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神の鬱  作者: 紅きtuki
希望編
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第27話「あっと言う間の時間」

 紅葉はモミジの家に入ると、いきなり遊ばされていた。カエデと……

家に入るなり、遊んでくれないと強制戦いごっこする! と脅されたのだ。

本人のカエデには脅してるつもりは無く、唯、無邪気に遊びを求めたのだろう。

モミジの話によるとカエデは家からほとんど出た事が無く、

さっきのように姉の出迎えにしか外に出ないらしい。というか、出たがらないらしい。

そのくせ能力は強力で、トゥエルブナイン/必然命中と言って、

どんな攻撃も当ててしまうという驚異の能力を持っている。

その確率を数字化すると、99,9999999999%と言う桁を誇る。

そして、その強力の能力のせいかちゃっかり称号まで貰っている。その称号は、

明快闊達之百鬼夜行めいかいかったつのひゃっきやこう

恐らく学園に入学していれば間違いなくナンバーには入るだろう。

ちなみにナンバーが貰えるのは100までだ。

一見多く感じるが、生徒の量が多いのでナンバーに入るのはとても厳しいようだ。


 それと、意外な事に横ですやすやと眠っている、アンノウンもかなりの力の持ち主のようだ。

モミジが言うにはアンノウンがベルクラージュと呼ばれた男を説得する為に、

本のような心剣を使用したがあれにはペンや筆を使わなくても自分の思った事が書き込めるらしい。

鬼の脅威の視力でそれは確認済みだそうだ。

と言うのもあの時、本の内容がモミジに見えたらしく、アンノウンは本に書いている資料を元に話していたそうだ。

そしてもっと凄いのが、いや、恐ろしいのが本に書きこまれている物を使用できるかもしれないと言う事だ。

これは確認がされていないが、本の左側ページの左下にレンガで、できた壁が映し出されていたそうだ、

それも本から浮かび上がって……

詳しい事は聞いてみないと分からないが、もしそれが事実ならばアンノウンはとてつもない力を持っている事になる。


「う~ん……」


 本人の事を考えるとその本人が急に寝息を立ててむっくりと置き始めた。

その時、紅葉と遊ぶためにカエデが用意した人形が紅葉の顔に直撃した。

意外な事に人形は綿でできているに関わらず、紅葉は勢いに負けてそのまま床に頭を打ち付けた。


「はっはっは、すでに戦争は始まっているのだよ、諸君。」


 そのあと、アンノウンも人形によって頭を床に打ち付けてしまった。そしてすかさず抗議に入る。


「うぅ~。私は病み上がりなんだよ?」


「上がってないよ! まだ病んでるぞ!」


 紅葉がすかさずつっこみに入った後、またしても地面に頭を打ちつかせてしまった。

さすがにそれには腹が立ったのか、すぐ近くに落ちた人形を掴み、投げ返す。

カエデは華麗に身を後ろに反り返し、かわす、と同時に、かわしたはずの人形を受け止める。

そして視線を元に戻した後、すかさず人形を投げ返すが紅葉も負けじと床を転がってかわす。

その時、カエデの動きが止り、そのあとすぐに顔に人形が張り付く。

投げられた人形のしっぽには名札が付いており、そこにはベアちゃんと書かれていた。

そして人形が物理の法則に従いポトッと床に落ち、

人形にあった場所には、驚きが隠せないと言った顔がそこにあった。


「どうしてそんなに驚いているんだ?」


「だって外したから……」


「あぁ、そうか。俺には能力を無効する力が備わっているん、だ……よ!」


 そう言って再び人形をカエデの顔にぶつけた。人形の名札にはやぎちゃんと書かれていた。

そして再び人形が物理の法則に従い、地面に落ちると同時に紅葉はカエデに肩を噛みつかれていた。


「痛った~~~!! 何してるんだよ!?」


「なんで、君には当たらないんだよ!」


 カエデにしては甘噛みらしいのが、紅葉からしたら針を血が出ないぎりぎりの所まで刺されている感覚があった。

アンノウンがその様子をおろおろした様子で眺めている。

そうして手足をばたつかせている時、台所と思われる場所で用事を済ませてきたモミジが部屋に入ってきた。

そしていきなり、


「いや~。青春してるね~!」


「ひぃ~! 痛い痛い! 不可抗力だろう!」


 そんなかんだで時は過ぎていく。

青春してるね~!

っと適当になりすぎたな……


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