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神の鬱  作者: 紅きtuki
希望編
27/62

第29話「幻想破壊の準備」

超高級車の中で揺られながら紅葉とナンバー2は話をしている。

 ナンバー2が言うには紅葉は一応、プロテクションパーソナリティと言う町の防衛者なのだが、

そのプロテクションパーソナリティ内部にも枝分かれした機関が存在すると言う、

そして偶然にも紅葉はナンバー2と同じ機関だと言う訳だった。

 機関は全部で13もあり、紅葉は機関ナンバー12『アテナ・ミネルバ』に所属している。

もちろんヘルもそうだろう。そして皮肉な事に銃で紅葉たちを襲ったナンバー4も同じ機関と言う事になる。


「それで、俺に何をしてほしんだ?」


「話が早くて助かりますわ。これはかなり特殊な任務で機関の中でもかなり上位の者にしか与えられませんの。

もちろんヘルと言う女性は外させて頂きました。

ヘルと言う女性はあなたと知り合いと言う事もありましたので一応報告させて頂きましたわ。

そして、肝心な任務参加人数はわたくしとナンバー4と

その弟である、カイとあなたの計4名ですわね」


「たった4人!? それで何をしようと言うんだ!?」


「簡単ですわ。他の機関への侵入、偵察、暗殺、ですわ。」


「暗殺……だと!? お前、何がしたいんだよ!」


「慌てないでくださいませ。わたくしとてそんな真似はしたくありませんわよ、

しかし、そんな生ぬるい事は言ってられませんの。今ここでやるべき事を怠れば大変な事になりますの。どうやら、別の機関がよからぬ事を企んでいるという報告がありまして、その情報の確認と場合によっては暗殺……暗殺の方はナンバー4であるベルクラージュとその弟さんが担当してくださいますわ。そしてわたくしとあなたは、偵察とナンバー4の援護。能力を無効化できる、あなたは使えると判断してお呼びしました。今のあなたには拒否権はありません。なぜならプロテクションパーソナリティの一員だから、そして何よりもあなたはこの事を知ってしまった。」


「何で俺なんだよ……」


 会話が途絶え沈黙の中で車に揺られていると、紅葉は少し違和感を覚える。

学園に向かってると言うのに、一向に学園が見えてこない。

それどころか、知っている道すら見えてこない。


「おい、これって学園に向かってるのか?」


「いえ、お話する事は終わりましたし、私たちの機関へ向かっている所ですわ。」


 紅葉はどうしてこんな事になっちゃんだろう、と考えながら、眠りに着く。

疲れが溜まっていたのだろう、しかし無理も無い。この一日で遊園地に向かったと思ったら

観覧車が落ちて、クレームをつける前に銃口を向けられ、挙げ句の果て発砲され、

しかしなんとか解決し、友達の家でやっと落ち着いたかと思ったらいきなり侵入任務の命令。

これだけの事があったのだ、心地よく揺さぶってくれる車の中で眠りに着くのはおかしくない。

いや、逆に疲れないとおかしい。そんな紅葉にしばしの休息が訪れる。

ナンバー2もその事を悟ってくれたのか、優しい笑顔で眠りへ見送ってくれた。


 しかし、人は面白いもので、楽しい時間や快楽の時間はあっという間に過ぎてしまう。

同じ30分でも、楽しんでる時と辛い時では感じ方が変わってくるのだ。

そして、当たり前のようにそれは紅葉にも及ぶ。

唯でさえ少ない快楽の時間をさらに少なく感じさせられて、目が覚めたその先には

ナンバー2の横にナンバー4とその弟と思われる人物がディナーを取っていた。

それぞれ食べている物が違い、ナンバー2は豪華な肉料理をマナー良く食べていた。

木でできたテーブルを挟んでその前にナンバー4が最低限のマナーでパンを食べている。

そしてその弟はその横で足をテーブルの上で交差させてコーヒーを飲んでいる。


「何だ……この状況……俺は確か車で……」


「あ、目が覚めましたわね。あなたは何をオーダーしますの? 遠慮はいりません事、お料理を作るのはわたくしの専属シェフですので代金などいちいち取りませんの。それと寝て居たあなたはわたくしのボディーガードに運ばせましたわ。」


「御姫様抱っこされていたっすね……」


「まったくだ、男として恥ずかしいと思わないのか?」


「くそ……この兄弟好き勝手言いやがって……」


 そんな事をぼやきながらメニューを手に取る、腹をすかした紅葉からすればそこには楽園が待っていた。 




アンノウンの出番が無くなった……

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