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神の鬱  作者: 紅きtuki
希望編
22/62

第24話「偽りの約束」


「何か、勘違いしてないっすか? リベレイトしてるのはそっちだけじゃないんすよ?」


 男はそう言い再び銃を構え直す。

構え直すというのは、常に銃口をモミジに向けているのだがグリップを強く握り直すという事だ。

その様子からみて男はリレベイトを解除する気は無いようだ。

そして、この辺りだけ無人の遊園地で金属と金属のぶつかり合う音が聞こえ始める。

その金属音の正体は鉄球と銃弾がぶつかる音だ。

一見、良い勝負をしてるように感じるが鉄球が銃弾を一方的に防いでいるだけだった。


「いいんすか~? 鉄球なんかで銃弾を防いでも。また貫かれたら大惨事っすよ~?」


 そう言って銃弾を乱射する。命中率が高く的確にモミジの体を捕らえていた。

その様子を血まみれ(モミジの)の紅葉が止めようと前に出るか出ないかで悩んでいた。

その悩みが行動に出ていて、前に行ったり後ろに戻ったりしている。


「あ、いや。ちょっと……ストップ……お~い……」


 止めたいが、止めると自分がどうなるかを想像して超小声で止めようとしている。

そんな時に紅葉の良く知る女の子が現れた。

 前髪が長くて茶髪で、読書が趣味で、ついさっき観覧車に取り残された女の子。

アンノウンだ……

 ものすごい速さでこちらに近づいてきてる。手すりや階段をいとも簡単に飛び越えている。

見た目や趣味に反して運動神経が良いアンノウンだった。


「大丈夫!? 紅葉君!?」


「あぁ、まぁ。大きな怪我は無いがモミジが……」


「む! 浮気?」


「いやいや、今はそんな事を言ってる場合じゃない。どうにかしないと……」


「う~。話反らして……ま、けど。あの女の子を助けたらいいんだね?」


「そ、そうだけどよ……あいつ銃持ってるし……」


「あんなの豆鉄砲だよ。ま、私に任せて。」


 紅葉がそれを止めようと手を伸ばしたが気付くのが遅く、

アンノウンの肩のすぐ横を手がすり抜けて行く。

そして、堂々と戦っている2人の間に入って行く。

男がそれに気付いたのか、銃声が止んだ。そしてすぐさま問いかける。


「誰っすか?」


「紅葉君の未来のお嫁さんです! とりあえずその女の子を救いに――」


 そこまで言ってアンノウンの右頬をすれすれで銃弾が通り過ぎて行った。傷は出来なかったが。


「む~。女の子は顔が大事なんだから。」


「何したんすか……? 自分は今、君の頬にかすり傷が出来るくらいを狙ったんすけどね?」


「うぅ~。人の話を無視しないでよぉ。

それと、君の問いかけの答えは簡単だよ。私が左へ動いただけ。」


 そう言ってアンノウンの左手に光が満ちる。そしてそれはだんだん本の形に整って行く。

そうして出来上がった本を開き、胸の辺りまで持って行き、余った右手で男を指さす。


「何のつもりすか?」


「私はあまり争いを好まないなぁ。ここは手を引いてくれないかな? 

そもそも、君は何で私たちを傷つけるの?」


「観覧車を破壊したからっす。」


「そもそもそこだよぉ。壊れてないよぉ。君は見てなかったのかな? 

観覧車が落ちた後、再び上がって行くのを。」


「そう言えば……そうすね……。じゃあ原因はなんだったんすか?」


「観覧車の動作動力の一時的シャットダウン。

簡単な話、観覧車の動力を奪う何かがあったと言う事だね。」


「それはなんすか?」


「もう何もしないって約束できる?」


「そうすね。原因が君たちによる意図的な物以外なら。」


「原因は紅葉君だよ。意図的じゃないけどね。

と言うのも紅葉君には心剣に及ぼされた力を無効化する力が備わっているんだ。

だから私も紅葉君の力を突き止めるのには苦労したよ。

それでね、観覧車の動力は何だったか思い出してみて。」


「……」


「簡単でしょ? レビテーション/空中浮遊だよね。つまり超能力だよね。じゃあ私たちはこれで。」


 そう言ってアンノウンが紅葉の元へ駆け寄ろうとした時、アンノウンがその場に倒れた。

そしてアンノウンが倒れると同時に銃声が鳴り響いた……

アンノウン!?


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