第3話 「絶対零度之白銀少女」
俺は今、男2人に襲われている。
そして、そいつから逃げているところだ?
逃げているところ・・・だよな・・・?
鬼ごっこって後ろから迫ってくる奴から前に逃げる遊びだよな。
前に逃げてるのに何で前に居るんだ?
そんな疑問を抱いている時、銀髪の髪で鉄の棒を持っている奴らが来た。
俺を助けにか、この男の加勢かは解らない。
「イシュタル!何をしているのですか!?こんな事は命令にないはずですよ!!」
その先頭の人物が大きな声でそう言った。
「申し訳ありません。そこの、男が我々を脅してきたもんですから・・・」
あの老人はイシュタルと言うらしい。
その老人がこんな事を言ったおかげで、先頭の人物は怖いほどにこちらを睨んでくる。
そして、こう告げる。
「ならば、排除する・・・」
なんでだよーーーー
なんで、そんな安っぱい嘘を信じるんだよ!
なんて叫びを心の中で上げていたら、氷の球?
みたいなものが飛んできた。
「うわぁっ!」
俺は思わず悲鳴を上げ、それを避わした。
「運がいいですね・・・私の能力はアブソリュートゼロ/瞬間凍結。
通り名は絶対零度之白銀少女。
私にかかればあなたは一瞬でマイナス273、15度になりますよ。」
通り名どうりの白銀みたいに色の白い女の人が、口から白い息を吐きながら話しかけてきた。
「なに訳のわからない事言ってるんだ・・・」
「さようなら・・・」
そう言って俺に触れていた。
「おい!話聞けよ!しかもさようならって今から俺は死ぬのかよ!」
しかしなぜか女は驚いた顔をしている。
「なぜ?あなたはマイナス273、15度の氷の塊にならないのですか・・・?」
「なるか!」
俺は女のひどくうろたえた顔を見て、もう何もされないと思って安心していたら、
今度はさっきの男が迫って来ていた。
すると、とうとう秋葉が泣き出してしまった。
その泣き声に全ての者の動きが止まる。
「ひ、ひとまずこれは保留と言う形で・・・そんな事よりあなたはどこの機関所属ですか?」
「機関?」
俺はそう聞きながら秋葉の機嫌を取る。
「フリーですか・・・学生さんとかですか?でしたらなぜこのような場所に・・・」
「?学生だけど・・・それよりここはどこ?」
「は?」
俺はそのままこの女について行き、話をいろいろ聞いた。
あそこは、街から離れた場所でさっきの男2人は街の安全を守るために
見張りをしていたそうだ。
そしてこの女の人はヘルと言う名でさっきは見張りがさぼっていないか
パトロ-ルに来ていたそうだ。
今さらだが、さっきから名を名乗ってくれるのはいいが、カタカナでよその国みたいな
名前ばかりだから、いまいち信頼性が欠ける。
あと、この場所には学園と言う物があってそれに通っていない者がフリーと言うらしい。
そして、こちらも今まで過程を話した。
「そうですか・・・光に包まれて、こんな事に。」
うっわー。すげぇ信頼されてねぇ。
なんだ、その明らかに嘘つきを見る目は・・・
こっちも信頼してねぇからお互い様だけど・・・
ん?今頃気づいたが床が畳だ・・・と言う事は日本か?当り前か・・・
あれだけ不思議な事があったら外国かも、って疑うっつーの。
ん?さらに今頃気づいたが、秋葉がいねぇ・・・
「あれ?秋葉は?」
「さっきの子は私の妹と遊んでいます。ご心配なさらずとも大丈夫でしょう。
私に似て冷気を操ったりしますが、それを無効化した方のお子さんなら。」
っと、とてもニコニコして言う。
うわぁ、ものすごく根に持たれてる~。
しかも、俺の子じゃねぇ~!
て言うか、あれが俺の子に見えるのか?
俺はそんなに老けてるか?
「大丈夫じゃねぇ!それと俺の子じゃねぇ!」
「ほほほほ、冗談ですよ。」
「どこからどこまでだよ?」
俺は大声で怒鳴ってしまった。
「冷気を操るのとあなたのお子さんの所です。
確かにあの子は冷気を操れますが、人に向かってそんな事はしないでしょう。」
どの口が言ってんだ?
なんて疑問は置いといて、俺はまず
寝床の心配をして、どこかに泊まる所はないかと聞いた。
普通の人は寝床の心配はしないで帰る心配をするだろうが、俺は違う。
と言うのも家に引きこもってゲームから知識を得た結果がこれだ。
すると、親切にもこの女の家に泊めてくれる事になった。
アブソリュートゼロ/瞬間凍結
強力な力ですね~。
それを無効化するとは、さすが主人公補正。