行きたないわ・・・

けど、行かなもっと面倒なことなりそうやから、行くわ。




次回、町長っぽい人が登場するっぽい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ