第41話「激突する2人のナンバー1」
ハルアが胸元から取り出した透明の板をキーボードを打つみたいにボタンを押していると、急にその手を止める。
すると、その板は足下まで降りて行き、大きくなり丁度2人乗れるくらいの大きさになる。
「では、参りましょう。」
そう言ってその上に乗ると、レイの手を取りダンスのリードをするみたいにその上に乗せ、
2人がそれに乗り込むと、ハルアの前にキックボードのハンドルみたいな物が生えてくる。
それも同じく黄色がかかった透明色で。
ハルアをそれを手に取ると、その乗り物は加速なしでいきなり時速100kmの速度で動きだす。
本来なら、慣性力で後ろに飛ばされるのだが、さすがは科学の力なのか、2人は何ともなかった。
「レイ、気を付けて、この乗物から体を出さないでね。」
「お、おう……」
時速100kmで動いてるにも関わらず、2人には恐ろしい事に遠心力どころか風すら感じない。
それは地面に静止している感覚と似ている。ただモニターに街が次々に流れていく映像が流れている様な。
しかし、もっと恐ろしい事に時速100kmと言う速度で動いているのにも関わらず、障害物に当たらないのだ。
次々に避けられる、人、家。逆にそれらがこの乗物を避けている錯覚すら覚える。
「どうなってるんだこりゃ……」
「この乗り物? まず、この乗物から説明するね。この乗物は人類が作りだした新たな原子でできているの、
元々原子って元素番号1~92までしかこの自然界で発見されてないの。けど、現在は256まで作りだされているの。
ちなみに今、レイが乗っているのは元素番号251、イマジナリウムの同素体に科学的技術を施した物なの。
本来はこんな固体じゃ存在できないのだけどそのイマジナリウムを元素番号192、フィルムニウムって言う
原子の膜で覆ってあげる事によりこうして固体の様に存在できるようになったの。
あと、あちこちに細工されてるけどそれの説明は置いといて、
地面と対面してある表面にエレクトロニウムって言う原始と水を混ぜ合わせた、マグネティックウォーター
って言う物に覆われているの。それが常に磁力を働かせている地面に対して磁場を飛ばしていて、
磁石の様に反発しあっているの。だからこの街を出たらこの乗物は使えないんだよ。
そしてこれには地面との摩擦を無くすと言う事で大幅に速度を上げる事に成功したの。
それとレイには慣性の力や風の抵抗を感じないと思うけどこれにもちゃんと理由があって実は――――」
「ストップ! ストップ!! ストップ!!! もう勘弁!!!!」
ハルアは説明を途中で止められ少し不満そうな顔をしていたが、
難しい話を大量に聞かされたレイにそれを悟る気力が残っているはずがない。
と、その時、丁度、ほとんど誰もいない大通りを通りかかった時、この乗り物は急停止してしまう。
相変わらず、物理の法則を無視した急停止と共に2人は飛ばされる事も無く、そこで前を見る。
すると、そこには……
あまりに急停止したので乗っている人が慣性の力により飛び出して来るんじゃないかと
身構える、カッターシャツの第1ボタン以外開けた、謎の服装をした少年が居た。
そう、学園のナンバー1だ。
ナンバー1は人が飛び出して来ないと分かると、とりあえず乗り物を破壊しようとしたのか
すぐ前で静止している黄色のかかった透明の乗り物に殴りかかる。
しかしその乗り物は丁度、ナンバー1の殴った所だけ綺麗に穴が開き、上に乗っている2人を丁寧に降ろすと
ナンバー1を閉じ込めるかの様にナンバー1の周りで金魚蜂の様に丸くなる。
「く! 貴様!」
ナンバー1は外で余裕の表情をしているハルアに腹が立ったのか、思い切り金魚蜂の表面を殴る。
すると、今度は意外な事にそれがガラスの様に砕けてしまう。それを見たハルアはさすがに驚きが隠せないのか、
「そんな! あれを生身の体で破壊できる人が存在するなんて!? 戦闘モードに切り替わります。
レイ、私から離れないで。」
そう言って、レイを庇うように前に立つが、その後ろで
「俺を誰だと思っている? 学園のナンバー1だぜ?」
そう言ったのはエグセントではなく、レイだった。
お久しぶりです~。
長い間投稿していなかったですね~。
暇が出来たので、投稿します。




